日本福祉大学 経済学部

研究活動

2010/05/20   2010年度第1回経済学部ワークショップを実施しました

 2010年度最初の経済学部ワークショップは、日本福祉大学健康社会研究センターの花岡智恵氏より「失業補償・金融政策と自殺」の論題で報告が行われました。
 近年、日本の自殺率は世界の中で高い水準にあることがWHOの報告などで示されており、関心の高い社会問題の一つとなっています。自殺(率)と関連する要素については、失業を含む経済状況や個人の健康状態、文化的側面(死生観)の相違など、多様な視点から理論的・定量的に研究が進められています。しかし、特に国際的にみて自殺率と関連の深い要素は十分検証されていないのが現状と考えられます。
 花岡氏からは、経済政策が(個人レベルでの健康状態の変動を通して)自殺率に有意な影響を与えるのではないか、との仮説について、1980〜2005年のOECD(27カ国)のパネルデータ推定に基づく結果が報告されました。提起された問題の重要性と示唆に富む結果に、フロアとの間で旺盛な議論が展開されました。

 

(参加者数:9 名)
(担当教員:遠藤 秀紀)

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2010/01/21   2009年度第4回経済学部ワークショップを実施しました

 2009年度最後の経済学部ワークショップは、日本福祉大学経済学部の西村一彦氏による「液晶テレビにおけるイノベーション計測について」の報告が行われました。
 経済成長におけるイノベーションの役割が重要なことは周知のとおりですが、結果として消費者が享受し得る便益(通常、研究者が計測し得る便益)は、品質の向上と既存技術の普及が複合的に反映されるため、それぞれの影響を区分して計測することは統計手法上の困難を伴います。
 同報告では、2005〜2007年の国内液晶テレビ市場で流通した製品(720種類)のデータをもとに分析を行い、離散選択モデルを応用することで期間内の品質向上と技術普及による各効果の定量的な評価(区分計測)が可能になることが提示されました。意欲的な内容に、フロアとの間で多くの活発な議論が展開されました。

 

(参加者数:6 名)
(担当教員:遠藤 秀紀)

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2009/10/29   2009年度第3回経済学部ワークショップを実施しました

 2009年度第3回目の経済学部ワークショップでは、関西学院大学大学院研究員(経済学研究科所属)の三木潤一氏より、「地方公共サービスの生産における民間委託割合と委託料−家庭系ごみ収集に関する検討−」の論題で報告が行われました。
 公共サービスの民間委託は、費用効率性などの観点から自治体の財政負担緩和につながることが期待されるものの、実状や抱えている課題はサービスごとに異なり、研究の継続的な蓄積が必要と考えられます。
 2004年に全国各市のごみ収集事業を対象に調査を行った結果、単位当たり民間委託料は民間業者に100%業務委託をしている自治体で必ずしも低くないという結果が示され、一因として、サービスの民間委託により行政の監視が十分でなくなる結果、行政と民間の間に逆選択(逆選抜)が生じているのではないか、という可能性が理論的に検証されました。
 意欲的な内容に、フロアとの間で多くの活発な議論が展開されました。

(参加者数:6 名)
(担当教員:遠藤 秀紀)

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2009/07/23   2009年度第2回経済学部ワークショップを実施しました

 2009年度第2回目の経済学部ワークショップでは、筑波大学大学院システム情報工学研究科の吉田あつし氏より、”Contribution to the Health Services System to the Elderly and Employee’s Health Insurance Premium”の論題で報告が行われました。
  高齢化により、各健康保険組合は老人保健制度適用分への拠出金増加に直面しています。この場合、各健保組合の選択肢は、労使が負担する保険料率の上昇や給付額の低下、準備金・積立金の取り崩し等が考えられますが、組合はどのような規範のもとに行動(対応)しているのか、また、拠出率の上昇がそれらの行動にどの程度影響しているのか、という問題は、実証的にはあまり明確にされていません。
  1998〜2004年におけるパネルデータ分析の結果、拠出率の変化は準備金・積立金、選択的給付、保険料の順にシフトしていること、保険料に与える影響は有意だが、微小であることなどが示されました。フロアからも多くの質疑があり、活発な議論が展開されました。

 

(参加者数:12 名)
(担当教員:遠藤 秀紀)

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2009/06/18   2009年度第1回経済学部ワークショップを実施しました

 2009年度第1階の経済学部ワークショップは、愛知学院大学商学部の近藤万峰氏より、「地域密着型金融推進行政の下における信用金庫の事業展開―名古屋市内での店舗展開に注目して―」の論題で報告が行われました。
 地域金融機関は、地域経済の発展に資するべく地域密着型の運営が求められる一方で、財務体質の健全性が要求されるなど、難しい局面を迎えています。現況において、信用金庫がどのような規定要因のもとに事業展開を行っているかを的確に把握することは、地域密着型金融の推進を検討する上で重要なポイントと考えられます。
 名古屋市に事業展開している信用金庫を対象とする実証分析の結果、信用金庫の融資態度だけでなく、本拠地の人口構成や市場状態が、展開に対する姿勢に影響を与えていることが示され、活発な意見交換が行われました。

(参加者数:10 名)
(担当教員:遠藤 秀紀)

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2009/01/22   第4回経済学部ワークショップを実施しました

 2008年度最後の経済学部ワークショップは、神戸大学大学院経済学研究科 博士後期課程の小林美樹氏より、「所得不平等が主観的健康に及ぼす影響」の論題で報告が行われました。

  近年、所得格差の変動が心身の健康状態に影響するのではないか、という論議が活発化していますが、経済学的見地からの分析はまだ希少といわれています。大規模なパネルデータなどへのアクセスが困難なことも一因ですが、両者の関係を有機的に説明しうる理論が構築されていないことや、計量分析におけるモデルの同時性(逆因果)の検証が容易でないことなどが理由として考えられます。

  これらの課題を踏まえた上で、多様な記述統計と回帰分析による丁寧なアプローチで、所得格差の拡大は主観的健康感を悪化させる可能性のあることが報告され、フロアとの活発な意見交換が行われました。

 

(参加者数:7名)
(担当教員:遠藤 秀紀)

 

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2008/10/22   第3回経済学部ワークショップを実施しました

 2008年度第3回目となる経済学部ワークショップは、「オーストラリアの職安改革−市場的機能の役割と準市場の構築」の論題で、本学経済学部の山上俊彦教授より報告が行われました。
 求職者へのさまざまなサポートを行い、失業率の低下に寄与することを目的とする公共職業安定所の機能に、準市場の原理を導入したオーストラリアの労働市場改革について体系化した報告がなされました。近年、政策評価の手法として関心の高まっている実験的アプローチによる職安改革の評価についても綿密なサーベイ報告があり、フロアの注目が集まりました。

(参加者数:8名)
(担当教員:遠藤 秀紀)

 

 

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2008/07/17   第2回経済学部ワークショップを実施しました

 2008年度第2回目の経済学部ワークショップは、駒澤大学経済学部の舘健太郎准教授より「社会の安全と安心」の論題で報告が行われました。

 内容は、PFI方式による矯正施設の民間委託に関するゲーム理論的考察と、救急医療体制における諸問題の2部構成でした。社会的関心の高い両問題に対する示唆に富んだ分析と報告に、フロアからは多数の質問があり、内容の濃い議論が展開されました。

(参加者数:13名)

(担当教員:遠藤 秀紀)

 

 

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2008/05/15   第1回経済学部ワークショップを実施しました

 2008年度第1回目の経済学部ワークショップでは、名古屋市立大学大学院経済学研究科附属経済研究所所長の下野恵子教授より「介護サービス産業における人材確保について」の論題で報告がなされました。

増大する介護サービス需要に対し、困難な状況にある介護施設・事業所の労働力確保の問題について、特に報酬(賃金)と人材の確保先(国内か、海外か)の二面に重点をおいて議論が展開されました。豊富なデータの提示と複雑な介護市場の実態を踏まえた明快な説明に、フロアから多くの質問が寄せられ、活発かつ有意義な議論が行われました。

(参加者数:17名)

(担当教員:遠藤 秀紀)

 

ワークショップの様子(右奥が下野教授)

 

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