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トップページ 学園・大学案内 学園・大学案内 お知らせ 【地域連携教育】  顔の見える黒子になる。髙橋吏佳さんから学ぶ地域福祉の実践  ~南三陸町社会福祉協議会 地域とともに走り続けた11年~

 

【地域連携教育】  顔の見える黒子になる。髙橋吏佳さんから学ぶ地域福祉の実践  ~南三陸町社会福祉協議会 地域とともに走り続けた11年~

レポート
2022年07月07日

2022年6月30日(木)、社会福祉学部1年次科目「総合演習」の合同ゼミ(小林ゼミ、佐藤ゼミ、原田ゼミ、村川ゼミ)において、原田正樹教授が宮城県の南三陸町社会福祉協議会の髙橋吏佳さんをゲスト講師に招き、オンラインで各ゼミ教室と南三陸町とをつないだ講義が展開されました。

「仕合せづくり」というテーマで行われた講話では、東日本大震災で最愛のご家族や、職場の仲間を失った中、待ったなしで災害ボランティアセンターの立ち上げなどの対応に追われながらも、前向きに被災者支援に向き合い、地域福祉活動の拠点「結の里」を復興に向けて住民のとともにつくり、人と人が笑顔で繋がっていられる地域にむけて奔走された経験をお話いただきました。

南三陸町からオンラインで講話をされる髙橋さん

高橋さんは、自己紹介の中で自身のことを「元気印」と表現されていましたが、2011年3月11日東日本大震災に罹災され、社協職員として、家族(母親)として、そして自分自身として大きな変化を乗り越えてこられてきました。そんな、高橋さんの言葉は、たくさんの”金言”がちりばめられており、学生らにとっても大変心を動かされた時間となっていたようでした。

「泣き笑いをともに地域の人と歩んできた」

「思いが循環して、気持ちが繰り返していくことが、南三陸町からの地域力の底力」

地域福祉活動の拠点「結の里」の見取り図(出典:社会福祉法人南三陸町社会福祉協議会ホームページ「結の里」紹介パンフレットより)

2018年4月に地域福祉活動の拠点「結の里」を住民の声を聴きながら創ってきた過程の中で、生活課題のある人だけでなく、普段なにげなく接している人にも悩みがあるということに気づいたそうです。また、「迷ったら住民に聴きながらやることが社協のベース、住民の声をカタチにしていくことで、住民の肯定感が高まる」と、日常的なつながりを進化させ、地域の未来を地域とともに創ってきたそうです。

まとめの中で、「社協職員でありながら、3人の母親であったことが、(震災)当時の自分を支えていた」と振り返りました。「(入職時は)人が好きで社会福祉協議会に飛び込んできたが、震災を経て、いろいろな人や事業者、NPOなどの団体と出会い、その中でたくさん学ぶことができた」という。その過程で、「人と人とのつながりが、大切だということに気づき、今では地域のみなさんとの距離がぎゅーっと近くなった」と感じているといいます。

髙橋さんの働き方は、地域が仕事の場であり、そして生きる場にもなっており、まるで家族のように地域を大切にされているようでした。

質疑応答の時間に、高校1年時に「震災学習」で南三陸町を訪れたことがある学生が、「住民同士のつながりが強いということを感じたが、(つながりが希薄な)都会的な町で”つながり”をつくるためにはどうしたらいいですか」と質問をされました。

それに対して高橋さんからは、「大きな市町で、(三陸町と同様に)行うことは難しいが、小地域(自治区や町内会)でつながりづくりをやっていくことはできるのではないか」と、地域福祉を学ぶ学生に大きなヒントを出していただきました。

学生らは、これまで学んできたグラフィック・レコーディングの手法を用いて、この日の髙橋さんの話をそれぞれが感じた視点でまとめました。

学生がまとめたグラフィック・レコーディング

「総合演習」は、大学4年間のゼミ学習の導入教育として位置づけられおり、ゼミでは、身近な社会問題の現状に触れ、それらについての理解や問題意識を深めていきます。本科目は、ふくし・マイスターを養成するためのふくしコミュニティプログラムにもなるため『地域への関心力を高める』ことを目指しています。

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