基礎的な要素の育成を、何よりも大切に指導
その人が必要とする看護を提供できるように、本学部では基礎的な要素に重点を置いた教育を行っています。そこで育むのは、「日本福祉大学スタンダード」に対応した4つの力。他学部の学生とも積極的に交流して、たくさんの出会いの中で自分らしさを伸ばしていってください。
教育の特色
POINT 1
しっかり着実に基礎的な看護の知識・技術を身につける。
看護の目標は、人々の健康を守り、その人らしい生活を送ることができるように支えること。そのために必要な看護の知識と技術を、基礎に重点を置いて指導します。そのことによって、どんな場面でも対応できる基礎力が身につきます。
POINT 2
実績に裏打ちされた質の高い教育を実践する少人数教育で学ぶ。
他大学での学部長・学科長経験を持つ教授も多く、質の高い充実した教育を行っています。「看護技術演習」などの演習科目では、1クラス約50人を6人の教員が担当する少人数制。教員1人あたり学生9人程度と、ていねいな手厚い指導で、安心して学べる環境を整えています。
POINT 3
地域と連携した実習教育。行き届いた環境で多職種連携も学ぶ。
主な実習先はキャンパスから1時間圏内。すべての実習先に教員が同行し、実習先の指導者と連携して指導するため、どの実習先でも「日本福祉大学の教育」が受けられます。これからの医療現場で求められる「地域包括ケア」の実現に必要な多職種連携も、しっかりと学ぶことができます。
看護学部の実習教育、施設・設備は下記をご覧ください。
看護学部授業科目概要(シラバス)
学部・大学院の最新版の授業科目概要(シラバス)は以下のリンクから閲覧可能です。
本学学部の卒業生の方または在籍されていた方で過年度のシラバスが必要な場合は以下のリンクから閲覧可能です。
看護学部 授業科目概要(シラバス)
看護職養成の教育目標
これからの医療の担い手にふさわしい、専門性を発揮できる人材を育成
看護職は、健康問題を抱える対象者の一番近くにいる医療専門職です。超少子高齢化社会にともなう医療の役割の変化など、さまざまな環境変化が予測される中、自ら考えて動くことのできる自律した人材が求められます。本学部では3つの能力を備えた人を育てることを教育目標に掲げ、どのような環境の中でも専門性を発揮して活躍できる看護職を養成します。
コミュニケーション能力
対象者やその家族との良好な関係を築くことが、看護実践の第一歩です。相手が「治したい」と思ってくれなければ医療が始まりません。また、対象者の現在の健康状態、生活の状況や過去の生活などを深く理解しなくては、ニーズに合った的確な看護を実践することは不可能です。そのために必要なコミュニケーション能力は、看護職の基礎をなす専門能力といえます。看護学部では、1年次の「基礎ゼミナールⅠ・Ⅱ」でコミュニケーションの基礎を学び、「看護技術演習Ⅰ」などを通して専門技術としてのコミュニケーションを学びます。また、演習科目やゼミにおける徹底した少人数教育をはじめ、教員と学生、上級生と下級生との関係の中で、実践的なコミュニケーション技術を自然に身につけることができます。
基礎的な看護実践能力
少子高齢化にますます拍車がかかる中、医療の役割も変化しています。若者や働き盛り世代を中心とした急性・重症疾患にはより高度な"病院で治す医療"が求められる一方、高齢者を中心とした慢性疾患に対しては、治すだけでなく"生活の場における自立を支える医療"がいままで以上に重要となります。治す医療から支える医療への転換の中で、看護職は自律して考え動くことが求められます。その礎となるものが看護職としての専門性、すなわち"確かな看護実践能力"にほかなりません。看護学部では、対象者を理解し、計画を立てて技術を発揮し、結果を評価して次に役立てる一連の看護実践プロセスを確実に行うことができる看護職を養成します。
多職種連携能力
多職種連携能力を養う"ふくしの総合大学"ならではの学び
看護職は、健康問題を抱える対象者の一番近くにいる医療専門職です。医師をはじめとする専門職に対象者の情報を提供し、チームの一員として援助計画を立てるなど、これからの看護職には、さまざまな専門職と連携し、その中核として働ける力量が求められます。日本福祉大学には、社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)や精神保健福祉士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士などの養成課程があり、さらには医師や医療経営の実務経験を持つ教員も在籍しています。「多職種連携論」や「チーム医療連携演習」などの科目を学部内外の専任教員が指導したり、他の専門職とともにケーススタディに取り組むなど、多職種連携の力を養います。
看護学部のテーマ「『地域包括ケア』における保健・医療・福祉のチームアプローチ」に基づいて、下記の科目を終了すると、「多職種連携教育プログラム」の修了認定がされ、修了証が授与されます。
専門科目の7領域をバランスよく学ぶ。
看護学部では1年次から専門科目がスタートします。
あらゆる看護の基盤となる基礎看護学に始まり、4年間をかけて7つの専門領域を体系的に学んでいきます。
基礎看護学
"看護とは何か"について、歴史を顧み、看護理論を問い、社会の最新情報も尋ね、考えを深めます。そして、看護の対象がより健やかにその人らしく生きるための課題や問題の見いだし方、よりよい解決に必要な看護について、基本的な知識・技術と態度を、体験を積み重ねながら学習します。こうして、看護実践の基盤となる基本的理念・倫理を確実に学び、生涯を通して積極的に学び続ける姿勢と看護職者としての基盤を培います。
成人看護学
人生の中で最も長い時期を過ごす"おとな(成人)"とその家族に対する看護を学びます。実習期間も他の専門領域よりも長く、対象となる成人やその家族と接しながら確実なコミュニケーション能力を身につけます。また、成人を取り巻く生活と健康を維持するためのしくみを理解し、看護援助に必要な理論を学びます。健康問題に応じた治療を受ける対象者の回復と、生活の再構成・再構築に必要な基礎的な看護援助方法を演習や実習を通して修得します。
老年看護学
老年看護学の講義では、高齢者を取り巻く社会動向、加齢による身体的・心理的・社会的変化や、高齢者に特有な症状とその看護について学びます。演習では、老年看護実践に必要な援助方法について学び、技術を習得します。2年次の実習では、さまざまな健康問題をもつ高齢者の理解とコミュニケーション方法を学びます。3・4年次の実習では、疾患や障がいをもつ高齢者に対して、その対象者に必要な援助とは何かを考えながら看護過程を展開します。
小児看護学
小児看護学は、出生から約20年間の子どもと家族の健康を中心に学びます。小児看護学の大きな特徴は、発達段階によって子ども自身でできることが異なり、日々変化していくことにあります。まず、子どもの身体と心の発達について学び、健康な子どもとのコミュニケーションを体験学習します。同様に、子どもに特有な病気やその治療、子どもへの援助をその発達に合わせて工夫し、子どもにとっての健康や病気を子ども自身がとらえ、対処していけるよう援助します。
母性看護学
女性・母子・家族の健やかな一生を支えるケアを探求し、健康の保持・増進について幅広い観点から学習します。疾病論から概論・方法論へと学びを積み重ね、実習では妊婦・産婦・出産後の母子を対象として、身体的・精神的・社会的変化と生活への適応について実践能力を養います。リプロダクティブヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康・権利)の考え方をもとに、女性と家族の健康支援に関する看護の役割について学びを深めます。
精神看護学
「対人関係的な看護過程」の土台を築くため、まず患者と看護者の関係を理解します。目に見えない対人間の相互作用を理解するには、起きている現象について主体的に考え見据える力が必要です。目の前にいる不安を抱えた対象者に対してコミュニケーションスキルを用い、辛さ・不安・葛藤に寄り添って対応するには、自分の経験に加え、専門知識が欠かせません。このような看護実践の土台を、講義・演習・実習を通して学びます。
地域看護学
地域看護学領域は、「在宅看護論」と「公衆衛生看護学」の2学問で構成されています。「在宅看護論」は、自宅や施設などの生活の場で療養する人、障害がありながら地域で生活する人とその家族への看護を学びます。乳幼児から高齢者までの幅広い対象者の生活の質の向上をめざします。「公衆衛生看護学」は、個人・家族/集団・組織を対象に、幅広い世代、多様な健康レベルに応じた、行政・企業・学校などで展開される看護を学びます。