株式会社GOBOU代表取締役 「大人のための体操のお兄さん」ごぼう先生 株式会社GOBOU代表取締役 「大人のための体操のお兄さん」ごぼう先生

株式会社GOBOU代表取締役
「大人のための体操のお兄さん」ごぼう先生

簗瀬 寛さん

HIROSHI YANASE

福祉経営学部(通信教育)
2013年3月卒業
愛知県/愛知産業大学三河高等学校

夢は、紅白出場。
たのしい健康体操で、
介護を明るく、高齢者を笑顔に。

ZOZOの前澤社長のお年玉キャンペーンで100万円に当選したり、テレビで亀田大毅さんとボクシング対決をしたり。介護というイメージの枠に収まらない、その行動は型破りなのか、もしくは、未来のスタンダードなのか。
でも、確実に言えるのは、簗瀬さんは高齢者の方にできることを、本気で考えて行動しているということ。そして、おそらく日本でいちばん高齢者の方を笑顔にしているということ。
これからの介護の姿と、挑戦することの大切さを、簗瀬さんから教えていただきました。
はじまりは、訪問治療の患者探し。鍼灸から介護の道での独立へ。

はじまりは、訪問治療の患者探し。
鍼灸から介護の道での独立へ。

2014年に株式会社GOBOUを創業し、愛知県岡崎市で喫茶店のようなデイサービスをコンセプトとした地域密着型デイサービスリハビリカフェクラブ岡崎店を開設しました。そちらとともに、介護の「ご」に予防の「ぼう」でごぼう先生として高齢者向けの健康体操の普及や指導に取り組み、DVDを制作・販売。累計販売枚数は2万枚を超え、全国各地で講演や研修、記事の執筆などをさせていただいています。おじいちゃんおばあちゃんの体操のお兄さんとして、高齢者の方の笑顔をつくれるように、そして、介護を少しでも明るくできるようにと活動しています。

学生時代は部活のボクシング一筋。身体や健康に興味があったので、鍼灸師に。最初は名古屋の大きな整骨院のグループに就職し、その後、憧れの先輩が地元で開業するということで、そこで働くこととなりました。健康体操は、そこでの訪問医療の患者さん探しのために始めたんです。その後、27歳で独立しました。

鍼灸から介護の世界に移ったのは、はじめて訪れたデイサービスの居心地がすごくよかったのがきっかけですね。介護にはネガティブなイメージがあって興味も無かったのですが、そこは居酒屋のようなあったかい雰囲気でした。みんないきいきと明るく働いていて、スタッフと高齢者の方がワイワイと盛り上がっていて、サービスも繊細で細やかだったんです。そのギャップから興味を持ちました。ちょうどその頃に自分の祖母も認知症でデイサービスにお世話になるようになり、どんどん表情も明るくなっていったんです。それもあり、介護っていいなと思いましたね。そこで、もっと勉強したい、資格をとりたいと思って、日本福祉大学の通信制に通いはじめました。働きながらだったので、通信制はちょうどよかったですね。学費は先に払ってますし、細かく締め切りがあることで、やり切ることができました。

鍼灸から介護の世界に移ったのは、はじめて訪れたデイサービスの居心地がすごくよかったのがきっかけですね。介護にはネガティブなイメージがあって興味も無かったのですが、そこは居酒屋のようなあったかい雰囲気でした。みんないきいきと明るく働いていて、スタッフと高齢者の方がワイワイと盛り上がっていて、サービスも繊細で細やかだったんです。そのギャップから興味を持ちました。ちょうどその頃に自分の祖母も認知症でデイサービスにお世話になるようになり、どんどん表情も明るくなっていったんです。それもあり、介護っていいなと思いましたね。そこで、もっと勉強したい、資格を取りたいと思って、日本福祉大学の通信制に通い始めました。働きながらだったので、通信制はちょうどよかったですね。学費は先に払ってますし、細かく締め切りがあることで、やり切ることができました。

現場で試して磨きつづける。すべて手づくりの健康体操DVD。

現場で試して磨きつづける。
すべて手づくりの健康体操DVD。

これまでにも健康体操はいくらでもあったんですが、どれもつまらなく感じたんですよ。映像の勉強をしたこともないですけど、字幕の入れ方を工夫したり、これなら自分でつくった方がたのしくなるという自信だけはあったんです。それでDVDづくりを始めました。でも、最初は思いついたことを全部詰め込んだ自己満足な体操になってたんです。そこから目的やテーマをちゃんとつくって、現場で試しながら、反応によって修正するっていうのを繰り返しました。反応を見られるのが大きかった。現場に出ている利点ですね。DVDの制作は撮影を妻にお願いして、他はパッケージデザインとプレス以外、すべて自分でやってます。販売もいろんなネット通販サイトに登録して自分で売っています。なにもない0のところからアイデアで1を生み出すとか、1の価値を100に広げるみたいな能力が必要って言うのですが、そのどちらも自分でやれている。その経験はめちゃくちゃでかいですね。デイサービスでDVDを見ながら体操してくれているところを撮影してPVをつくったり、健康体操のごぼう音頭で歌手デビューもしたり、いろんなことをたのしみながらやってます。

現場で試して磨きつづける。すべて手づくりの健康体操DVD。

誰かの思い出や生きがいになりたい。
笑顔を届けるために、会いに行く。

介護の業界にはご年配の方が多くて、おじいちゃんおばあちゃんの体操のお兄さんというキャラクターがいなかった。そこに気づいたときはワクワクしましたね。20代でこんなこと考えてる人いないでしょって。だから、そのポジションを早く築きたかった。結果的にはDVDから始めたのがよかったです。デイサービスや事業所で毎日流れているものだから、ぼくが訪れたときにすごい喜んでくれるんです。テレビの中の人に出会った感覚になるんですかね。

誰かの思い出や生きがいになりたい。
笑顔を届けるために、会いに行く。

最近になってようやく自信が出てきましたが、始めた頃は介護に携わる人が集まる会で出待ちしてチラシを配ったりとか、そういうこともしてました。でも、2年経ったころに、全国のニュース番組に2回特集を組んでもらえて。そこからですね。いろんなところから仕事をいただけるようになりました。最近うれしかったのは大手通信カラオケのコンテンツに、ぼくの健康体操が入ったんです。全国のデイサービスや事業所に2万台以上が設置されていて、そのランキングの1~5位を占めることができたんですよ。自分がやってきたことが本当に受け入れられたんだなって、めちゃくちゃうれしかったですね。

ぼくは思い出づくりができればいいなと思ってます。健康は1日ではつくれるものではないし、本人の意識や周りの人の支えが必要です。だから、ぼくは体操のDVDをつくって、会いに行く。みんな、ぼくが来る前からワクワクやドキドキを感じてくれていて、会った後はより体操をがんばってくれているみたいです。心の栄養や生きがいになりたいですね。体操も正しいよりたのしいを大切にしているので、ニコニコしながらやってほしいんです。

笑顔を届けるために、会いに行く。

前に立って動きつづけることで、
介護も、そのイメージも、変わるはず。

介護の仕事をしているというと、がんばってるねと言われたり、それだけで社会貢献しているようなイメージになってしまう。それを少しずつ変えていきたいですね。最近は交通事故など、お年寄りの方に対して否定的なニュースも多いです。でも、ぼくが前に出ることで、少しでも明るい話題を届けたいです。いろんな人や企業が介護に携わってますけど、現場に出ながら発信している個人は少ないので結構目立てると思うんです。SNSで最先端の考え方をリサーチして、チャンスに飛び込んでいきます。そこから、亀田大毅さんとボクシングの試合をしたり、前澤社長からお年玉100万円をもらってテレビに出たりしました。それをテレビで見たある認知症のおばあちゃんがすごい喜んでくれて、その喜んでる姿を見たデイサービスの職員の人がわざわざ連絡くれたんです。「あのごぼう先生が100万円に選ばれたって、おばあちゃんがすごい喜んでいて、わたしもうれしいです」って。自分の知らないところで、自分の話題で誰かが笑顔になってるってすごいことじゃないですか。鳥肌が立ちましたね。

前に出ることで、介護=ごぼう先生というイメージをつくりたい。ぼくを通して介護を知る人が増えることで、介護へのイメージを変えたいですね。オンラインサロンも始めたので、みんなでアイデアを出し合っています。最近では介護士の方の写真を撮って「介護男子」というおばあちゃん向けのフォトブックをつくりました。社会保障の制度の枠の中だけでの介護には、いずれ限界が来るはずです。おじいちゃんおばあちゃんの心と身体を動かすには何をすればいいか本気で考えないとダメですし、社会に必要な人になりたいです。もっと若い人にも入ってきてほしいですね。

前に立って動きつづけることで、介護も、そのイメージも、変わるはず。

時代が変われば、当たり前も変わる。
健康体操で、アジアでもチャレンジを。

夢は紅白に出ること。それが、介護を象徴する人として日本中から認められた証だと思います。そこをめざすことで、みんながワクワクしてくれるし、そこまで生きててねと言うと喜んでくれるんです。そのために、海外にも視野を広げています。いただいた100万円で台湾に視察へ行き、次回は現地の人の前で体操をさせてもらえることになりました。日本以外のアジアの国も高齢化がどんどん進んでいます。健康体操の動画で、海外でも親しまれる存在になりたいですね。

世の中はどんどん変わりつづけていきます。いまのふつうも数年後にはふつうじゃなくなる。介護もどんどん変わっていくはずです。でも、いまはその分、スマホ1台で情報に触れることができます。ヒントもいくらでもあるし、挑戦する環境もあるはず。もっとゆたかになれるし、もっと自由にチャレンジできるはず。ふくしの枠をどんどん広げていきたいですね。あと、これからは家族のように相手を認める関係性が大事になってくるはず。人は共存しないと生きていけないし、その方が世の中の幸福度も高まるんじゃないかなと思っています。

Editor’s Note

簗瀬さんのお話を伺いながら、自分の中にあった偏見に気づかされた。介護は尊いもの。それが無意識のうちに刷り込まれていたのである。自らが前に出て広めていくというその手法と行動は、時代の先をいく若手経営者のよう。表に立てば、きっと賛否両論が起こるはず。でも、それでいいのだと思った。波風を起こせない限り、このまま何も変わらない。結果を出しつづければ、その「否」は、いつか、「賛」に変わる。きっと、そのときまで簗瀬さんは動きつづけるのだろう。そして、そのときには、介護のイメージは、現在とはまったく違うものになっているのだろう。

※掲載内容は2019年4月取材時のものです。

マンガのキングダムですね。これまでに10回以上は読み返している、ぼくにとってのビジネスの哲学書です。映画は開始20分で泣いてしまいました。エナジードリンクを飲むより、3ヶ月に1回の新刊がエネルギーをくれます。マンガ自体が好きですが、飛び抜けて大好きです。感情が動きやすいので、好きなものには深くハマってしまいます。そういうたのしみを持ってる方が、課題解決にも役立つし、人生は得なのかなと思ってます。

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