在校生・卒業生の声

矢掛 詩織さん

2015年3月卒業
愛知県/聖霊高等学校 出身

就職・進路先
社会福祉法人 中央有鄰学院 児童自立生活援助事業 ゆうりんⅡ型

子どもたちの思いを受け止め、答え合わせができるのは数年後。

児童養護施設には、最も気持ちに寄り添ってもらいたい親に、寄り添ってもらえない経験をした子が多く暮らしています。本当は家にいたいのに、ここに来ることになった、その悲しみや怒りが暴言や暴力の形で表れることもあります。そんな彼らと、ときにはぶつかったりもしながら、その生活を丁寧に支えていくことが私たちの役割です。

入職から8年間、3~18歳の6人ほどが暮らす部屋を担当してきましたが、今でも「これが正解」と言えるやり方はありません。「これでよかったのかな」と迷いながらの毎日です。当院を出て社会経験を積んだ彼らが、年末年始には帰ってきてくれます。久しぶりに囲む食卓で「ゆうりんのごはん、やっぱりおいしいわ」とか、当時の自分を振り返って「ガキだったな、苦労かけたよね」と話してくれるとき、ようやく答え合わせが できた気分。大変だった日々も悩んだ夜も、あの経験があったからこそ、と思えます。

2024年春からは現在の職場で、児童養護施設を巣立った若者たちの自立生活を支援しています。今後も当法人の理念である「いつもとなりにいるよ」を大切に、一人ひとりを見守っていきます。