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保育専修 SPECIAL CONTENTS

保育専修 SPECIAL CONTENTS
日福ならではの充実した学び

豊かな感性と教養、
福祉の視点を身につけた保育者に

子どもの心と体の発達を理解する。音楽や造形に取り組んでみる。保育とは何なのかを根本的に考えてみる。第一線で活躍する芸術家や専門研究者から学び、子どもと家族を多面的に支えられる保育者をめざしましょう。

幼児造形

苦手な子の気持ちがわかる保育者に

下手でいい。夢中になって楽しんでみよう。

初めて赴任した保育系学科で驚いたのは、図工ぎらいの学生がこんなに多いのか、ということ。造形が好きで陶芸の道に進んだ私には想像もできないことでした。子どもの頃から上手・下手で評価された結果、誰もが味わえるはずの“作る楽しさ”を知らずに保育を学ぶ学生が多いのは残念なことです。私の授業「乳幼児と造形」では、学生を“上手・下手の呪縛”から解放します。粘土をこねたり紙をちぎって何かに見立てたりする過程を楽しむことを重視し、どんな作品でも必ずいい所を見つけます。この授業を受けても図工への苦手意識が捨てられず、「こんな私でも保育士になれますか?」と相談に来る学生には、「苦手意識は君の武器。いい保育者になれるよ」と答えるでしょう。図工が苦手な子どもの気持ちに寄り添うことができるのですから。「お絵かき、先生も苦手なんだよ」と言ってあげられる保育者になりましょう。それも私の授業のねらいの一つです。

PROFILE

子ども発達学科 准教授

江村 和彦

学生時代に陶芸と出会い、修士課程では芸術教育を専攻。ロクロ職人を経験し、2001年に陶芸家として独立、精力的に活動中です。本学では、地域の保育所などと連携した造形教育を展開しています。

社会的養護

子どもたちが安心できる場をつくる

貧困や虐待の中で育つ
子どもの養護・養育を学ぶ。

保育所や幼稚園の子どもたちは自宅から通ってきます。一方で、自宅から離れて暮らす子どもたちもたくさんいます。子ども全体の数が268万人(1948年)から100万人(2014年)に激減しているにも関わらず、自宅から離れて暮らす“社会的養護の子どもたち”は、2万数千人から4万6千人へと増えているのです。そして養護問題が発生する最大の理由は悲しいことですが“父母による虐待”で、全体の4割近くを占めています。「社会的養護」の授業では、養護問題がなぜ起こるのか、子どもたちはどこで生活し、どのように育つのか、そこで保育者が果たす役割は何かを学びます。また社会的養護の視点は、保育所や幼稚園の保育者にも求められます。家族の問題を抱えながら保育所・幼稚園に通う子どもも増えているからです。通園時に親子の様子を見たり親と話したりできる保育者には、養護問題の早期発見者や悩める親の支援者という役割も期待されているのです。

PROFILE

子ども発達学科 教授

遠藤 由美

子どもの学習権保障が学生時代からの研究テーマ。児童養護施設など社会的養護を実践する方々との研究活動も続けています。写真は学生の作品。児童相談所の待合室にいる親子の緊張を解きほぐすための絵です。

保育者論

赤ちゃんは自分の意志で泣いている

海外の保育を学び、日本の保育を考える。

乳児保育の現場で赤ちゃんが泣き始めたら、日本の保育者ならすぐに駆け寄って抱き上げるでしょう。一方、フランスの保育士はすぐには抱き上げず見守ります。「この子は自分の意志で泣いている。なぜ自分が泣いているのかがわかる前に、泣きやませてはいけない」と考えるのです。こうして育った子どもが5歳になり、友達とおもちゃの取り合いになったとき、フランスの子どもは子ども同士で自分の意見を言い合い、日本の子どもは先生を探し始めます。この違いの根底にはそれぞれの国の社会や文化の違いがあり、保育方法だけを比較して優劣を論じることはできません。ただし、海外の保育を知りその理由を考えることは、日本の保育を可視化することにつながります。私の授業では保育を支える原理や哲学を、海外と比較しながら考えます。保育は、人が人を産み育てて世代をつなぐ大切なこと。職業教育にとどまらない、教養としての保育学を学びましょう。

PROFILE

子ども発達学科 准教授

塩崎 美穂

専門分野は教育学・保育哲学・子育て比較文化論。海外の保育学研究者とのネットワークを持ち、共同研究の実績も豊富です。ゼミの4年生とともにヨーロッパの保育事情視察に出かけることが恒例行事となっています。

幼児体育

跳べない人でも跳び箱は指導できる

乳幼児期の運動・認識・ことばの発達を学ぶ。

跳び箱が苦手な5歳児にどんな指導をしたらいいでしょう。「頑張りなさい」ではもちろんダメ。何をどう頑張ればいいかがわからないからです。実は、手をついたとき顔が前を向いていれば、跳び箱は跳べます。恐怖心から手もとを見てしまうと跳べません。そこで子どもたちには、跳べる子と跳べない子を観察させて「跳ぶときに、2人はどこを見てる?」とことばをかけます。5歳児ならその違いは認識できます。次は、前を向いて跳ぶ方法です。着地点の先に友達をすわらせ、「手をついたら○○ちゃんの顔を見てごらん」とことばかけをすると、ほとんどの子が跳べるようになります。このように、運動と認識とことばの発達には深い関連があります。跳び箱が跳べるようになるのは何かを認識できたからであり、認識を促すには発達段階に応じたことばを使う必要があるのです。この三者の関連が理解できれば、子どもの頃に跳び箱で苦労したあなたでも、適切な運動指導ができます。

PROFILE

子ども発達学科 教授

山本 秀人

学生時代は陸上競技に励みつつスポーツ社会学を専攻。1983年の本学赴任を契機に幼児期を中心とした身体教育学・教科教育学に転身しました。副学長業務の多忙さのため実技科目が持てなくなったことが悩みです。