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福祉教育に携わる高校と大学の交流と研究 ―第6回福祉教育研究フォーラムを開催しました

レポート
2012年08月12日

 本フォーラムは、青年期の「ふくし」の学びを多角的に考えることを目的として2007年度から開催され、毎回100人を超える教育関係者らが集まり、福祉教育に関する議論と理解を深めてきました。高校の福祉科教育が介護従事者の養成に焦点化していくなか、7月21日のフォーラムはあえて幅広い「ふくし」の学びについて問うことをねらいとして開催されました。

◆左から、開会挨拶・メッセージを述べた加藤幸雄・日本福祉大学学長、村松利之・愛知県立高浜高等学校校長、野口定久・社団法人日本福祉教育学校連盟副会長(本学教授)

 基調講演には、同志社大学教授で日本福祉教育・ボランティア学習学会の会長を務める上野谷加代子さんが登壇し「これからの地域福祉をどう伝えるか-価値・広がり・実践-」と題して話しました。多様な価値観を持って地域で暮らす人々のニーズに対する個別支援とコミュニティ支援のあり方を示したうえで、社会経験に乏しく地域とのつながりが希薄化してきた若い世代(生徒・学生)に、見えにくい生活課題を伝えることの難しさを指摘しました。そして「授業で生徒・学生を指名したときに『わかりません』と答えたらどうしますか?そのままで終わらせては教育になりません。どうわからないのか、何を感じたのかを引き出すことが大切です。私たちは、何が何でも伝えていかなければならないのです」と話し、教材・教育方法の開発を一層進めることを説きました。

◆わかりやすく明快に語りかけられた上野谷加代子教授の基調講演

 続いて行われた分科会では、①福祉系高校のかかえる課題、②地域とつながる~ボランティア活動と福祉の学び~、③青年期のキャリア形成~福祉系高校・大学生の進路~、がテーマに設定され、それぞれの課題に取り組む教員らによる事例報告やディスカッションが進められました。第一分科会では、社会福祉士・介護福祉士法の改正などに伴う指導要領や教育課程の変更と対応、地域・学校間の連携を深めていくことなどが課題に挙げられました。第二分科会では、東日本大震災の復興支援ボランティア体験の事例をもとに、高校生と地域の関わりと学びについて議論しました。第三分科会は、福祉系の仕事を志す高校生と大学生のキャリア形成について取り上げ、様々な高校の福祉系課程で実施されているキャリア教育の概要や現場教員の声が紹介されたほか、本学の教員養成課程での調査データなどが紹介されました。

◆第一分科会(左)と第二分科会の様子
◆第三分科会の様子と総括講演を行った矢幅清司調査官

 最後に全体を総括して、国立教育政策研究所教育課程研究センターの矢幅清司調査官が講演を行いました。矢幅氏は福祉系高校での教育内容について、豊富なデータと実践の情報を織り交ぜて紹介したうえで、より志と質の高い人材養成に取り組むことを訴え、フォーラムは終了しました。