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本学と法務省矯正局が「長崎刑務所における知的障害者受刑者処遇・支援モデル事業の効果検証等に関する連携協定書」を締結しました

レポート
2023年01月20日
写真:締結式の様子1
写真:締結式の様子2

1月16日(月)、長崎刑務所内において本学と法務省矯正局による「長崎刑務所における知的障害者受刑者処遇・支援モデル事業の効果検証等に関する連携協定書」の締結式が執り行われ、丸山悟 理事長が協定書に署名しました。また、同時に長崎県・諫早市・長崎刑務所の3者も受刑者支援のための地域連携協定を締結しました。

このモデル事業は、知的障害を有する受刑者及び知的障害の可能性がある受刑者(以下、知的障害受刑者)の特性に合った作業や訓練を実施するとともに、出所後の福祉サービス等を受けられるよう受刑者の立ち直りを支援するモデル事業です。本学のソーシャルインクルージョン研究センター(センター長:湯原悦子 社会福祉学部教授)が法務省矯正局と共に今後5年間モデル事業の効果検証を実施していきます。

当日のプログラムは協定締結式、長崎刑務所内の内覧会、記者会見の三部構成となっており、締結式内で各出席者の代表からご挨拶がありました。本学代表者として挨拶した丸山理事長は「今回の知的障害受刑者処遇・支援の在り方については、本学の山﨑康一郎准教授などが研究テーマとしてきたものではありますが、実際の取り組みとしては本当に新しいもので、固有の難しさがあります。様々な葛藤を乗り越えていく、勇気の要る取り組みでもあります。しかし、極めてやりがいのある取り組みですから、何としてもモデル事業として光の放てるものにしていきたいと思います」と述べました。

挨拶する丸山理事長
丸山理事長(左)と
小山定明 法務省大臣官房審議官(右)
記者会見の様子
出席者で記念撮影

長崎刑務所におけるモデル事業について

法務省矯正局が令和2年度に報告した特別調査によると、全受刑者のうち知的障害受刑者は全国で1,345名であり、このうち療育手帳を取得している者は414名(30.8%)であることが判明しています。また知的障害受刑者にまつわる問題点として再犯期間が短いことが挙げられますが、その原因の1つとして本人が必要な支援を自覚していないことが考えられています。
 再犯防止の推進には、

  1. 障害特性の把握と就労等を見据えた処遇の実施
  2. 福祉サービス等を受けるための療育手帳の取得
  3. 社会復帰後の継続した寄り添い型支援等

 の3点が必要ですが、矯正施設のみで上記の取り組みを行うには専門知識やノウハウの点で困難が伴います。そこで刑事施設では全国で唯一「社会復帰支援部門」が設置されている長崎刑務所において、知的障害のある受刑者を対象にした処遇・支援モデル事業を行うことになりました。

 障害者福祉の専門的知見・ノウハウを有し、全国的にも有名な社会福祉法人南高愛隣会に業務委託を行い、

  1. 特性に応じたアセスメントと処遇計画の立案
  2. 処遇計画に基づく訓練・指導
  3. 療育手帳等の取得に向けた調整
  4. 息の長い寄り添い型支援を可能とする調整

 を令和4年10月から実施しています。