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第1回「ふくし研究サロン」を開催しました(2023年9月28日)

レポート
2023年10月27日

第1回「ふくし研究サロン」 パーソンセンタードケア 福祉×工学の可能性

日時: 2023年9月28日(木)16:00~17:00 (Zoomによるオンライン開催)
報告者: 伊藤 美智予 社会福祉学部 准教授、串田 淳一   健康科学部 教授

 総合研究機構は2023年度後期、学内の教員間の研究交流を目的とした「ふくし研究サロン」の開催に取り組んでいます。各回2名の教員から研究報告を行ない、個々の教員が現在取り組んでいる研究について相互理解を深める機会とするものです。これを機に学部を越えた新たな横断型研究などを創出し、いずれ学園創立70周年記念事業で構想する新たな研究センターの具体化につながることを展望しています。3つのキャンパスに分かれて所属する教員間の研究交流と、そこからの新たな研究の創出に向けて、まずは毎月1回1時間、オンラインで報告を聞いて議論する、そんなシンプルな取り組みからはじめてみたところです。

 その第1回は「パーソンセンタードケア 福祉×工学の可能性」と題し、社会福祉学部所属の伊藤美智予先生と、健康科学部福祉工学科情報工学専修所属の串田淳一先生から報告を行ないました。以前は、ケアは人がするもの、家族がするものと捉えられていたのが、今は大きく変わってきており、そのような問題関心から今回のテーマが選ばれています。

報告1:高齢者ケアにおけるクオリティマネジメント~ケアの質向上を目指して~
    伊藤 美智予 社会福祉学部 准教授

 高齢者福祉論を専門とする伊藤先生は、高齢者のケアについてミクロ・メゾ・マクロの各レベルで重層的な研究を進めています。今回はメゾレベルのケアの質向上を志向する組織づくりを中心に、これまで取り組まれてきた介護事故に係る研究、ケアの質の評価枠組と構成要素の明確化に係る研究、認知症ケアや重度化予防ケアの質の評価に関わる研究について紹介がなされました。今後は、様々な主体(介護事業所、行政、民間企業)・領域との協働研究も指向されています。

報告2:福祉×工学の可能性
    串田 淳一   健康科学部 教授 

 串田先生は最適化アルゴリズムの開発・応用を専門とし、特に人工知能(AI)の一分野である生物進化を応用した最適化手法(進化計算)を研究しています。今回は、最適化問題の福祉への応用について報告がなされました。福祉現場の勤務表(シフト)作成にもAIが活用できること、応用研究において現場をよく知る専門家の知見が必要であることなどが示されました。質疑応答の中では、報告1に係わり、AIの画像解析が認知症ケアなどに活用できる可能性にも議論が広がりました。