触る文化への招待 触覚でみる手学問のすすめ

この度、日本福祉大学「国際福祉開発学部」での講義を一般公開し、参加者を募集します

hiroseface画像.jpgテーマ: 「触る文化への招待」 
「異文化理解」授業の一部として実施

日 時: 2009年6月12日(金)
09:20〜10:50

会 場: 日本福祉大学 美浜キャンパス
12号館(キャンパスセンター塔)3階
1231教室

講 師: 国立民族学博物館 准教授 広瀬浩二郎

講義概要と講師からのメッセージ:

全盲の僕が国立民族学博物館(民博)に就職したのは2001年である。マイノリティである視覚障害者が健常者中心の社会で自信を持って生きていくためには、「見えなくてもできること」ではなく「見えないからこそできること」を自分なりのやり方で探していかなければならない。僕にとって民博での8年間は、視覚障害者のオリジナリティを追求する試行錯誤の日々だったといえよう。
民博に着任した僕は、「見学」「観覧」の語に象徴されるように、博物館が「見る」場所であることを思い知らされた。そんな「見る」場所から、もっとも縁遠い存在だったのが視覚障害者である。博物館で 働く障害当事者として、まず僕は目が見えない人でも楽しめる展示方法を研究することになった。いわば「見えなくてもできること」を具体的に提案するのが僕の課題だった。 hirose本画像.jpghirose最新本画像.jpg こういった研究と実践の中で触知・触学の魅力に出会った。初めは「見る」ことができない代わりに「さわる」人がいること、視覚障害者が多くの展示物にさわれる配慮をすべきことをアピールした。しかし、自分自身が各地でさまざまな「さわる」経験を繰り返す中で、「さわる」ことは目が見えている人にとっても大切なのではないかと考えるようになった。僕の仕事は、見えないからこそ気づいた触文化の可能性を万人に伝えることへとシフトしたわけだ。
本年4月、僕は新著『さわる文化への招待』(世界思想社)を刊行した。本書の内容、「見えないからこそできること」を探究するフィールドワークを中心に、6月の講義ではみなさんに僕のユニーク・ライフの一端をご紹介したい。


図書館でも6月に関連書籍の企画展示を行っています

 

参加費: 無料 (会場準備のために氏名・参加人数・連絡先を以下の問い合わせ先まで事前にお知らせください。)

問合せ: 日本福祉大学 学事課 (国際福祉開発学部担当:沖田一成Erick)
メール wym-jim@ml.n-fukushi.ac.jp / Fax 0569-87-2273 / Tel 0569-87-2322
http://www.n-fukushi.ac.jp/gakubu/kokusai/
*学内には駐車場がありません。車でお越しの場合は学外の第7駐車場にお願いします。

 

アクセスマップ

★次回の公開授業の予告編:

「国際福祉開発学部では、海外経験豊富な教授陣による講義に加え、これからのふくしを考えるさまざまな試みをしています。今回御紹介する「異文化理解」では、さらに7月3日(金)にも、手話からアフリカの言語までをひろく学ぶ「世界のことばに出会う」(講師:亀井伸孝氏/東京外国語大学)を予定しておりますので乞うご期待。」

小國和子 国際福祉開発学部准教授