3つの領域

医療・福祉マネジメント研究科では、①社会福祉領域、 ②医療福祉サービス領域、 ③医療・介護・福祉経営領域 の3つの領域を配置しています。各領域で開講される専門演習ではそれぞれの領域における専門性を高めます。

一方、領域を超えた院生が受講する演習や授業では、医療・福祉領域のサービスマネジメントと経営の基礎について幅広く学ぶとともに、多職種間連携教育( Inter Professional Education, IPE )を通じて、複雑化・深刻化する問題に多職種が連携して対応できる問題解決能力・実践力・教育力・マネジメント能力の養成をめざします。

医療・福祉マネジメント研究科の院生は、入学時より、設定されている3つの領域いずれかに所属します。

社会福祉領域

ソーシャルワークにはミクロ・メゾ・マクロの各領域があります。直接支援のミクロ領域で主な仕事をしている臨床ソーシャルワーカーをはじめとして、保健医療分野や教育、司法、労働の専門職に対しては、臨床場面の問題意識をもとに、新たな知見や自分の意見や信念に対する学問的補強を求めて、組織や地域・地域社会・制度政策等メゾマクロに展開する技術演習および研究指導を行います。また家族や地域社会の実践を主な対象とする行政マンや社会福祉協議会、NPOに所属するコミュニティーソーシャルワーカーおよび地域を対象とする隣接領域の専門職は、臨床のミクロと、地域社会や制度政策のマクロにも、双方向に手を伸ばす技術開拓および研究を行います。

医療福祉サービス領域

保健医療福祉サービスのマネジメントについて、ミクロ(臨床、事例)からメゾ(チーム、施設、事業体)、さらにはマクロ(制度、政策)までの幅広い領域とともに、健康、予防、急性期、回復期、生活期、終末期までのあらゆる健康レベルに対応した諸課題に取り組みます。具体的には、地域包括ケアシステムを見据えた多職種・他機関とのネットワーク形成、サービスの質の評価、プログラム評価、人材育成と人材マネジメント、組織運営とリーダーシップ、QOL(生活の質)やwell-being(幸福)、リハビリテーション、リスクマネジメントなどの諸課題を研究します。

医療・介護・福祉経営領域

医療・介護・福祉は選択の時代を迎えており、選ばれる医療機関や介護・福祉施設になるためには、サービスの質と健全な経営を同時に達成するための「医療・介護・福祉経営」が強く求められています。本領域では、利用者本位で安全で質の高いサービスを持続的に提供するための「医療・介護・福祉経営のあり方」について研究し、経営学の幅広い視点(人と組織のマネジメント、経営戦略、マーケティング、会計・ファイナンス等)から、現場の問題解決が図られるように指導します。医療・介護・福祉施設等の管理職や看護・介護管理者または現場のリーダーをはじめ、将来の管理職やリーダー、起業などを目指す方、そして医療・介護・福祉のシステムや経営に関心ある方も対象に、通学にかかる物理的制約に配慮し、オンライン活用による柔軟なカリキュラムを提供します。
※2021年度入学者までの「組織・人材マネジメント領域」の内容を発展的に継承します。