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第7回大学ボランティアセンター全国フォーラム2013が開催されました
2013年10月16日
大学ボランティアセンターなど、学生や大学の社会貢献活動を推進する関係者を対象とした、「第7回大学ボランティアセンター全国フォーラム2013」が9月14日(土)と15日(日)の両日に、美浜キャンパスで開催されました。
このフォーラムは、大学ボランティアセンターを取り巻く環境が変化していくなか、その意義や役割について改めて確認し、また担当者の日常的なネットワークの構築を目的に、大学ボランティアセンター全国フォーラム実行委員会などが主催となり、2007年より実施しています。7回目となる今回は、大学の社会貢献に着目し、その推進において関係機関が果たすべき役割の共有をテーマで開催されました(実行委員長:村上徹也日本福祉大学サービスラーニングセンター副センター長)。

◆主催を代表して挨拶する赤澤清孝氏(NPO法人ユースビジョン代表)
フォーラム開催前のオプション企画として、美浜町を歩くフィールドワークを行いました。災害ボランティアセンターの学生スタッフが、大学近隣地域をを減災の視点から案内するもので、16人が参加しました。30度を超える厳しい残暑のなか、参加者は地域との連携状況などを学生に質問する姿が見られました。その後、災害ボランティアセンターの見学会を実施しました。

◆オプション企画では、フィールドワークとボランティアセンター見学会を実施しました
全体会Ⅰ
テーマ:「カリキュラムと関連した社会貢献(シビックエンゲージメント)~地域と大学が協働した学びの拠点形成とサービスラーニング」
2009年度から開始された日本福祉大学のサービスラーニングは、知多地域で活躍するNPOとの協働型で運営されています。学生・大学・NPOの3者による振り返りを通した学びの展開について、報告・討議しました。
- NPO協働型サービスラーニングの展開
発表者 村上徹也氏(日本福祉大学サービスラーニングセンター副センター長) - 学び合いと協働により広がってきた知多のNPOの歴史と特色
発表者 松下典子氏(NPO法人ゆいの会理事) - NPOにとっての学生のサービスラーニングの受け入れの意義と課題
発表者 丸山諒子氏(NPO法人エンドゴール/2009年度サービスラーニング受講生)
コーディネーターを務めた原田正樹・日本福祉大学学長補佐は、「NPOと協働して行うサービスラーニングには、リーダー(理事長)が学生に直接語りかける機会が多く、良い影響を学生に与えることができる。知多半島のNPOは全国的に注目されており、事業所のなかには、年間収入が1億円を超える団体が増えつつある。学生にとって就職先としての位置づけとなっている」と語りました。

◆オプション企画では、フィールドワークとボランティアセンター見学会を実施しました
全体会Ⅱ
テーマ:「学生のボランティア活動推進による大学の社会貢献(シビックエンゲージメント)~日本福祉大学災害ボランティアセンターの取り組み」
災害ボランティアセンターによる支援活動や、地域防災への取り組みについて報告されました。
- 被災地のパートナー組織との協働型で進める東日本大震災の支援活動
発表者 山本奈央氏(日本福祉大学災害ボランティアセンター学生事務局長) - 学生・コミュニティパートナー・大学の協働型で進める日常の減災活動
発表者 櫻井悟氏(社会福祉法人美浜町社会福祉協議会ボランティアセンター主査)
災害ボランティアセンター学生スタッフ
発表者の櫻井悟氏は、“地域防災”が社会福祉協議会と大学との接点になったと説明。これまでに大学と協働して取り組んだ減災事業について、学生スタッフへの感想を交えながら、「地域と大学を結ぶ役割を担う大学ボランティセンターの存在は社会福祉協議会にとって大きなもの。地域と学生が日常的な関わりをもつことが発災時に大きな力となる。今回参加した大学関係者は地域の社会福祉協議会に関わりを模索してみてほしい」と語りました。

分科会①
テーマ:大学と地域「大学と地域がともに学びあえる協働のデザインを考えよう」
学生たちのボランティア活動やサービスラーニングの推進が、なぜ大学において取り組まれるべきなのか、その根本目的を共有する土台を探りました。また、文部科学省のCOC事業など、大学の社会貢献(シビックエンゲージメント)が重要視されつつある状況を踏まえつつ、大学と地域が垣根を越えてつながり合う、協働のデザインについて考えました。
講師 | 武田直樹氏(筑波学院大学OCP推進室社会力コーディネーター) |
担当 | 市川享子氏(明治学院大学ボランティアセンターコーディネーター) 中村みどり氏(立教大学ボランティアセンターコーディネーター) |
分科会②
テーマ:コーディネーションスキルアップ「大学ボランティアセンターのコーディネーションスキルアップ」
学生たちの動機づけ、活動への助言、活動後の振り返り、さらには活動先との連絡調整など、大学ボランティアセンターコーディネーターが、日々直面する業務を進めるために求められるスキルをアップさせるための学び合いと情報交換を行いました。
講師 | 小島祥美氏(愛知淑徳大学准教授、コミュニティ・コラボレーションセンター運営委員) |
担当 | 赤澤清孝氏氏(NPO法人ユースビジョン代表) |
分科会③
テーマ:大学職員の役割「学生のボランティア活動推進組織を学内に浸透させる大学職員の役割」
学外と連携した学びの仕組みについて、企画や調整、予算化、学内への認知などを、大学職員の立場から行うべきことを考えました。
講師 | 西田邦明氏(立教大学副総長) 三上耕一氏(明治学院大学ボランティアセンター次長) 江本健康氏(日本福祉大学学生支援課長) |
担当 | 村上徹也氏(日本福祉大学サービスラーニングセンター副センター長) |

自由研究発表 現場からの実践報告・研究発表
発表テーマ①:学生のやる気スイッチを探せ!
発表者 | 芦澤弘子氏(聖学院大学ボランティア活動支援センター) 藪内阿子氏(聖学院大学ボランティア活動支援センター) |
発表テーマ②:石巻市における学生ボランティアセンター構想
発表者 | 門馬 優氏(石巻専修大学共創研究センター) 山崎泰央氏(石巻専修大学経営学部) |
実行委員長:村上徹也社会福祉学部教授のコメント
今回のフォーラムでは開催校として、本学のサービスラーニングおよび災害ボランティアセンターの取り組みの報告を行いました。学生のサービスラーニングとボランティア活動という、似ているが同じではない取り組みを、大学としてどう位置づけ、いかに進めていくのか。全国から集まっていただいた参加者の方々が、赤裸々に現実的に議論を深めることができたという点で今回のフォーラムは成功だったと考えています。