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斉藤雅茂 社会福祉学部教授が日本老年医学会の英文誌 "Geriatrics & Gerontology International (Impact Factor: 3.387)"の「Best Article Award 2021(優秀論文賞)」を受賞しました

レポート
2022年07月20日
写真:表彰状をもつ斉藤雅茂教授

斉藤雅茂 社会福祉学部教授がGeriatrics & Gerontology Internationalの「Best Article Award 2021(優秀論文賞)」を受賞しました。本賞は、2021年に日本老年医学会の英文誌「Geriatrics & Gerontology International」に掲載された年間130を超える原著論文の中から授与される賞で、第64回日本老年医学会学術集会にて表彰されました。

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受賞論文
研究助成
著 者

Masashige Saito, Jun Aida, Noriko Cable, Paola Zaninotto, Takaaki Ikeda, Taishi Tsuji, Shihoko Koyama, Taiji Noguchi, Ken Osaka, Katsunori Kondo

論文内容

超高齢社会の日本と孤独担当大臣を新設した英国における大規模縦断調査に基づいて、高齢者の社会的孤立の特性および健康への影響度の相違を検討しました。日本側はJAGES(Japan Gerontological Evaluation Study)、英国側はELSA(English Longitudinal Study of Ageing)による10年間を追跡した前向きコホートデータを使用しました。他者との交流頻度が月1回未満を孤立とした場合、英国では1.3%が該当に対して、日本では8.7%と顕著に多いこと、日英で共通して交流頻度が毎日群と比べて、月1回未満群では死亡リスクが高い傾向にあること、日本社会では孤立しがちな高齢者が顕著に多いために、そうした極端な交流の乏しさによる早期死亡のインパクトが英国では年間2000人弱に対して、日本では年間2万人弱と顕著に多いことなどを明らかにしました。本結果は、社会的処方などを進める英国と同様に、日本でも高齢者の社会的孤立対策の推進が必要であることを示唆する結果といえます。

表彰状
写真:表彰状
斉藤教授コメント

当該論文では、日本と英国の高齢者10年間を追跡した大規模疫学データを用いて、①他者との交流頻度が月1回未満を孤立とした場合、英国では1.3%が該当に対して日本では8.7%と顕著に多いこと、②日英で共通して交流頻度が毎日群と比べて月1回未満群では死亡リスクが高い傾向にあること、③日本社会では年間2万人弱もがそうした状態にあることで早期死亡に至っている可能性があり英国と比べると顕著に多いこと、などを明らかにしたものです。

本研究は、JSPS科研費(国際共同研究強化(B)「高齢者の社会的孤立の健康影響の国際比較研究」研究代表者:斉藤雅茂)の助成を受けて行われた成果の一部です。当然ながら私一人で成し得た成果ではありませんで、研究プロジェクトにご参画頂いた共著の先生方のお力添えあってのものです。今後とも社会福祉学の視点を持ちながら、学際的な成果発信に力を注いでいきたいと思っております。