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教育・心理学部 江村和彦教授のゼミナールが東部地域療育センターぽけっとで“泥んこ体験”を実施

レポート
2026年10月14日

子どもたちの「楽しい」を感じ取る“泥んこ体験”を実施

本学教育・心理学部こども学科の江村教授と学生らは、東部地域療育センターぽけっと(名古屋市千種区)を訪問し、センターを利用する子どもたちと「ねんどあそび大会」を行いました。今回は本学だけでなく他大学の学生も参加し、計6名の学生が子どもたちと一緒に活動しました。

東部地域療育センターぽけっとは、子どもの発達に関する相談や診察、ハビリテーションなどを行い、障がいのある子どもとその家族の地域での暮らしを支援しています。通園部では就学前までの子どもを対象に療育を行っており、今回の取り組みは子どもたちの多様な感触体験や感情表現を育むとともに、学生が療育現場での関わり方を学ぶ機会として実施されました。

さらさら、ねっとり、つるつる。変わっていく感触を全身で

今回使用したのは、陶芸などにも使われる「蛙目(がいろめ)粘土」です。 まずは、きめ細かなさらさらとした粉の状態からスタート。子どもたちは手や足で触れながら感触を確かめます。そこへ少しずつ水を加えると、粉はまとまり、ねっとりとした粘土へ。さらに水を加えていくと、今度はつるつると滑る泥へと変化していきます。
学生たちも子どもたちのそばに入り、一緒に泥に触れながら活動しました。また、屋外での泥んこ体験への参加が難しい子どもたちには、室内で粘土に触れて感触を楽しむ活動も行い、それぞれの子どもに合った方法で土や粘土に触れる機会をつくりました。

今回参加した子どもたちの中には、自分が感じていることや「楽しい」「もっとやりたい」といった気持ちを、言葉や表情ではっきりと表すことが難しい子どももいます。
だからこそ、職員の皆さんは一人ひとりの小さな反応を丁寧に受け止めます。
土に触れたときの様子、水を加えたときの手足の動き、表情や視線の変化――。言葉にならない反応から子どもの気持ちを読み取り、「どうしたらこの子がもっと楽しめるだろう」と考えながら、関わり方を工夫していました。
学生たちにとっても、そうした職員の姿を間近で見ることは、子どもと関わる仕事について考える貴重な機会となりました。

思い切り感情を出せる経験が、その後の姿につながることも

江村教授によると、東部地域療育センターぽけっとでの「ねんどあそび大会」は、新型コロナウイルス感染症の影響による中断期間を挟みながら、約10年にわたって続けられてきました。
これまでの活動では、センターの職員から印象的なエピソードを聞いたこともあるといいます。

普段は自分の気持ちをうまく表現することが難しく、ときには物に当たることで感情を表していた子どもが、泥んこ体験で思い切り身体を動かし、感情を表した後には、その後の行動に変化が見られたことがあったそうです。

泥の感触、水の冷たさ、身体が汚れること、そして最後に洗い流すこと。さまざまな刺激を身体全体で受け止めながら、自分なりの方法で気持ちを表現することも、子どもたちにとって大切な経験の一つです。

数値では測れない、小さな変化を見つける

子どもの成長は、すべてを数値で測れるものではありません。同じ子どもでも、その日の体調や気持ちによって反応は変わります。昨日はできたことを今日はしなかったり、これまで見せなかった反応がふと現れたりすることもあります。
だからこそ、保育士や幼稚園教諭など、子どもと関わる仕事には難しさがあります。一方で、表情やしぐさ、行動の変化から、その子なりの成長を感じ取ることができるのも、この仕事の面白さです。

今回参加した学生たちは、子どもたちと一緒に泥んこになって遊びながら、一人ひとりの小さな反応を見逃さず、「この子はいま、どう感じているのだろう」「どう関われば、もっと楽しんでもらえるだろう」と考え、関わり方を工夫する職員の姿にも触れました。

目に見える成果だけでは捉えきれない子どもの変化に気づき、その成長に立ち会えること。学生たちにとって、保育や療育の仕事の難しさとともに、その面白さを知る機会となりました。

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