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第17回 提携社会福祉法人サミットを開催しました

レポート
2024年02月29日

本学は現在、全国各地の14の社会福祉法人と提携し、本学の教育・研究と社会福祉法人の実践の事業交流を図ることで地域社会の発展や社会福祉人材養成の改善・充実に向けた取り組みを続けています。その一環として、毎年2月には法人の事業や経営、福祉人材の育成といった課題について相互に学びあう「提携社会福祉法人サミット」を開催しています。
2月23日に開催した今年度のサミット「政策動向勉強会」には、提携社会福祉法人関係者および本学関係者含め計90名(対面50名・Zoom40名)が参加しました。

開会挨拶

開会挨拶を述べる原田学長
開会挨拶を述べる原田学長
開会に先立ち、原田学長が「提携社会福祉法人サミットは今回で17回目を迎える。特に2011年の東日本大震災で被災された仙台市社会福祉協議会の呼びかけにより、これまで以上に結び付きが強くなったように感じる。この取り組みを事例共有するだけに留まらず、教育にも生かすことが重要だと感じている。よい取り組みの共有はもちろんのこと、課題も共有し、解決につなげるような場にしていきたい」と挨拶を述べました。

基調講演「こども家庭支援の政策動向と社会福祉法人への期待」

講演中の本後こども家庭庁成育局保育政策課長
講演中の本後こども家庭庁成育局保育政策課長
こども家庭庁成育局保育政策課の本後課長より、「こども家庭支援の政策動向と社会福祉法人への期待~保育政策をめぐる動きと展望~」をテーマに講演いただきました。
講演では、令和5年12月に閣議決定された、「こども未来戦略『加速化プラン』」により、76年ぶりの保育士配置基準の改善や処遇改善、現場の負担軽減をはじめとし、さまざまな改革が行われているとご説明いただきました。
また、保護者の負担軽減やこどもが家庭とは異なる経験や家族以外と関わる機会の創出を目指し、2年かけて試行的に取り組む「こども誰でも通園制度」については、地域の状況を踏まえて政策展開を考えており、特に過疎地については保育所の多機能化、多世代交流場になることを目指すと話されました。

シンポジウム「社会福祉法人による取り組み」

報告中の石道施設長
報告中の石道施設長
シンポジウムでは、3つの法人からの報告がありました。
はじめにご登壇された仙台市社会事業協会 母子生活支援施設 仙台むつみ荘の石道施設長から母子支援分野についてご報告いただきました。報告の中では、施設の概要や利用世帯の家庭状況、全国での運営状況について説明されました。施設利用者はDVや児童虐待など、緊急的な保護を必要とする方の支援を行う必要があるため、母子支援員や保育士、心理担当職員などさまざまな職員が配置されているが、職員の兼務実態や、認知度が低く利用者増につながりにくいなど、課題があることについても報告されました。
報告中の中沢業務執行理事
報告中の中沢業務執行理事
続いて、飛騨慈光会の中沢業務執行理事より、社会的養育推進にむけた取り組みや支援のフロー等についてご報告いただきました。また、社会福祉法人には地域支援や入所支援をはじめとするさまざまな支援機能を有効に連携させながら、要支援者に必要とされる存在として運営することの重要性についてご説明いただきました。
報告中の田中院長
報告中の田中院長
最後に、甲山福祉センター西宮すなご医療福祉センターの田中院長より、重症心身障害施設の概要やこれまでの取り組み、社会制度を含めた現在の課題についてご報告いただきました。また、医療的ケア児の実態として、家族が24時間看護や介護を担うことで、家庭環境が悪化したり、就労が難しかったり、生活環境が家庭と学校等に限定されたりすること等、法律と現状の相違について言及されました。

3名からの報告後、こども家庭庁成育局保育政策課の本後課長より、「保育施設の多機能化も重要だか、本当に必要とされているのは保育の多機能化や多義化。また、こどもや妊婦の定義を改めて行い、支援の対象の拡充や経済的支援、伴走型支援を平行し、途切れない支援の検討を進めている」と報告事例に基づき、こども家庭庁の支援の検討状況についてお話いただきました。

 
分野 報告者 テーマ
母子支援分野 石道 久子 氏(仙台市社会事業協会 母子生活支援施 設 仙台むつみ荘 施設長) 母子生活支援施設について
児童養護分野 中沢  泰 氏(飛騨慈光会 業務執行理事 兼 児童養護施設夕陽ヶ丘 施設長) 飛騨慈光会における社会的養育推進への取り組み~児童養護施設から考える今後の事業展開について~
障害児分野 田中 勝治 氏(甲山福祉センター 西宮すなご医療福 祉センター 院長) 当法人における障害のあるこどもへの支援
コーディネーター 野尻 紀恵(学長補佐、社会福祉学部教授)
コメンテーター 本後 健 氏(こども家庭庁 成育局 保育政策課長)

閉会挨拶

閉会挨拶を述べる木戸副委員長
閉会挨拶を述べる木戸副委員長
2024 年度からの提携社会福祉法人の運営について、山田委員長より報告を行い、各法人よりご意見をいただいた後に、提携社会福祉法人のあり方ビジョン推進委員会の木戸副委員長が、「地域共生社会を実現するため、こども家庭庁が行われている政策や現場での実践例をお聞きする中で、既存事業の多機能化や人員配置などが問題提起された。本サミットのあり方についても検討が進み、次年度以降はより実質的な議論につなげていきたい」と閉会挨拶を述べました。
閉会後の記念撮影
閉会後の記念撮影