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日本福祉大学大阪セミナーを開催しました

レポート
2022年12月05日

日本福祉大学後援会は、全国各地にて日本福祉大学セミナーを開催しております。11月12日(土)ホテルニューオータニ大阪において日本福祉大学セミナー(大阪会場)をハイブリッド形式で開催しました。

小野教授による講演会
内容 時間

日本福祉大学大阪セミナー

テーマ:『子どもの生きる力を育むスウェーデンの技法』

講師:小野 尚香 福祉経営学部(通信教育)医療・福祉マネジメント学科 教授

13:00~14:00

大学近況報告・就職状況報告

14:10~15:00

福祉経営学部紹介

15:10~15:30

講演会では冒頭、スウェーデンの高福祉高負担の社会の状況とともに、スウェーデンが制定した「差別禁止法」(2008年)と「児童の権利に関する条約」(2020年←1989年国連採択)の趣旨に触れ、スウェーデンという国で子どもが豊かに育つ前提としての人権の重さについてご説明いただきました。

続いて、スウェーデンのチャイルドヘルスについて、WHOの健康の定義に基づき、身体面・精神面・社会面さらに生活の質や尊厳という点も重視し、これを実現するため、政府によるナショナルプログラムを用いて、各家族に担当看護師が付き、子どもと保護者の双方に対する介入・支援・フォローアップが用意されているそうです。
教育も包括的に行われており、生涯教育のスタートである就学前学校は1歳~5歳までの子どもに対して、多様性や協調性を学ぶだけでなく、民主主義の価値・原則や思いやりを教育実践に織り込んでいます。最近、取り組まれているLGBT(SOGI)の授業では、子どもが家族と一緒に家族紹介作品を作り教室に展示し、子どもが家族を紹介するというものですが、LGBTの範疇にあると思われる保護者や、養子のため保護者と子どもの肌の色の異なる写真も飾られているそうです。どの写真も笑顔溢れ、そして、子どもは自慢げに家族の紹介をするそうです。LGBTという言葉を使うことなく、多様性を認め、誰もが自分らしくありのままに生きていくことへの学び方となると話されました。

最後に、1988年に欧州12ヶ国が創設した病院の子どもヨーロッパ協会作成の「病院の子どもの憲章」とそれが実践されているプレイセラピーについてご説明いただきました。
この憲章では、親は子どもに付き添うことを支援されるだけでなく、そのための宿泊や金銭的支援が受けられること、子どもは年齢と理解力によって様々な説明やヘルスケアが受けられることなどが記載されており、実際に、親子が安心して闘病できる環境や支援がされていることがわかります。プレイセラピーユニットでは多様な「あそび」の場が設けられ、子どもの理解力に応じてプリパレーション(病気や治療の説明)が行われているそうです。
また院内学級では、どのような状態であっても教育保障がされており、ベッドサイド教育や、モデル事業として代替ロボットによる授業参加などもすすめられ、個人の状態に応じた教育プログラムが提供され、保護者と連携しながら、「子どもの未来を生きる力をはぐくむ」全人的な支援をしていると説明いただきました。

参加者からは「講演内容が示唆に富んでいて多くの学びを得られました。」「スウェーデンの先進的な取り組みが生み出されてきた背景にも触れていただき、日本が学ぶべきところは表面上の取り組みだけでなく、それ以前の視野や思考であると感じました。」などの意見が寄せられました。

続いて、福田副学長が大学近況報告として、大学全体および各学部の取り組み、大学の支援機関等について紹介し、最後に2021年度卒業生の就職状況や福祉経営学部(通信教育部)について説明を行いました。