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美浜町小中学校教員および教員志望学生を対象とした水泳授業研修会を開催しました

レポート
2025年08月06日

 はじめに座学として、スポーツ科学部の伊藤嘉人准教授より「美浜町の水泳授業カリキュラムづくりに向けて」として講義をしました。現在、全国の学校において、施設が老朽化や維持費、子どもたちの熱中症のリスク、教員の負担など多岐にわたる課題が存在しています。学校水泳にめぐっては、プールの設置を廃止し、校外のプールや民間のスイミングスクールなどで水泳の授業をする学校が増え、学校における水泳授業のあり方が問われています。
 知多半島の学校においても、水泳の実技授業を行わないと判断した地域もあります。そのような中、美浜町の小学校は、2023年度より本学のプールを活用して「水の事故から命を守るための知識と技能を学ぶ」ことを目標に小学校の教員が授業を展開しています。伊藤准教授は、スイミングのコーチでなく、小中学校の教員が水泳を教える意義、何のための水泳の授業なのか、美浜町ならではの水泳の授業を検討し、深めていくことが重要であると提起しました。

伊藤嘉人准教授

続いて、牧野満非常勤講師(元奈良県小学校教員)が「水泳授業の実践課題」と題し、学習指導要領における水泳指導の変化について言及しました。「息つぎ」を例に出すと、水中で息を止める動作と吐く動作が混在しており、説明がわかりにくくなっていると指摘されました。また、牧野先生自身が小学校教員時代に実践した映像や授業資料をもとに、「浮力と浮心・重力と重心」、「浮力・重力と呼気・吸気の関係」など、水泳の科学的な学習内容や、初歩的な泳ぎの方について説明されました。最後に、水泳指導と学習集団のあり方について解説し、講義を締めくくられました。

牧野満非常勤講師

その後、場所をSALTOの屋内プールに移し、牧野満非常勤講師が実技講習会を実施しました。実技は、「浮く」「息つぎ」「すすむ」ために必要な要素とは何か、「初歩的な泳ぎ」を実践しながら学びました。また、「初歩的な泳ぎ」が「近代泳法」にどのようにつながるのか、段階的な指導方法について参加者は実際に泳ぎながら学びました。