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国際福祉開発学部

国際フィールドワークⅠ

世界に飛び出して現場を見つめ、自分や日本社会を見つめ直す

1年次の2月に約2週間、学生全員がアジア各国やアメリカ、インド(アメリカ、インドは隔年実施)を訪れ、現地学生のサポートのもとで多様な現場を訪問して調査研究を行います。海外協定校・協力校とともに独自開発したプログラムであり、個人旅行では不可能な体験が可能。人々の生活やものの見方・考え方の違いに気づき、あなた自身や日本社会の問題を見つめ直す機会にもなります。

2020年度に続き2021年度も新型コロナウイルスの感染防止のために海外での研修は取りやめ、2021年度は愛知県内でのフィールドワークと海外の協定校とのオンライン交流を実施しました。

2021年度研修レポートより

愛知まち歩きフィールドワーク

愛知県内に地域を限定して調査活動を行うことをとおして、大学の地元である愛知県各所の街の景観と多文化共生を知ることを目的に、2月14日~18日にまち歩きフィールドワークを実施しました。
学生は小グループに分かれ、提示された調査対象の街の中から3つ選択しました。予め調査テーマを決め、調査方法・ルートを話し合い、調査計画を立てた上でフィールドワークに出掛けました。

<調査対象の街>

  • 名古屋市:有松、大須、円頓寺、四間道
  • 尾張地域:犬山、瀬戸
  • 知多地域:半田、常滑、篠島、日間賀島
  • 三河地域:岡崎、足助、西尾、吉良、佐久島

<調査における3つの課題>

  • 課題1:指定の場所で、自分が入った写真を撮影する。
  • 尾張地域:犬山、瀬戸
  • 課題2:自分が発見したものの写真を撮影する。
  • 課題3:まちの人に、まちの魅力についてインタビューをする。

例えば、犬山市では「犬山城と城下町を訪れ、観光客の視点と地元住民の視点をもって歴史を学ぶ」、篠島、日間賀島では「島民の暮らしを知り、コロナ禍での生活の変化を調査する」というように、それぞれのグループで設定したテーマに基づき、実際に街を訪問して調査活動や地元の方々へのインタビューを行い、写真とメモに記録しました。最終日にはそれぞれグループで調査してきたことを発表しました。
短期間のフィールドワークでしたが、学生は事前の情報収集、フィールド調査、考察、事後報告といった一連のプロセスを経験し、初歩的なフィールドワークを実践することができました。フィールドワークを振り返ると、事前準備が万全ではなかったなどの反省点が見えましたので、2年次以降のフィールドワークやインターンシップに活かしていきます。

マレーシア科学大学とのオンライン交流

「マレーシアと日本のまちと暮らしを知る」をテーマに、3月25日に本学と協定を結ぶマレーシア科学大学とオンライン交流を行いました。
本学からは、学生は2月に実施した「愛知まち歩きフィールドワーク」で巡った街を紹介し、愛知県の魅力を伝えました。マレーシア科大学からは留学生のサポートを行うInternational Mobility & Collaboration Centre(略称「IMCC」)の学生がマレーシアの文化、観光情報、地理情報を紹介し、本学学生はマレーシアへの理解を深めることができました。
最後に少人数のグループに分かれてディスカッションを行いました。発表内容に限らず、マレーシアで流行している日本のアニメや、好きな俳優等の情報交換を行いました。学生らは英語での会話に緊張している様子でしたが、終盤にはリラックスして笑顔も溢れ、画面越しに写真撮影も行いました。
お互いのまちや暮らし、学生生活などについての意見交換を通して、違いや類似点を発見することができ、これからのまちと暮らしの在り方について考える契機になりました。

2020年度研修レポートより

2020年度は新型コロナウイルスの感染防止のため、海外との往来が制限されました。本フィールドワークもその影響を受け、代わりに東海キャンパスで工夫を凝らした様々なプログラムを実施しました。日本にいながら海外に渡航した気分に浸れるように、海外の協定校等とオンラインで結んでの交流や、各国出身の外国人を講師とした言語・文化学習、食文化体験などの多彩なプログラムを展開しました。
関わった国は、例年フィールドワークで訪問するアメリカ、インド、カンボジア、フィリピン、マレーシアの他に、イギリス、インドネシア、韓国、キューバ、中国、ネパール、ブラジル、ベトナム、ポルトガル、ロシアの15ヵ国にわたりました。

2020年度の研修内容の一部を紹介します。

協定校とのオンライン交流① クラーク・カレッジ

クラーク・カレッジからは日本語を学習する学生が多数参加し、カレッジの基本情報やアメリカ文化の紹介を受けた後、活発に質疑応答を行いました。本学からはカレッジの入学要件やキャンパスのアルバイト情報などを質問しました。最後に日本語を学ぶ学生らから、ぜひいつかカレッジを訪れてほしいと温かいメッセージをもらいました。

協定校とのオンライン交流② ミンダナオ国際大学

ミンダナオ国際大学の3年生(約30人)、1年生(約30人)とそれぞれオンラインで結び学生同士の交流を行いました。本学学生2人が司会を務め、互いの大学を紹介するプレゼンテーション、パフォーマンスの披露、小グループに分かれての交流の順に進行。

本学からは英語でキャンパス周辺の様子を紹介し、その後、ミンダナオ国際大学の学生が日本語でダバオ市の自然環境、観光名所、文化(食、祭)などを紹介しました。
続くパフォーマンスでは、本学からは若者に流行りの歌に乗せたダンスを披露し、先方からは日本語や英語で歌を歌った様子を事前撮影・編集した動画が披露されました。
お互いの背景を知った上で、次は小グループに分かれてセッションを行いました。本学学生が用意したクイズを出したり、自己紹介をしたりして親交を深めました。英語でのコミュニケーションを基本としつつ、時折、日本語も織り交ぜながら日本の文化や好きな英語・日本語の表現を尋ねたりしました。
最後はパソコンの画面上で記念撮影。学生らは今後も連絡を取り合うことを約束しました。

協定校とのオンライン交流③ マレーシア科学大学

マレーシア科学大学からは学生10人と国際連携担当部署のスタッフが参加。
本学からは日本文化や学生生活について英語で発表、マレーシア科学大学からは事前に作成した動画で、キャンパスや、キャンパスが所在するペナン島ジョージタウンが紹介されました。

その後、事前に本学に郵送されたヘナ・ペーストを使い、ヘナ・アートを体験しました。ヘナ・アートとは、植物のヘナの色素を使って肌に模様を描くものです。同大の学生から説明を受け、本学の学生は図案を見本に、茶色のペーストで手の甲などに描いていきました。 最後はグループに分かれてフリー・トークを行い、親交を深めました。学生たちは、それぞれの国で人気のあるものや、大学の話、好きな日本文化などを話し合い、「文化や言語が違っていても共通点や知っている情報を共有し合える」など、様々な発見や気付きを得ました。 この交流を通して互いの国の環境や生活、文化を知ることで、異文化への関心を高めることにつながりました。

現地とのオンライン交流④ カンボジア

毎年フィールドワークで訪問しているカンボジアのCambodian Rural Development Tours(CRDT)のピヤさんの協力により、地元の市場や農村でのホームステイを疑似体験できるように動画を作成いただき、視聴。CRDTはカンボジアの貧困解消と環境改善をビジョンに掲げ、持続可能な社会を実現するために環境保全、人々の生活の質の向上、経済的な自立(観光ツアーの実施、ホテル・レストランの経営)などの取組を行う団体です。

地元のクラチエ市場を撮影した動画では、市場の活気ある雰囲気や、日本では馴染みのない野菜・魚などを見ることができました。ホームステイ体験では、フィールドワークで滞在予定だったメコン川沿いの村を動画とライブ配信で紹介し、村での生活について知りました。それを見て、日本語や英語でカンボジアの教育制度、性差別などについて質問し、ピヤさんから実情を聞きました。

文化体験

ブラジルのサンバ、キューバのサルサムーブメントを学びました。それぞれの国出身のインストラクターの方からダンスの動きを教わり、最初はぎこちないステップでしたが、慣れてくると学生からは笑みがこぼれました。

From a student

国内研修から得られたこと

三矢 典明 さん

当初はアメリカ研修を希望していましたが、新型コロナウイルスの影響で海外渡航できず学内で研修を行うと決まった時は、現地に渡航してこそわかる食文化や、生活の違いなどから得るカルチャーショックなどを体験することがかなわないと思いました。しかし、学部長の「今何をすれば自分のためになるか」という言葉を聞いて、学びを糧にできるかどうかは自分次第だと強く意識して研修に臨むことができました。
通常はフィールドワークに行かない国も含め、様々な国について広く学び知識を得て、興味を持つきっかけになりました。カンボジアのCRDTやアメリカのクラーク・カレッジとのZoomでの交流では多くの刺激を受け、英語の理解力をもっと鍛えようと思うようになりました。何か行動を起こすきっかけになったり、さらに海外に関心を向けたりすることができる研修でした。
学内での実施となりましたが、様々な国に行ったような気持ちになれ、普段の授業では得られない刺激を得ることができました。

2019年度研修レポートより

フィリピンチーム

ルソン島中部に位置するオロンガポ市へ。児童養護施設・障害児施設の訪問、ストリートチルドレン・障害児の自立支援現場の見学、女性の生活・就職支援団体の訪問を行いました。女性の生活・就職支援団体では女性の権利を守ることの意味や、差別を受けた当事者の方からの体験を聞きました。研修を通じて、自分の価値観だけで物事を判断してはいけないことや視野を広げる必要性を学びました。

マレーシアチーム

「マレーシアの経済成長と多民族社会を学ぶ」をテーマに、マレーシア科学大学の学生と共に講義、施設訪問、ホームステイ等のプログラムを実施しました。世界遺産のジョージタウンを訪問し、イギリス統治時代からの歴史的建造物や、マレー系、中華系、インド系それぞれの民族の宗教施設が共存している様子を体感しました。
様々な世代の人々とコミュニケーションを図り、多文化共生の精神を養えたとともに、同大学生との2週間にわたる交流は、マレーシアの同世代の若者の考えや生活の様子を理解し、今後の友好関係にもつながる貴重な体験となりました。

カンボジアチーム

王立プノンペン大学の学生との交流会では、同大の学生が大学やカンボジアについて紹介し、本学は折り紙などの日本文化を伝えました。英語でのコミュニケーションは緊張しましたが、絆を深めることができました。
研修の後半には、小さな島にあるドムライ村の農家・漁師の家庭に5日間ホームステイしました。村長、小学校の先生、中学生、農家の方にインタビュー調査を行い、村での生活・教育について聞き取りました。都市部・農村部で様々な人々のつながりや生活様式を学びました。

インドチーム

大都市バンガロールから車で2時間半ほどのマンディア県へ。子どもとともに平和の創出に取り組む「インド国際子ども村ハッピーバリー」の研修施設に滞在しながら、地域のカレッジで学生たちとの交流、インド近代史や地域医療施設訪問などの学習プログラムを体験しました。マンディア県はインド南部では一般的な農村部です。
研修最後の2日間はバンガロールに移動し、世界のICT産業の中心として人口1,000万人の大都会の現状を体感しました。研修を通して、実際に現地に出掛き、その国の文化・経済に触れてみることが大切だと思いました。

日本チーム

日本での研修は留学生を対象に実施されたものです。
豊田市にあるオイスカ中部日本研修センターで、海外研修生・技能実習生との国際交流、日本文化体験(茶道)、農業・林業実習、日本の物づくり現場の見学、ビジネス日本語講座などの研修を受けました。センターでの様々な研修を通じて、日本への理解を一層深めました。
センターでは毎朝6時に起床し、点呼、国旗掲揚、ラジオ体操、掃除をした後、朝食をとりました。早起きは大変でしたが、規律を守り行動することで心身を鍛練することができました。

From a student

カンボジアの人々の暮らしと文化への理解

研修先:カンボジア

比嘉 乃彩 さん

将来、国際協力や支援活動に携わりたいと考えており、発展途上国であるカンボジアの文化・伝統、人々の暮らしについて知るため、同国でのフィールドワークに参加しました。フィールドワークでは様々な地域を訪れ、暮らしや文化や歴史に触れました。
中でも印象に残ったのは、首都プノンペンとホームステイした農村部の人々の暮らしの違いです。プノンペンは大企業や海外企業が集まるため、人々の働く場所や仕事、商業施設が充実していました。一方、農村部は電気やガスが普及しておらず、道路も整備されていませんでした。スーパーやコンビニもなく、人々は隣町まで買い物に行っていました。
このように同じ国であるにもかかわらず生活環境や暮らしが全く違うことがわかりました。また、それぞれの生活の中で、人々の価値観や今の生活に対する満足度が多様にあることを学びました。都市部で働く人も農村部で生活する人も、皆が生活や自分自身のために努力する姿がカンボジア人の長所だと感じました。

事前・事後学習について

本研修で用意されている事前学習では①研修機関・研修内容の紹介、②渡航国の特徴(社会、文化など)、③日本と渡航国との比較、④安全管理・危機管理等について学びます。そして帰国後にフィールドワークの総括としてレポート提出と報告集作成の作業があります。事前学習と事後学習ではSNS(ソーシャルネットワークキングサービス)の活用、ML(メーリングリスト)、HP(ホームページ)等も利用して学び、この学習活動を通して効果的なICT利用技能も習得します。

※本科目の関連科目:「国際ファシリテーション演習」、「英語プレゼンテーション」、「異文化理解」

渡航前の安全対策準備について

本学で実施する研修は本学学生のみを対象に、協定校・協力校の協力を得て開発し、安全面に細心の注意を払いながら企画されたものです。また、実施にあたって、引率者が全期間同行し、いつでも緊急時の対応ができるように危機管理対策本部を設置したりするなど、安全面の対策を講じています。皆さんも参加する上では自身で責任を持ち、安全情報や健康維持管理のための情報収集等を十分に行ってください。

研修国の安全情報など以下を参考にしてください。