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【開催報告】第1回 高校生・大学生のつどい 〜ふくし探究学習交流会〜 を開催しました
2026年8月1日(土)、福祉に興味を持つ高校生と社会福祉学部の大学生がともに学び、交流を深める場として「第1回 高校生・大学生のつどい 〜ふくし探究学習交流会〜」を東海キャンパスで開催しました。当日は28名の高校生をはじめ、大学生7名、高校の先生方や大学の教職員が参加し、全体で50名を超える盛会となりました。
プログラム
開会挨拶:原田 正樹(日本福祉大学 学長)
第1部:探究報告
第2部:大学生の学び紹介
第3部:フィードバック&交流
奨励賞授与:「日本福祉大学ふくし探究学習奨励賞」を授与
閉会挨拶:辻本 智加子 氏(文部科学省 初等中等教育局高等学校振興課産業教育振興室 教科調査官/国立教育政策研究所 教育課程研究センター 研究開発部 教育課程調査官)
開会挨拶
開会にあたり、日本福祉大学の原田正樹学長より参加者の皆様へ歓迎と感謝の言葉がありました。
「日本福祉大学では20年前より、福祉系高校と大学の教員が連携し、高校3年間から大学4年間へと至る7年間の福祉の学びをいかに豊かにするかをテーマに、共同で研究・協議を重ねてきました。今回の交流会は、そうした長年の取り組みの中でも「探究学習」にスポットを当て、より理解を深めることを目的として企画されたものです。
今から発表を控えて緊張されている生徒の皆さんも多いかと思いますが、見守る先生方も同じように緊張しつつ、温かく応援しています。本会が高校生と大学生、そして教員が共に学び合い、交流を深められる実りある機会となることを楽しみにしています。」
第1部:探究報告
「ふくし」に関する自由なテーマ(地域課題・共生社会など)について、事前応募した6つの高校(9グループ)から探究成果の発表が行われました(以下、発表順)。
1. 愛知県立瀬戸北総合高等学校
テーマ:課題探究における探究活動の報告(①バリアフリー住宅 ②非行少年の支援)
内容:総合学科の探究活動として2つのテーマを発表。「バリアフリー住宅」では自宅の改修想定や参加者への問いかけを通じ、全世代にとって快適な生活のあり方を検討・検証しました。「非行少年の支援」では更生保護施設の役割や必要性を解説。家庭環境が少年の問題行動に与える影響や少年法の適用年齢引き下げなど、社会課題に対する自身の考察を報告しました。(発表者:石井、黒岩)
2. 愛知県立古知野高等学校
テーマ:全生命館プロジェクト ~誰もが一緒に過ごせる居場所づくり~
内容:不登校や孤立に悩む人の居場所作りを目指し「全生命館」の開設を提案。社会福祉協議会との協働を通じて「8050問題」や移動支援について学び、世代や障害の有無を問わず誰もが主役になれる場を構想しました。学校の体育館等を活用し、昔遊びや相談スペースを提供する計画で、資金調達やボランティア募集などの課題解決に向けて意欲を示しました。(発表者:五十嵐、市村、園田、藤原)
3. 愛知県立一宮北高等学校②
テーマ:孤育てについて
内容:産後うつやワンオペ育児(孤育て)が母親の心身や子どもの発達に与える影響に着目し、解決策を提案。睡眠不足や環境変化で孤立しがちな母親を支えるため、SNSやオンラインでの悩み共有、一時預かり等の外部支援の活用を挙げました。「子ども誰でも通園制度」などを紹介し、地域全体で子育てを支える仕組みづくりの必要性を訴えました。(発表者:井澤、小澤、徳田、田中、吉田)
4. 三重県立明野高等学校②
テーマ:地域文化について
内容:伊勢神宮や式年遷宮に伴う伝統行事「お木曳(おきひき)」などを題材に、地域の歴史と課題を提示しました。伊勢市における深刻な少子高齢化と人口減少により、数千年間続いてきた伝統行事の維持が困難になりつつある現状を指摘。解決策として他地域との連携や参加ハードルを下げる工夫を提案し、大学進学後も地域課題の解決策を模索したいと語りました。(発表者:藤原)
5. 東海学園高等学校
テーマ:人と環境が共に生きるまちづくり ~地域課題と合意形成から考える持続可能な地域の未来~
内容:報告では、持続可能なまちづくりには「課題発見力」「合意形成力」「諦めずやり抜く力」の3つが重要であると提言。再生可能エネルギー導入における地域課題の分析とともに、文化祭での苦い失敗と成功体験を交えて発表しました。合意形成とは互いの違いを理解し納得して協力し合う状態を作ることだと定義し、住民一人ひとりが当事者意識を持つ大切さを強調しました。(発表者:山田)
6. 愛知県立一宮北高等学校①
テーマ:現代の問題と向き合う 一宮市の取り組み
内容:地元・一宮市における福祉の取り組みについて「少子高齢化」「障害者支援」「高齢者介護」の3分野から調査結果を報告。障害者向けの移動支援や用具給付のほか、高齢者支援では地域包括支援センターなど支援者を支える体制も整っていることを紹介しました。一方で介護人材の不足や事業所の減少といった課題もが浮き彫りになったことも指摘しました。(発表者:春日井、水野、中野、佐竹)
7. 三重県立明野高等学校①
テーマ:高齢者への買い物支援
内容:過疎化と高齢化が進む地域における「買い物難民」問題をテーマに研究成果を発表。文献調査に加え、実際に公共交通機関を利用してスーパーへ向かう体験調査や住民インタビューを実施しました。移動販売や買い出し代行サービスは重宝されているものの課題もあり、買い物は生活の質や自己決定権の尊重に直結していると考察しました。(発表者:木下)
8. 愛知県立宝陵高等学校
テーマ:問いから始まる地域課題探究 ~話し合いから導き出した、私たちのリアルな視点~
内容:地域の課題についてブレインストーミングやKJ法を活用して分析を行い、根幹にある問題は「少子高齢化による人口減少」であると結論づけました。特に介護や医療現場における人手不足は、福祉サービスの質や継続性に深刻な影響を与える最大の課題であると指摘。今後は人手不足の解消に向けた具体的な解決策を探究していくと発表しました。(発表者:石田、谷山、渡邊)
9. 愛知県立一宮北高等学校③
テーマ:高齢者のレクリエーション
内容:特別養護老人ホームの要介護度の高い高齢者を対象としたレクリエーション企画を提案。指先の運動や認知機能の維持を目的とした「ちぎり絵」と、チームプレイによる交流や判断力向上を狙った「色分けゲーム」の2案を紹介しました。施設利用者の状況に合わせた難易度調整の工夫を説明し、会場の参加者にアドバイスを求めました。(発表者:髙山、中野、鬼頭、松井)
第2部:大学生の学び紹介
日本福祉大学社会福祉学部2年生の学生5名が、自身の出身高校(普通科・総合学科・福祉科)での体験を踏まえ、「―私たちの考える―高校と大学での学びの違い」について発表を行いました。
高校での学びが「決められた場所での知識や資格の習得」「高校卒業を目指すもの」であったのに対し、大学での学びは「自主性・自立性」「多様な人との関わり」「専門性の深化」「思考力・探究力」の4つの要素が連動して自分自身を成長させるプロセスであると説明。履修登録をはじめとする時間管理を自ら行い、課題の表面的な対策だけでなく「なぜその問題が起きているのか」という背景や原因を探究する学びへ変化すると語りました。また、広大なフィールドやゼミ活動を通じて視野を広げ、自らの考えや生き方を創造していくことこそが大学での学びの大きな魅力であると、高校生に向けて熱いメッセージを送りました。
第3部:フィードバック&交流
発表を行った9つの高校生グループに、大学教員、高校教員、大学生がそれぞれ加わりグループワークを実施しました。
「今後さらに探究を深められる視点」や「次の一歩につながる具体的な行動案」をキーワードに、活発なアドバイスや意見交換が行われ、立場を超えた深い交流の場となりました。
奨励賞授与
原田学長より、発表を行った9グループ全てに「日本福祉大学ふくし探究学習奨励賞」の賞状授与を行いました。
閉会挨拶
文部科学省の辻本智加子教科調査官より、講評を兼ねた閉会の挨拶が述べられました。
「直近に発生した地震災害等を踏まえ、実習中も避難経路を確認するなど、利用者の皆様はもちろんのこと、生徒の皆さん自身の身の安全も常に確保する意識を持って行動していただきたいと思います。
本日の発表では、身近な課題を見過ごさず『なぜ』『どう改善するか』を探究し続ける皆さんの素晴らしい姿勢を実感いたしました。高校生と大学生による対話を通して新たな視点や気づきを得て、答えのない問いに対して協働し、新たな価値や答えを創造していく力は今後ますます重要になります。
今回の交流で生まれた新たな問いや意欲をぜひ実際の行動に移し、次回までにさらに学びを深めていかれることを強く期待しております。」
最後に参加者揃っての記念写真の撮影を行い、盛況のうちに終了となりました。


