日本福祉大学 産学連携セミナーの開催 (本学教員の研究シーズ紹介)

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 2022年度より、健康科学研究所主催の「産学連携セミナー」として「日本福祉大学の研究シーズと産官学連携による福祉用具開発・バリアフリー建築開発セミナー」を開催し、 同研究所の所属教員の研究シーズの紹介に取り組んでいます。

 2022・2023年度の「産学連携セミナー」はともに愛知県との共催にて開催し、企業・法人・自治体等からご参加いただきました。参加者の皆様には、基調講演や企業の取組事例紹介・本学研究者の報告に大変熱心に耳を傾けていただき、福祉用具等の開発やそれに係るビジネス、そして福祉と技術が交差する本学健康科学研究所の研究シーズ・技術シーズについて、高い関心をお持ちであることがうかがわれました。

 セミナーの開催後には、愛知県の「福祉用具等開発支援事業」の一環として、新たな福祉用具や福祉ビジネスの開発につなげるための「勉強会」を開催するなど、研究シーズの社会実装に向けた取組も展開しています。

第1回 「日本福祉大学の研究シーズと産官学連携による福祉用具開発・バリアフリー建築 開発セミナー」

福祉用具産業の現状等を、事例を交えてご紹介した上で、研究所教員の研究シーズや企業等との取組事例をご紹介し、新たな産学連携に向けた活発な交流の場を提供しました。

第1回セミナー開催案内

第1回セミナー開催案内(PDF)

開催日時: 2022年9月30日(金) 13:45~16:30 
場  所: ウィンクあいち (愛知県産業労働センター) 1102会議室 
参加人数: 63名 (学内者を除く)

開催内容

【第1部】福祉用具産業等の現状と事例紹介

福祉用具産業等の現状とイノベーションの創出に向けた福工連携
~愛知県ウェルネスバレー地区の取組事例を交え~

大府市 産業振興部ウェルネスバレー推進室長 戸田 稔彦 氏

愛知県内企業の取組事例報告
アイサーブ排泄検知システムの開発

新東工業株式会社 開発本部開発グループ 主任担当員 白木 正孝 氏

【第2部】日本福祉大学の研究シーズ紹介(日本福祉大学健康科学部教員5名)

冨田川 智志 (介護学専攻 講師)

渡辺 崇史 (福祉テクノロジーセンター・情報工学専修 教授)

串田 淳一 (情報工学専修 教授)

村井 裕樹 (建築バリアフリー専修 准教授)

毛利 志保 (建築バリアフリー専修 准教授)

【第3部】情報交換会

第1回セミナーで紹介した本学教員の研究シーズ

「介護労働者の腰痛予防対策と産官学民協働の必要性」

冨田川 智志 (健康科学部 リハビリテーション学科 介護学専攻 講師)

介護労働における腰痛予防対策に関する国際的な考え方と好事例を紹介
産官学民協働の必要性について提言

「利用者視点からの支援機器開発」

渡辺 崇史 (福祉テクノロジーセンター・健康科学部 福祉工学科 情報工学専修 教授)

多様な利用者ニーズや個別性に対応するための支援機器の開発
ICT利用によるものづくりなど

「福祉分野におけるAI技術の活用」

串田 淳一 (健康科学部 福祉工学科 情報工学専修 教授)

近年身近なサービスでも使われるようになったAI(人工知能)には様々な技術が内包
されている。福祉の分野でも活用が期待される機械学習について紹介

「避難安全のバリアフリー計画と福祉施設建築支援への取組み」

村井 裕樹 (健康科学部 福祉工学科 建築バリアフリー専修 准教授)

災害時の安全をバリアフリーの視点考える建築計画の研究の紹介
福祉施設の建設支援の実践事例の紹介

「運営方法・利用者ニーズを踏まえたバリアフリー建築」

毛利 志保 (建築バリアフリー専修 准教授)

スタッフの動線や利用者ニーズを踏まえた高齢者施設や特別支援学校、
ホテル・旅館の計画について

※セミナー終了後、愛知県の「福祉用具等開発支援事業」の取り組みとして、「福祉の次世代産業を拓く勉強会」を開催しました。(2023年1月~3月)

第2回「日本福祉大学の研究シーズと産官学連携による福祉用具開発・バリアフリー建築 開発セミナー」

福祉に係る新しい技術や製品開発などを、暮らし・住環境・職場や地域・人々の健康など,より広い枠組みと視点で捉え、福祉の向上や生活のQOL改善にとってより的確な技術・製品開発のあり方などを、産官学連携を視野に入れて考えていくセミナーとして開催しました。

第2回セミナー開催案内

第2回セミナー開催案内(PDF)

開催日時:2023年8月2日(水) 13:45~16:30
場  所:ウィンクあいち (愛知県産業労働センター) 1302会議室
参加人数:29名(学内者を除く)

開催内容

【第1部】基調講演と日本福祉大学の研究シーズ紹介

基調講演

生活支援ロボット活用の現状とその社会実装を目指すリビングラボの開発

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 健康長寿支援ロボットセンター
ロボット臨床評価研究室 室長 加藤 健治 氏

日本福祉大学の研究シーズ紹介 (日本福祉大学 健康科学部教員2名)

野間 知一 (作業療法学専攻 教授)
毛利 志保 (建築バリアフリー専修 准教授)

【第2部】情報・名刺交換会 & 企業の取組事例紹介

ブース展示 株式会社 東郷製作所

【第3部】シンポジウム: 施設及び在宅における介護・リハビリテーションの現状と課題

パネラー

加藤 健治 氏、野間 知一、毛利 志保

コメンテーター

渡辺 崇史(福祉テクノロジーセンター長 / 情報工学専修 教授)
小川 晴生 氏 (アサヒサンクリーン株式会社 経営企画本部 経営企画室 常務執行役員 室長)

ファシリテーター

福田 秀志(健康科学研究所長 / 建築バリアフリー専修 教授)

第2回セミナーで紹介した本学教員の研究シーズ

「リハビリテーションロボットの現状と展望」

野間 知一 (健康科学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 教授)

高齢社会において医療・福祉にテクノロジーを導入する流れは必然であり、リハビリテーション領域においても医学及び産業界から常に注目されてきた。国内で医療承認を受けたリハビリテーションロボットも複数販売され現実的な治療の選択肢となりつつある。
 セミナーではリハビリテーションロボットの現状を踏まえた上でこれまでの発表者の産学連携によるロボットや医療機器開発の経験をお話しした。現在は在宅リハビリテーションを発展させたいと活動しており、医療者の立場からこの領域に欲しいテクノロジーや支援装置のアイデアをシーズとして提案した。

⇒2022年度後期には、紹介したシーズの社会実装に向けて、企業・法人の参画を得たプロジェクトを展開する。

「在宅におけるバリアフリー改修の実際 ~間違いだらけのバリアフリーリフォーム~」

毛利 志保 (健康科学部 福祉工学科 建築バリアフリー専修 准教授)

丘陵地を切り開いて建設された戸建住宅団地や、木造でありながら湿気を避けるよう作られた日本家屋は、外構や居住空間に多くの段差を抱え、高齢者が住み続けるにはバリアフリー改修が不可欠である。しかし、実際の改修では課題が山積している。例えば、手すりの位置が合わない、使われない設備がある、動線無視の部屋配置などである。
 将来設計が立てやすい障害者と異なり、高齢者は、工事の検討時間不足や短期間での症状 変化による不整合、先が見えない介護生活にコストをかけられないことによるバランスの悪さも要因と思われる。
 セミナーでは、住宅改修の実例紹介とともに、建築設計者の立場から「長期的展望を視野に入れた計画」「その人の必要とする生活の実現」「福祉用具と連携した在宅ケア環境」のあり方を明らかにするための実証研究についてアイデアを示した。

⇒2022年度後期には、愛知県の「福祉用具等開発支援事業」の取り組みとして上記のシーズについて「勉強会」を開催する。