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宮崎康史 福祉経営学部助教が日本社会病理学会 出版奨励賞を受賞しました

お知らせ
2022年11月09日

宮崎康史 福祉経営学部助教が2021年に公刊した著書『増補版 ダブル・ライフを生きる<私>』が2022年度日本社会病理学会 出版奨励賞を受賞しました。

【宮崎講師コメント】

今回、晃洋書房から出版された書籍「増補版 ダブル・ライフを生きる〈私〉――脱家族化の臨床社会学」(2021年)が2022年11月5日(土)に日本社会病理学会の出版奨励賞をいただくことができました。本題に入る前に、インタビュー調査にご協力いただきました
皆様に心よりお礼申し上げます。
さて、この書籍は19名の家族に犯罪者をもつ人にインタビュー調査を行い、スティグマ(社会的に付与される負の烙印)をアイデンティティの次元で問い直した研究となります。この書籍では〈ダブル・ライフ〉(=スティグマに関する2つの視点)を理論的・経験的に議論をしました。詳しくは、書籍をぜひご覧ください。
この書籍は、博士論文に修正を加えて出版したもので、約10年かけて完成に至りました。この研究を進めてきた10年間は、私自身もアイデンティティを常に問い直す修行の時間でした。特に、インタビュー調査は、調査研究をする側の〈私〉を問い直し続ける時間であり、また研究者として以上に一人の人間としてたくさんの学びを与えていただいた時間でした。
研究は、社会のためを意識することは当然です。ですが、それ以前に研究者は研究という行為で、自らがたくさんの学びをいただいていることを常に自覚し、内省していくことが、よりよい社会づくりにつながると考えています。つまり、社会に参加している研究者が一人の人間・市民として当事者性を持っていることを自覚し、その点と、社会に貢献するための客観的な視点との折り合いをつけていくということです。そうした人間としての研究へのコミットしていくことの重要性を学ばせていただきました。
この度は、本当にありがとうございました。

画像:「増補版 ダブル・ライフを生きる〈私〉脱家族化の臨床社会学」書影
写真:宮崎講師と賞状