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「限界」を超えるテクノロジーと支援のあり方とは?——ウェルビーイング工学研究センター×全国頸損連 合同シンポジウムを開催

レポート
2026年11月02日

10月31日(土)、STATION Aiにて、日本福祉大学ウェルビーイング工学研究センターと「全国頸髄損傷者連絡会」の合同主催によるシンポジウムが開催されました。当日は、学内外から約50名の方々にご来場いただき、関心の高さがうかがえる充実した開催となりました。
社会制度の拡充やICTの発展により、バリアフリーやアクセシビリティの向上は着実に進んでいます。一方で、障害のある当事者一人ひとりの生活に目を向けると、周囲が無意識に設けた「限界」によって、本人の想いや選択肢が狭められてしまうケースも少なくありません。
本シンポジウムでは、テクノロジーの進化とその先にある「個人のウェルビーイング」の実現に焦点を当て、当事者や専門家とともにこれからの地域社会と支援の未来を考えました。

【講演①】電動車椅子での世界一周——あきらめなければ、夢は必ずかなう

まず、全国頸髄損傷者連絡会事務局長の宮野秀樹氏より、電動車椅子で世界一周を達成した圧倒的な行動力と実体験を報告いただきました。
「環境」と「仕組み」と「理解」の大切さ、そして「あきらめず挑み続ければ夢は必ずかなう」という力のこもったメッセージは、福祉や社会課題に向き合う皆様を強く励ましました。

宮野事務局長のご講演

【講演②】日常の延長にある挑戦——多彩な活動と自立した暮らしの実践

大阪頸髄損傷者連絡会の大向優貴氏からは、水泳をはじめ、アーチェリーやサーフィンといった多様なスポーツ、さらにはソーシャルバーテンダーとしての活動など、豊かな日常のリアリティが語られました。
障害の有無に関係なく、自分が大切だと思うものに妥協せず『やりたい』に素直に挑む姿勢に、参加者は大きな感銘を受けました。

大向様のご講演

【トークセッション】多角的な視点から探る「これからの地域社会とテクノロジー」

後半のトークセッションには、講演されたお二人に加え、愛知頸髄損傷者連絡会の近藤佑次氏、特定非営利活動法人リハビリテーションビレッヂ代表の川村亨平氏、ウェルビーイング工学センター幹事である工学部・毛利准教授の計5名が登壇、進行を同センター幹事の工学部・渡辺教授が務めました。
議論では、生活者としての「当事者の視点」、現場を支える「支援者の視点」、そしてキャンパスや教育現場で多様な学生に向き合う「教員の視点」という、それぞれの立場からの知見と思いが交差。テクノロジーが果たすべき役割をはじめ、実際の支援現場や生活の中でどのように当事者一人ひとりの「自分らしい暮らし」を支えていけるのかについて、多角的なアプローチから活発な意見交換が行われました。

トークセッションのようす

日本福祉大学ウェルビーイング工学研究センターでは今後も、当事者や地域社会の皆様との対話を重ねながら、一人ひとりが自分らしく生きられるアクセシブルな社会の実現に向け、研究・教育活動を推進していきます。