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地域の防災力を高める:南知多町防災リーダー養成講座が開催されました

レポート
2023年02月28日

南知多町が主催する防災リーダー養成講座が2月26日(日)同町内海防災センターで開催され、地域住民や行政担当者など26人が参加しました。

写真:南知多町防災リーダー養成講座の様子

学校法人日本福祉大学と南知多町は、連携に関する包括協定を2019年2月12日に締結しました。防災リーダー養成講座は平成24年から実施されており今回で10回目(コロナ禍の影響により中止年度あり)となりますが、協定締結事項の一つである「防災・防犯対策と地域の強靭化に関すること」に基づき、締結以後、本学が取り組みに協力しています。これまでの同講座は各地域の防災リーダーを主な対象としていましたが、今回は、これまでの講座で培った知見をより多くの住民に共有することを目的に、初任者を対象に実施されました。

午前の部では、南知多町担当者から南海トラフ地震の発生により想定される人的物的被害や津波到達時間・津波高をはじめ、災害から地域を守るために自助・共助を高める取り組みの必要性が説明されました。そのうえで、発災時に役立つ備蓄や行政情報、地域単位での避難場所が共有されるとともに、災害用トイレの組み立て訓練を行いました。そして、発災直後から想定される困難や対策をタイムライン別に記載し、グループ単位で報告しました。

グループ単位で情報交換が行われました
参加者に挨拶する石黒和彦南知多町長
災害用トイレ組み立て訓練

午後の部では、山本克彦福祉経営学部教授が「災害現場で起こっていること~被災者のニーズと求められる支援~」をテーマに講演されました。山本教授はかねてより災害現場への支援を行っており、岩手県在住時には東日本大震災を体験され、復興に向けた支援を当地から行ってきました。また、全国各地で頻発する地震や風水害現場への支援の数多く経験されています。講演の開始にあたり山本教授は、災害現場の写真や映像を紹介した上で、3つのポイント(①映像や写真から考え得る事態を想像する、②災害は想定外のことが起こり得る、③南知多町で想定される人的・物的被害を減らすために、各自が日常的に考えていくことが大切(自分事として考える))を説明しました。その上で、午前の部で行ったグループワークの資料に午後の部での学びや発見を追記するとともに、避難所運営で支援者が果たすべき役割をテーマとした意見交換が行われました。参加者は内容を付箋に書き記し共有していくだけではく、山本教授や南知多町防災課担当者からの知見がそこに加わることで、より実践的な議論の場となりました。

写真:被災地の写真とともに講演する様子

講演を終えて山本教授は、「今回の講演は南知多町で想定される自然災害に焦点を絞り、起こり得る被害と日頃からの備えをイメージすることが必要であることを説明した。地域の防災・減災力の強化には、顔の繋がる関係づくりが必要。災害発生時には参加者も被災者になるが、発災を想定した取り組みを行ってもらいたい」と参加者への期待を述べられました。

講義での発見を付箋に記載(写真左)し、山本教授や町職員を交えて白熱した議論が行われました(写真中央・右)

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