在校生・卒業生の声

輪方 彩乃
愛知県/東海南高等学校 出身
輪方 彩乃さん

医療ソーシャルワーカーを選んだ理由

愛知県厚生農業協同組合連合会安城更生病院

高校生の時、祖父が癌を患い入院した際に、入院先の医療ソーシャルワーカーの方に支援していただいたことをきっかけに、この仕事に興味を持ちました。そのため医療専修を選択しましたが、社会福祉法人でのアルバイトやサークル活動などを経て、障害や児童、高齢など多様な分野に触れ、分野を問わず幅広く福祉に関心を持つようになりました。就職を考える時期になり、沢山悩みましたが、幅広い分野に関わることのできる職業は医療ソーシャルワーカーであると感じ、医療ソーシャルワーカーを志望しました。

医療ソーシャルワーク課程の良かったところ

就職活動の一環で病院へ訪問等してはいましたが、それだけで医療ソーシャルワーカーという仕事についてイメージを持つには不十分でした。実習することで、業務内容を知ることはもちろん、病院の中で医療ソーシャルワーカーが担う役割や他の職種との視点の違い、多様な専門性を交えて行われる多職種連携など、現場でこそ得られる学びが多くありました。また、私は急性期病院での実習でしたが、回復期リハビリテーション病院や在宅療養支援診療所など、自分とは異なる機能の医療機関で実習する学生がいます。お互いの体験を共有することも、幅広い視野を持つ良い機会となりました。

実習体験記・思い出

実習では、実習指導者の方の担当ケースを中心に、患者さんやご家族との面接に同席させていただきました。私が実習させていただいた病院では、平均在院日数が11.1日と短く、医療ソーシャルワーカーは迅速な対応と円滑な退院・転院支援が求められます。しかし、患者さんとご家族にとっては、退院したら終わりではなく、その後も地域での生活が続いていきます。そのため、医療ソーシャルワーカーの支援は院内で完結せず、地域と連携し、病気によって今後の生活がどのように変わっていくかを患者さんやご家族と共に整理し、考える役割があることを学びました。
また、「またいつでも相談してください」「地域包括支援センターの○○さんに私からも連絡しておきます」と言葉を添えることで、頼れる相手が多くいること、退院後も一人ではいことを患者さんやご家族に知っていただくような心遣いをすることも、医療ソーシャルワーカーとして大切な視点であることを学びました。
実習全体を通して、医療ソーシャルワーカーは、面接技術はもちろん、多様な福祉サービスの知識が必要であると感じました。当時の私は、知識量に乏しく、もっと勉強しておけば良かったと後悔しています。しかし、実習を経て、医療ソーシャルワーカーとして働きたいという思いがより一層高まり、国家試験の勉強に励むことができました。また、本来であれば8~9月にかけて実習を行うのですが、私は9~10月にかけて実習を行いました。他学生と実習期間にズレがあることや、自宅から実習先までの往復に時間がかかったこと、さらに内定先ということもあり、日々緊張と寝不足との戦いでした。しかし、実習指導者さんはじめ、お忙しい中、時には体調に気遣っていただきながら、貴重な学びの機会を作ってくださいました。心から感謝しております。