研究活動 お知らせ
第65回日本児童青年精神医学会総会で教育・心理学部の吉野 真紀 教授が優秀発表賞を受賞しました
10月17日~19日にかけて、愛媛県内で第65回日本児童青年精神医学会総会が開催され、教育・心理学部の吉野 真紀 教授が「性別違和感尺度を用いた高校生の性別違和感-カットオフ値の検討とより簡便な臨床活用について-」を発表し、優秀発表賞を受賞しました。
日本児童青年精神医学会は、児童青年精神医学のその近接領域における基幹学会です。医療のみならず療育、心理、福祉、教育、リハビリテーションなど、さまざまな支援を通して子どもの心と向き合う実践家や、研究を通して子どもが直面する心の問題を理解し、解決してきた研究者による発表が行われています。
吉野教授より、以下の受賞コメントを寄稿いただきました。
第65回日本児童青年精神医学会総会 優秀発表賞受賞コメント
教育・心理学部 吉野 真紀
今回、第65回日本児童青年精神医学会総会での「性別違和感尺度を用いた高校生の性別違和感-カットオフ値の検討とより簡便な臨床活用について-」について、優秀発表賞をいただくことができました。調査研究にご協力いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。
本研究発表は、一般高校生と性別違和の診断を受けた高校生を対象に軽微な性別違和感までを評価できる性別違和感尺度(浜田ら、2016)を実施し、高校生の性別違和感出現頻度を把握するとともにカットオフ値を設定し、臨床現場での活用に向けて簡易版の開発と提案を行ったものです。思春期年齢の不調の背景に性別に関する悩みがある場合や、自ら言い出せない子どもたちがいるだろうことを推測します。一般小児科や児童精神科等の初診問診票に挿入し、スクリーニング目的にとどまらずクライエントとの対話を促進するきっかけとなり得ることを期待しております。
本研究は、JSPS科研費JP23K02995(基盤C「思春期青年期の性別違和感-性別違和感尺度のカットオフ値の設定と臨床支援への活用-」研究代表者:吉野真紀)の助成を受けて行われた成果の一部です。ご参画いただいた研究分担者、研究協力者の先生方のお力添えあってのものです。今後は大学生データとの比較、小中学生の検討、臨床的試行などに力を注いでいきたいと考えております。