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ハンズオンワークショップ「ノーリフティングケア研修会」を実施しました!

レポート
2025年12月09日

ウェルビーイング工学研究センター主催のハンズオンワークショップ「ノーリフティングケア研修会」が行われました。

今回のワークショップには、定員30名に対し、本学看護学部生が半数以上を占め、ノーリフティングケアへの高い関心を示しました。その他、看護学部教員、他学部生・教員、そしてご家族の介護に関心を持つ一般の方々にもご参加いただきました。

主な内容

1.【講演】“ノーリフティングケア”ってどんなケア?――その魅力と実際
(担当:健康科学部 冨田川智志先生)

まず冒頭にて、ノーリフティングケアが介助者・被介助者双方にとって負担を減らし、質の高いケアにつながるという理論的背景について講演がありました。学生や一般参加者にとって、介助に対する意識を根本から変えるための重要な導入となりました。

2. 【体験セッション】テクノロジーを活用した移動・移乗介助

ワークショップの核となる体験セッションでは、参加者が「百聞百見は一験に如かず」を実感しました。

  • 体験1:スライディングシートを活用したベッド上移動(冨田川先生 担当)

    人力での移動介助の難しさと比較し、スライディングシートを使うことで、摩擦抵抗が激減し、驚くほど少ない力で対象者を動かせることを体感しました。

  • 体験2・3:移乗支援用具・リフトの活用(協力業者 担当)

    2つのグループに分かれ、一方はベッドと車いす間の移乗という、特に負担の大きい介助について、スライディングボード、スタンディングリフトの体験を行いました。もう一方は、(株)いうら、(株)ウェル・ネット研究所、(株)モリトー、マッスル(株) の4社のご協力による移乗用リフトの体験を行いました。人力に依らず誰もが安全かつスムーズに介助できることを体験した参加者は、最新技術の実用性に熱心に質問を投げかけていました。

冨田川先生による講義のようす
スライディングシートを用いたベッド上移動の体験
移乗用リフトを用いたベッドから車いすへの移乗体験
移動用リフトでの移動体験

今回のワークショップは、ノーリフティングケアの理念と、それを実現するテクノロジーの可能性を、参加者全員が肌で感じる貴重な機会となりました。日本福祉大学ウェルビーイング工学研究センターは今後も、看護・介護の現場の負担軽減と、安全で質の高いケアの普及に貢献する研究と教育活動を推進してまいります。

参加者の感想(一部抜粋)

  • 「リフトなどを使うと、ほとんど力も加えていない状態で移乗・移動できました。これなら支援者側も患者側も双方に良い点があると感じました。」(学生)
  • 「支援者側の体を痛めることがないだけでなく、患者さんも痛みが減ったり安定感が増したりといいこと尽くしだと思いました。」(学生)
  • 「私自身ヘルパーのアルバイトで腰を痛めていましたが、道具を使えば、介護する側も負担が減り、担い手が増えてくれるんじゃないかと強く感じました。」(一般の方)
  • 「パンフレットだけでは効用が伝わりませんでしたが、実際に体験できたことでよく分かりました。在宅生活を続けるご家族にも、こうした機会が増えることを願っています。」(一般の方)