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第14回福祉教育研究フォーラムを開催しました

2021年2月26日

 2021年2月13日(土)オンライン(Zoom)で、「第14回福祉教育研究フォーラム」を開催し、全国各地から福祉系高校教員を中心に約150名の参加がありました。

開会

 主催者を代表し児玉 善郎 氏(本学学長)が「コロナ禍でも高校・大学が連携し、福祉を担う人材の育成は重要な課題。本フォーラムでの学びをそれぞれの職種で活かしていただきたい」と挨拶されました。

 続いて清水 豊 氏(三重県高等学校福祉研究会会長・三重県立朝明高等学校校長)より、「高校の福祉教育の中でも特に重要な学びの1つである施設等での実習がコロナ禍により中止となり、代替措置への対応に工夫を重ねられたことと思う。また、人と人との関わりの中で育まれる福祉マインドをどのように養成していくか、という課題にもご苦労されたのではないか。本日はコロナ禍での福祉教育についてたくさんのヒントを得ていただきたい」とご挨拶いただきました。

清水 豊 氏(三重県高等学校福祉研究会会長・三重県立朝明高等学校長)

第1部シンポジウム「青年期の福祉教育の学びを考える」

 小林洋司コーディネーターの下、青年期に福祉を学んだ3名の福祉専門職からそれぞれ以下のようにお話いただきました。

山岸 心 さん(社会福祉法人みなと福祉会)

①進路選択の経緯と理由
高校在学中、社会福祉協議会の方の授業やボランティア団体での活動(子どもが行うボランティア活動のサポート)が印象に残っている。当初は進学志向ではなかったが、教員に進学を勧められたため日本福祉大学に進学し、現在は相談職として勤務している。

②学生時代の学びが仕事にどのように活かされているのか
本学在学中に参加したドミノ企画を通して、1つの物事は多くの人の協力があって初めて成り立っていることを知った。これは福祉にも通ずるものだと感じている。 現在は知的障害(重度)の支援を仕事にしているが、言葉の選び方や声のトーン・速さ・伝え方など、利用者1人ひとりに合わせたコミュニケーション方法を選ぶことで心を通わせることができる、ということを7年間で学んだ。現在は、利用者の方の本心を引き出し、行動につながるよう支援することを課題とし、日々の業務に取り組んでいる。

③後輩や高校時代の自分へのアドバイス
何事でも楽しむこと・心のままに行動することが重要。福祉の仕事はきれいなことだけではない。どんなことであっても、自分が楽しんで取り組んだことは社会人になってからの糧になると伝えたい。

石川 幸絵 さん(社会福祉法人昭徳会 特別養護老人ホーム安立荘)

①進路選択の経緯と理由
高校在学中、文化祭での手話体験や施設(障害・保育園・高齢者)での実習ボランティア体験を通して、当事者1人ひとりに対する対応の難しさや工夫について学んだ。当初は資格を使って就職しようと考えていたが、途中でスポーツに携わる仕事をしたいと思うようになり進学(他大学)。現在は介護職として勤務している。

②学生時代の学びが仕事にどのように活かされているのか
高校在学中、施設実習や利用者の方と関わった経験や大学時代に学んだジェスチャーが、利用者の方とのコミュニケーションにつながっている。

③後輩や高校時代の自分へのアドバイス
学生時代、遊ぶことだけでなく、勉強もしっかりとしておいた方がよかったと今になって後悔している。大学では福祉ではなくスポーツを専攻していたが、在学中の経験も介護職につながっているように思う。福祉以外の経験や知識を活かしつつ業務にあたり、今後は介護福祉士の資格を取得できるよう学び続けていきたい。

佐竹 名菜 さん(千葉県立大原高校教諭)

①進路選択の経緯と理由
高校入学時は看護師を志していたが、在学中に福祉科教員に憧れるようになり日本福祉大学に進学。現在は希望通り教員として勤務している。

②学生時代の学びが仕事にどのように活かされているのか
学生時代の勉強や実習は辛いと感じることも多々あったが、それを乗り越えた経験が”福祉が好き”ということに繋がっているように思う。現在は介護のプロを育てることを目標に日々奮闘しており、生徒とともに学ぶことが重要であると感じている。今後も引き続き生徒が現場に出た際、資格の有無に関わらずプロとして仕事できるよう、座学だけでは習得できないことも伝えながら指導していきたい。

③後輩や高校時代の自分へのアドバイス
大学在学中、恩師から「教員の仕事は8割が大変だが、残りの2割に楽しさややりがいを感じて続けられるもの」と指導されたことがある。「憧れだった仕事をしているが、教員採用試験の勉強より仕事を始めるようになってからの方が大変」と伝えたい。

 その後、矢幅 清司 氏(文部科学省初等中等教育局視学官)から「高校時代から「福祉」に触れていたことにより、3名とも人として成長されたのではないだろうか。学習指導要領において、小学校・中学校・高校で福祉・介護に触れることとなった。教員自らが福祉・介護を教える力を身に付けるのは当然だが、地域の福祉専門職のお力を学校教育の中にも活かしていただきたい。
 福祉専門職養成も重要な課題ではあるが、個人的に福祉は全国民が身に付けるべき素養であり、そのことが、専門職養成に繋がると考えている。福祉教育が当たり前に生活の中核として位置付けられていくことを願っている。」とコメントをいただきました。 最後にコーディネーターの小林 洋司 氏(本学社会福祉学部准教授)より、「登壇者3名が実習やボランティア経験から大きく影響を受けていることがわかる。コロナ禍で福祉専門職に就きたいと考えるようなきっかけが奪われている。本日のフォーラムを通して、福祉の学びが広がることを願っている。」とお言葉をいただき、第1部シンポジウムを締めくくりました。

 参加者からは「高校や大学時代の体験が仕事観につながっているという事を実感した。よって在学中にどれだけの体験の機会を準備できるのかが、教員の一つの役割であると感じた。」等の意見をいただきました。

写真左上より、①小林 洋司 氏(本学社会福祉学部准教授)、②矢幅 清司 氏(文部科学省初等中等教育局視学官)、
③佐竹 名菜 氏(千葉県立大原高校教諭)、④山岸 心 氏(社会福祉法人みなと福祉会)、
⑤石川 幸絵 氏(社会福祉法人昭徳会 特別養護老人ホーム 安立荘

第2部ブレイクアウトセッション「コロナ禍における福祉教育実践~実習・演習を中心に~」

 「コロナ禍における実習・演習を中心とした教育の在り方」をテーマに1グループ6名程度のグループに分かれ、それぞれの立場から意見交換を行いました。 参加者からは「日頃繋がることのできない、他地域の方々とお話できる機会は貴重。参考になるご意見や事例も聞かれ、大変勉強になった。」とのご意見をいただきました。

※各グループでのセッション内容については後日、本フォーラム開催報告にて掲載いたします。

その後、矢幅 清司 氏(文部科学省初等中等教育局視学官)から、コロナ禍での高校における職業教育や福祉系高校の状況と取り組み等、多岐にわたる内容についてご説明いただきました。
 参加者からは「新型コロナウイルスの感染者が多い都市とそうでない地域との差が大きいが、society5.0を考えた場合、福祉の分野でもオンラインにおける取組を進めていく必要はあるのだと感じた。」等のご意見をいただきました。

矢幅 清司 氏(文部科学省初等中等教育局視学官)

第3部基調報告「ソーシャルワーク資格のカリキュラム改訂が求めること」

 冒頭、道念 由紀 氏(厚生労働省 社会・援護局 総務課 社会福祉専門官)より、社会福祉士および精神保健福祉士のカリキュラム見直しの背景や求められる人材像等をご報告いただきました。特に対人援助職は複雑化・複合化するニーズに対し、当事者だけでなく、家族や地域まで視野に入れて重層的な支援を行うことが求められているおり、高度な知識を持つ専門職養成が急務となっているとのご説明いただきました。
 参加者からは、「地域共生社会の実現には、支援を行う方法論が重要であると認識した。その実践力を持つ学生を育成していきたい」等のご意見をいただきました。

写真左より、原田 正樹 氏(本学副学長)と道念 由紀 氏 (厚生労働省 社会・援護局 総務課 社会福祉専門官)

閉会

 はじめに、奥山 眞壽美 氏(全国福祉高等学校長会副理事長・千葉県立松戸向陽高等学校長)から「高校と大学で学んだ福祉教育がどのようにして仕事につながっているのか考える機会となった。また、全国各地の皆さんと議論を交わすことができ、意義深い時間となった」とのご意見をいただきました。
最後に閉会挨拶として山崎 博司 氏(愛知県高等学校福祉教育研究会会長・愛知県立高浜高等学校長)より、「本フォーラムを通して専門的な情報を得るだけでなく、県内外の福祉専門職との情報交換を通して視野の広がりや福祉専門職とのつながりを感じることができた」とのご挨拶をいただき、本フォーラムを締めくくられました。

奥山 眞壽美 氏(全国福祉高等学校長会副理事長・千葉県立松戸向陽高等学校長)

山崎 博司 氏(愛知県高等学校福祉教育研究会会長・愛知県立高浜高等学校長)