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お知らせ

2020年度入学生の皆様へ(学長式辞)

2020年04月01日

 新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。
 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、全体での式典が中止となりました。本来ならば入学式会場で児玉学長よりお伝えするべき式辞を、以下の通り掲載いたします。

学長式辞

式  辞

 新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。本学に入学した皆さんを心より歓迎します。ご父母、保護者、ご家族の皆さまにおかれましては、誠におめでとうございます。

 いま、世界的に新型コロナウィルス感染症拡大が進む中、日本においては緊急的な感染拡大防止対策が国をあげて取り組まれている状況にあります。その為、本日は、政府、関係省庁から「学校の卒業式・入学式等の開催に関する考え方」が示されたことを踏まえて全体式典は行わず、入学生と教職員のみで学部・学科・専攻・専修毎に入学オリエンテーションを開催することになりました。その為、来賓の皆様、ご父母・保護者・ご家族の皆様、在学生の皆さんの参加をご遠慮いただいております。本学の入学式がこのような形となりましたことを、この場を借りてお詫びを申し上げるとともに、関係の皆様のご理解とご協力に感謝する次第です。また、全体式典を行わない為、この式辞を書面での掲示と致しましたことについてもどうかご理解ください。

 本学は、1953年に中部社会事業短期大学として開学し今年で67年目を迎えます。1957年に4年制の日本福祉大学を開設し、日本で最初の社会福祉学部1学部でスタートしましたが、今年の4月から新たに設置した大学院看護学研究科を含めて、現在は8学部10学科5大学院研究科を擁するふくしの総合大学となりました。

 67年前に本学を開学された、学園創立者の鈴木修学先生は、建学の精神として、この大学で学ぶ人への熱い思いと期待を記されていますので、その一部を新入生の皆さんにご紹介したいと思います。

 「この悩める時代の苦難に身をもって当たり、大慈悲心、大友愛心を身に負うて、社会の革新と進歩のために挺身する志の人を、この大学を中心として輩出させたいのであります。それは単なる学究ではなく、また、自己保身栄達のみに汲々たる気風ではなく、人類愛の精神に燃えて立ち上がる学風が、本大学に満ち溢れたいものであります。」
というものです。

 鈴木修学先生は、昭和初期から戦後にかけてハンセン病者や戦災孤児など、社会的に一番弱い人々の救済と支援に携わられました。すべての人の命を大切にし、しあわせなくらしの実現を願い、自らの命をかけて行動されたのです。その活動を深める中で、人々の支援に専門的に携わる人を養成する必要性を強く感じられて、この建学の精神を創案し、本学を開学されたのです。鈴木修学先生の人となりご業績は、日本福祉大学後援会から本日皆さんにプレゼントされた本『日本の福祉を築いたお坊さん』(星野貞一郎著、中央法規)に詳しく書かれているのでぜひ読んで下さい。皆さんのこれからの生き方に、きっと役に立つと思います。

 いま、世界的にSDGs(エスディージーズ)の取り組みが推進されています。このSDGsというのは、国連が2015年9月の国連サミットで採択したSustainable Development Goalsの略称で、「持続可能な開発目標」という意味です。国連に加盟する193カ国が2016年から2030年の15年間で達成することを目指す17Goals (目標)を掲げて、地球上の誰一人取り残さない(leave no one behind)ことを誓うものです。17Goalsには、鈴木修学先生が打ち立てられた本学の建学の精神に相通じる内容が多く含まれています。たとえば、1「貧困をなくそう」、3「すべての人に健康と福祉を」、4「質の高い教育をみんなに」、5「ジェンダー平等を実現しよう」、8「働きがいも経済成長も」、9「産業と技術革新の基盤を作ろう」、10「人や国の不平等をなくそう」、11「住み続けられるまちづくりを」などです。これらは、本学の各学部・学科・専攻・専修の教育・研究活動とも深く関わっていることから、新入生の皆さんには、これからの大学、大学院での学びを深めることを通じて、世界が取り組むSDGs達成の一翼を担う人になって欲しいと思います。

 また、本学は、地域と連携した教育に力を入れており、通学課程全ての学部・学生を対象に、地域について学ぶ科目や地域において実践的に学ぶ科目を一定数以上修得し、その科目を通じて学んだことの振り返りを実施した学生に、卒業時に「ふくし・マイスター」の称号を授与しています。一昨年度の卒業生から称号の授与をはじめましたが、一昨年度648名、昨年度591名と通学学部卒業生の半数以上をふくし・マイスターとして輩出しています。皆さん方も地域と連携した教育に積極的に取り組み、卒業時にはふくし・マイスターの称号を得て、それぞれの専門分野からふくし社会に貢献して欲しいと思います。

 もう一つ、新入生の皆さんに伝えておきたいことがあります。それは、いのちを大切にすることです。なぜ、そのようなことを言うのかについて、お話しをします。

 1985年1月28日、今から35年前に、長野県犀川のダム湖で起きたスキーバス事故のことです。本学学生22人、引率の教員1人、バス乗務員2人、合計25人もの尊い命を奪ったこの事故は、現在に至るまで日本国内の大学で起こった最大の事故です。美浜キャンパスの正門からの坂道沿いに、23本の桜の木が植えられています。この桜は、バス事故で亡くなられた22人の1年生と引率の教員1人を慰霊するために植えられたもので、私たちは「友愛の桜」と呼んでいます。皆さんと同じ年代で、事故により命を奪われこの世を去らなければならなかった無念は、計り知れないものです。残されたご遺族の悲しみは、35年経った今も癒えることはありません。私たちはこの事故を決して忘れないために、毎年事故のあった1月28日に現地での慰霊祭とキャンパスでの追悼集会を開いています。また、10月に「安全の日」を設けて、命を守り大切にする上での啓発活動に取り組んでいます。

 新入生の皆さんには、過去に本学で起こった悲しいできごとを知りそこから学びを得るとともに、この大学での4年間の生活において、自分の命を自分で守ることはもとより、まわりの人たちの命を支える活動にも積極的に取り組んで欲しいと思います。

 本学には、多くのサークル活動、ボランティア活動がありますので、それらの活動を通じて、人々のいのちやくらしを支える活動に、大学生として貢献することができます。また、9年前に起きた東日本大震災を契機に立ち上げた「災害ボランティアセンター」という学生と教職員が一体となって活動する組織があります。東日本大震災、熊本地震などの地震災害をはじめ昨年、一昨年の豪雨災害など、近年大きな災害が多発しており、災害ボランティアセンターの学生が被災地に訪れて、被災者支援活動を継続的に行っています。新入生の皆さんも、この被災者支援活動に参加することで、多くの経験と学びが得られることと思います。

 おわりになりますが、新入生の皆さんが本学各学部での学びと、学生生活における様々な活動への参加を通して、多くの人との関わりと経験を積み重ねることで、本学入学に際して抱かれている夢や希望を実現されることを願い、お祝いの言葉といたします。

 あらためまして、本日はご入学おめでとうございます。

 2020年4月1日
日本福祉大学学長 児玉善郎