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地域研究プロジェクト「公共プロジェクト」認知症アプリを試行しました
2013年7月9日
日本福祉大学では、地域貢献をテーマに「あんしん」「にぎわい」「つたえる」の3つの要素をコンセプトとして、社会福祉学部・経済学部の学生を対象に、正課科目『地域研究プロジェクト』を開講しています。この科目は課題解決型学習手法のPBL(※1)を導入したもので、現在、科目内で8つのプロジェクトを展開しています。
認知症の啓発にむけた調査研究を目的とする公共プロジェクトでは、認知症の理解を深める目的でゲームアプリを家族会と連携して開発。学生を対象とした利用者実験を7月8日(月)に美浜キャンパスで行いました。

◆この日は東海地方も梅雨明け。室内も熱気がこもるなか、
9人のプロジェクトメンバーが開発したアプリの試行に臨みました。
このゲームアプリは、認知症に関連する問題を2択形式でランダムに5問出題するもので、認知症の人と家族の会(愛知県支部)とも相談し、半年がかりの期間を経て開発しました。開始当初は昼休み時間ということもあり、協力に応じる学生もまばらでしたが、プロジェクトメンバーの呼びかけに応じる学生は次第に多くなり、約1時間で55名の学生が参加しました。参加した学生からは、「認知症に対して理解しているつもりだったが、知らないことも多かった」、「イラストを用いていたので、画面が見やすく操作も簡単だった。学生だけでなく、年齢を広げて実験しても面白いのではないか」などの声が寄せられました。


◆ゲームアプリは問題・回答のほか、内容の解説を見ることができます(写真右上)
アプリの開発を中心的に担った、奥田岳さん(社会福祉学部3年)と串間郁海さん(同3年)は、「問題の難易度設定や文章表現には特に注意した。通常の講義とは違い、家族会など外部の方と関わりを持つ中で、スケジュールを調整して、物事を計画的に準備をすることの大切さを学ぶことができた。次のステップに向けて、問題内容など更に精査していきたい」と話しました。
公共プロジェクトでは、8月下旬に、認知症の人と家族の会と連携して、ユニーグループの店舗にて、本ソフト活用も含めた認知症啓発イベントを行う予定です。
※1:PBL(Project-Based Learning)とは、実践的な教育手法の一つで、「プロジェクト型学習」や「問題解決型授業」と言われています。この手法の特徴は、教員の役割は何かを教えることではなく、学生の学習を支援することです。また、自治体をはじめとする地域関係者と組織的に課題に取り組むことにより、問題設定・解決力、コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップ、創造性など、社会人基礎力に位置付けられる能力を養います。
地域研究プロジェクトは以下を展開しています。
- フードプロジェクト(農作物の生産から商品化、流通まで体験的に学ぶ)
- 公共プロジェクト(認知症の人と家族が暮らし易い社会を考える)
- 災害ボランティアコーディネータープロジェクト(地域を基盤に災害対策や地域活性化について考える)
- 健康プロジェクト(運動による地域交流や障害者スポーツの普及を行う)
- みはまプロジェクト(町の活性化を図る観光事業の企画運営を行う)
- はんだプロジェクト(半田市の観光ガイドやまちづくり調査に取り組む)
- 地域ケアプロジェクト(地域を変える、動かせる人材の育成)
- コミュニティプロジェクト(災害時に有効な地域別防災計画案と避難計画案の作成、防災・避難訓練の実施)
各プロジェクトの取り組みの模様は、社会福祉学部・経済学部WEBサイト、またはFacebookページより確認してください。