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【開催レポート】第19回提携社会福祉法人サミットを開催

レポート
2026年03月13日

 日本福祉大学と提携する全国14の社会福祉法人が集う「第19回提携社会福祉法人サミット」が、2026年2月21日から22日の2日間にわたり、名古屋ガーデンパレスおよびオンラインで開催されました。

 本年度は「福祉分野のサービス提供体制等のあり方を考える」をテーマに掲げ、人口減少社会を見据えた福祉人材の確保や地域共生社会の実現に向けて、政策、現場実践、研究の視点から議論が行われました。

政策動向と福祉人材確保をテーマに議論(1日目)

 初日は政策動向勉強会として開催され、本学学長の原田正樹による開会挨拶から始まりました。原田学長は、日本福祉大学と提携社会福祉法人によるこの取り組みが長年継続してきたことに触れ、福祉現場の実践や課題を共有しながら、大学と提携法人がともに学び合い、これからの社会福祉を考えていく場としての意義を述べました。

会場全体の様子
山﨑駿氏(厚生労働省 社会・援護局 福祉基盤課 課長補佐)

 基調講演では、厚生労働省 社会・援護局 福祉基盤課課長補佐の山﨑駿氏が登壇し、高齢者人口がピークを迎える2040年を見据えた福祉人材確保の政策動向について説明されました。処遇改善や生産性向上、外国人材の受入れなど国が進める施策の方向性が紹介されるとともに、都道府県を中心に関係機関が連携して人材確保を進める「人材確保プラットフォーム」の重要性が示されました。

提携法人による実践報告

 続くシンポジウムでは、本学福祉経営学部の綿祐二教授のコーディネートのもと、提携社会福祉法人による実践報告が行われました。

 社会福祉法人札幌慈啓会の蝦名真氏は、法人横断プロジェクトによる採用戦略の見直しについて紹介し、求人情報の改善やSNS活用などを進めた結果、入職退職比率が大きく改善した取り組みについて報告されました。

 社会福祉法人更生慈仁会の髙橋英樹氏は、若手職員で構成する「リクルート部」の活動を紹介し、学生に対して法人の実情も含めて率直に伝える姿勢が、入職後のミスマッチを防ぐことにつながっていると説明されました。

 また、社会福祉法人昭徳会の纐纈純司氏は、生産性向上を目的とした論理的思考研修の導入や、外国人材を専門職として共に働くパートナーと位置づけた職場づくりについて紹介され、心理的安全性を支えるメンター制度の重要性についても言及されました。

蝦名真氏(札幌慈啓会)
髙橋英樹氏(更生慈仁会)
纐纈純司氏(昭徳会)

シンポジウムの様子

 1日目の最後には、社会福祉法人天竜厚生会理事長の伊藤栄氏が閉会挨拶を行い、「なぜ社会福祉法人として福祉に取り組むのか」という問いを改めて職員と共有し、地域社会に向けて発信し続けていくことの大切さについて述べられました。

人口減少社会における地域共生社会の展望(2日目)

 2日目は合同研修会として開催され、人口減少社会における地域福祉のあり方や今後の制度改革の方向性について議論が行われました。

 講演では、厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課長の野﨑伸一氏が登壇し、社会福祉法改正の検討状況について説明がされました。全国一律の制度運用から地域の実情に応じた柔軟な仕組みへと転換していく必要性が示され、身寄りのない高齢者を支える新たな第2種社会福祉事業の創設や、介護・障害・子ども・生活困窮の4分野を一体的に支援する小規模自治体向けの包括支援の仕組みなどについての紹介がされました。

 また、重層的支援体制整備事業の背景にある「制度は現場の支援実態に従う」という考え方にも触れ、施設の枠にとどまらず地域へと広がる支援の重要性が語られました。講演後には原田学長との対談が行われ、地域共生社会とは単なる政策概念ではなく、誰もが社会とのつながりを持ちながら生きていける社会の姿であるということが改めて確認されました。

 また、社会福祉法人武蔵野会理事長の山田貴美氏からは、地域住民が主体となる地域づくりを法人が支える取り組みが紹介され、福祉が地域のさまざまな活動と結びつくことで地域社会を支える役割を果たしていくことへの期待が語られました。

野﨑伸一氏(厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課長)
対談の様子

 最後に、社会福祉法人仙台市社会事業協会会長の植木祐子氏が閉会挨拶を行いました。植木氏は、外国人材の育成が日本人職員の学びにもつながっていることや、施設内の「おもちゃ図書館」を拠点とした地域交流の取り組みなどを紹介しながら、日々の実践の積み重ねが地域共生社会の実現につながっていくとの思いを語り、2日間のサミットを締めくくりました。

 本サミットで共有された知見や議論は、日本福祉大学の教育・研究にも活かされるとともに、提携社会福祉法人による今後の福祉実践の発展につながることが期待されます。

提携社会福祉法人サミットについて

 提携社会福祉法人サミットは、日本福祉大学と全国の提携社会福祉法人が連携し、福祉現場の課題や実践を共有するとともに、これからの社会福祉のあり方について議論を深める場として開催されています。福祉の実践現場と大学の教育・研究を結びつけながら、相互に学び合い、新たな福祉実践の創出につなげていくことを目的としています。

 本学では、こうした取り組みを通じて、提携社会福祉法人とともに福祉人材の育成と地域福祉の発展に取り組んでいます。