2022年度パンフレット掲載

ちがった景色から実践に戻る

田中 由香里 さん

社会福祉法人:施設長

地域のソーシャルワーカーの協働を目指し、官・民・学が一緒になり試行錯誤しながら事例検討を重ねていました。「ソーシャルワークはよく研究すれば小さな仕事でないことも社会政策への貢献があることも理解される。理論の裏付けのない実践は、人を傷つけさえする。」と学び実践者となった私が、この実践の研究に取り組まないまま終わってよいのかと考えたことが大学院進学のきっかけでした。

院生生活は不安や焦りもありましたが、世代や専門の違う仲間や先輩、ご指導いただいた先生方との出会いと支え合いがあって論文を書き上げることができました。
そして「論文を書き上げることは大変だけれど、その先に必ず違った景色が見えるから頑張りましょう。」と最初に先生に言われた言葉の意味を実感しています。

皆さんも一歩を踏み出し、先生や仲間との対話の楽しさ、違った景色が見えた後の実践の見え方の違いをぜひ感じてください。

「探究」することの喜びを実感

原田 康信 さん

社会福祉士:本研究科研究生

私は、発達に特別なニーズをもつ子どもへの支援に従事してきました。そのなかで、とりわけ学校との関係に悩むケースを目の当たりにすることが多く、その課題解決に向けた方策について検討したいと思い、大学院への入学を志しました。大学院選択の際、以下の理由から本学を選びました。①働きながら、かつ遠方でも学べる通信課程であること。②研究したいテーマや関心時に照らし合わせ、著書等を調べた結果、指導を受けたいと思える先生が本学におられたことです。

入学後は、特講科目の課題に追われる日々で、同時に研究を進めていくことは至難の業でした。しかし、つねに先生が一緒に伴走してくださり、論文執筆の基本から指導していただきました。その過程で地道に「探究」する喜びを実感し、論文を書き上げることができました。現在は、研究生として在籍し、さらなる「探究」の日々を送っています。

大学院での「学び」と「つながり」で実践へ

松尾 彰 さん

社会福祉協議会:市社会福祉協議会

私は、20年以上社会福祉協議会で地域福祉を実践してきましたが、実践の中で生じる疑問に悩み、ここ数年モチベーションは低下していました。そこで、この状況を変えたいと考え大学院への入学を決めました。

しかし、何もわからない私は、入院初日のスクーリングから「とんでもないところにきてしまった」と後悔と今後への不安でいっぱいでした。また、途中からは、コロナの影響で楽しみにしていたスクーリングが無くなり、孤独で研究が辛い時期もありました。
そうした中でも、先生方の豊富な実務経験に裏打ちされた「学び」と、指導教授の丁寧な指導と温かい励まし、院生仲間との学び合い・励まし合いという「つながり」で乗り越えることができました。

今では、この大学院で得た「学び」と「つながり」が、私の地域福祉を実践していくうえでのモチベーションとなっています。今後は、この経験を同じように悩む同僚や専門職仲間にフィードバックできればと考えています。

新たな視点との出会い

諸岡 雅美 さん

社会福祉法人附属病院 言語聴覚士:本学研究生

私は言語聴覚士として特に脳損傷後の後遺症のある人の社会参加支援に取り組む中で感じてきた疑問を、社会福祉学の視点から研究したいと考え、大学院への入学を決めました。

医療専門職の私は社会福祉学の専門知識ほぼゼロからのスタートでした。そんな私を育ててくれたのは、ネット上を中心とした特講、演習、ゼミを担当する各分野のスペシャリストの先生方や、これらに参加する様々な現場で活躍する院生の方々との出会いでした。皆さんの書込みから沢山の知識を学べた上に、拙いながらも自分の研究に引き寄せて書込みや発言を試み、数々の示唆に富むコメントを頂けたことが、自分の研究を始め、育てる為の新しい視点を得ることに繋がりました。修了後も、コロナと在る今を実践と研究に生きる皆さんと共に、オンライン上で研究を継続できています。

私の専門分野での実践や知見と、社会福祉学の視点との出会いを支えて下さった全ての皆様に感謝しています。

2021年度パンフレット掲載

実践を活かした研究がしたい

長谷川 梓 さん

医療機関:医療ソーシャルワーカー

私はリハビリ病院のソーシャルワーカーとして実践を踏んできましたが、日々の実践の中で生じる疑問やジレンマを研究に繋げられればと思い、大学院への入学を決めました。

関東地域に在住している私ですが、遠方でもインターネット授業で様々な学びを得られるのは、通信教育システムの利点だと思います。更に、定期的に開催されるスクーリングが先生方や仲間と会える機会となり、毎回のスクーリングが楽しみでした。医療福祉分野しか知らない私にとって、他分野で活躍している仲間との出会いで、視野や見聞が広がったように思います。

指導教員の先生には、論文作成の基礎から教えていただきました。研究の進め方や分析方法も含めて熱心にご指導していただき、本当に感謝しています。研究を通じて、日々の実践では気づかなかったこと、医療機関で働くソーシャルワーカーにとって一番大切なものを学び得ることができました。大学院で得た知識や視点を今後の実践に活かしたいと考えています。

不安があるのは当たり前。チャレンジしてみませんか?

廣吉 敏明 さん

公務員:市役所健康福祉局

入学を検討されている方は、大きな期待と不安の間で葛藤されていることと思います。不安その①「忙しく時間が無い」。入学を志す方で暇な人はいません。時間が無いのはみんな同じです。自分のルーティンの中に、新たに研究のための時間を作りだしていくことが楽しいのです。(週単位・日単位の時間割の見直しが有効です。)不安その②「卒業できる自信が無い」。自信満々な人などいません。入学時の学力や経験は様々、研究は誰かと比べるものではありません。自分で決めた研究テーマを少しずつ2年間かけて練り上げていくのが楽しいのです。(途中で、テーマ設定からやり直す人もいますが。)

「時間が無い」と嘆く時、一緒に頑張っている同級生が励みになります。「自信が無い」と落ち込む時、信頼できる担当教官は心強いです。学びたい、研究したいと思った「その時」が、自分の研究の出発点。不安であればあるほど、待っているものは楽しいですよ。

質的研究への挑戦、そして原点回帰へ

松原 宏樹 さん

社会福祉法人:住宅事業部 部長

私は約25年、社会福祉法人にて高齢者福祉に携わっています。長年、認知症介護の問題に取り組んでいます。そのなかでも家族介護者を支援する活動を継続して行っています。

それぞれの家族が介護をどのように受けとめていくか、その後その人自身の人生においてどのような経験として影響を与えるか、これらの当事者視点からの研究を行うために大学院進学を決めました。お陰さまで、充実した二年間を過ごすことができました。調査協力者との出会い、大学院での仲間との出会い、論文指導してくださった先生方との出会いには感謝しています。これらの出会いがあったからこそ、最後まで諦めることなく修士論文を書き上げることができたと思っています。研究はひとりの想いだけでできるものではなく、周囲のたくさんの人たちの協力によって実現するものだとあらためて学ぶことができました。この経験は忘れることなく、これからの研究にも生かしていきたいと思っています。

「問題意識」から「問い」へ

南 紀子 さん

社会福祉士:本研究科研究生

ソーシャルワーカーとして実践現場で抱いた問題意識とともに入院しましたが、入院後はその問題意識が学問としての「問い」になり得るのかを見つめ直すことから始まりました。特講科目ではネット上で繰り広げられる院生仲間や先生方との議論から新たな視点や論の展開方法などを学び、自ら考え、論述するトレーニングを重ねました。

そうした経験を積み、改めて見つめ直した「問い」に対し、どのように論を展開していくのか、指導教授のご指導・助言を受けながら修士論文を完成することができました。家事・育児・仕事と大学院生活の同時進行は家族や職場の仲間の理解と応援、そして指導教授や院生仲間からの助言や励ましのおかげで乗り越えることができました。現在も研究を継続していますが、励まし合ってきた院生仲間は心強い同志です。

2020年度パンフレット掲載

新たな世界との出会い

井上 務 さん

本研究科研究生

人生100年時代と呼ばれるようになりました。私は社会福祉法人を定年退職後、生涯学習として大学院の門をくぐりました。入学して最初に感じたのは、学問の世界の崇高さと奥深さです。初めての研究は、小さな手漕ぎボートで、未知なる大海原に乗り出すような心細さを感じさせました。はたして自分でやれるのだろうか、そんな不安が胸をよぎりました。

しかし、それは杞憂にすぎませんでした。ともすれば孤独になりがちな通信教育を支えてくれたのは、懇切丁寧な教員の皆さんや、同じゼミのメンバーでした。特に論文指導の先生には、言葉の使い方から論文の章立てに至るまで、微に入り細をうがつご指導をいただきました。

人生の後半期に、知の探索という新たな世界と出会えたことは、まるで宝物を見つけたような喜びです。どうか皆さん、勇気をもって大学院に挑戦してください。そこにはきっと、あなたの人生を豊かにする「何か」が待っています。

素朴な疑問が研究のスタート

加藤 博子 さん

学校法人認可保育園 施設長、本研究科研究生

待機児童解消のために、新しい保育園が一気に増えていく現状は保育士不足という問題ももたらしました。同時に実はリーダーである園長も足りない現実を目の当たりにしたことから「園長職に関する研究がしたい」と思ったことが入学のきっかけです。

1年次の特講科目は、教員と院生仲間とのインターネット上での課題やりとりで、それぞれの専門職の意見が交わされて、大変興味深く、学びの醍醐味を感じました。真夜中や早朝に書き込むことがほとんどでしたが、全国で学ぶ院生仲間たちとのアクティブラーニングの場でもあり、決して一人ではないことも実感できました。結果、それらが相互的に作用し、2年次では、指導教官、事務局スタッフ、院生の仲間と共に書き上げた論文という気持ちとなりました。働きながら時間のやりくりをするメリットがそこにあると思います。

園長視点から申しますと、子育て中の院生も数多くいらっしゃって、子どもに頑張っている姿を見せることは、大きな意義があるのではないでしょうか。現在も「最終学歴」ではなく、「最新学習歴」を更新しております。

実践と政策の循環を学ぶために

猿渡 進平 さん

医療機関:ソーシャルワーカー

私の入学の動機は2点あります。まず、1点目については「後進の育成」です。現在の職場に入社し17年が過ぎました。入職時は職場初のソーシャルワーカーでしたが、今では後輩も多くなりました。そのような中、「実践の言語化」、または「理論的に伝える」ことの難しさを感じていました。2点目については「自らの成長」です。日本福祉大学の先生方は、国レベルの審議会や全国規模の講演会にも多数登壇されています。先生方の御力を頂戴し、政策と実践の整理を行い、自らの成長を遂げたいと考えたからです。

実際に入院し、学びながら研究をすることは大変でしたが、次第に気の合う仲間が増え、一気に駆け抜けることができました。これからは、大学院で得た学び、そして仲間を糧に様々な仕事に挑戦していきたいと考えています。

「研究する」を学ぶ

福定 正城 さん

医療機関:介護支援専門員

私は介護支援専門員として、高齢者と未婚の子が同居する「8050」と呼ばれる世帯を担当していました。そして、この世帯への有効な手立てを模索したいというぼんやりとした問題意識を持ち、大学院に入学しました。

入学後は、先生方に研究のいろはや研究に関する困難克服のための具体的な方策まで丁寧に教えていただきました。それにより、世帯の問題実態を明確化することで、私のぼんやりとした問題意識を研究へと少しずつ昇華させていきました。この研究の過程は苦しくも楽しい作業であり、その支えとなったのは先生方と同窓の仲間たちでした。

大学院を修了した現在は、入学する前とは違った景色が見えるようになったと感じています。大学院で学び完成させた研究を足掛かりに、今後も地域で生じる多様な世帯の課題に対し研究を展開していきたいと考えています。

2019年度パンフレット掲載

学びと研究の旅のはじまり

梅本 政隆 さん

公務員(地域福祉分野):事務職

私の入学の動機は、行政職員として、介護現場や地域で起きていることを制度や施策に反映させ、運用していくことが求められるなか、目の前の事象を正確にとらえ、分析する視点と能力を身に付けたいと思ったことです。仕事で居住支援や空き家活用等に携わったことがきっかけで、空き家活用と地域交流拠点の関係を研究テーマにしました。

仕事をしながら学び、研究することは、マネジメントがとても大変(とくに家庭!)で、2年目は常に頭の片隅で研究のことを考えている状態でした。そのおかげか、研究マインドを得ることができた(常に意識できているわけではありませんが)のは、大きな財産です。研究は社会の役に立つことが重要だと教わりましたが、振り返ると、私にとっては同じくらいの割合で自分の成長のためでもありました。これからは、大学院での学びを仕事(現在は地域福祉)に活かして、住民のために頑張りたいと思います。

ミクロとメゾ領域の支援を知る

石田 優子 さん

教育機関:スクールソーシャルワーカー:本研究科研究生

障害者、高齢者分野を経て、児童分野であるスクールソーシャルワーカーに転身した頃、ミクロとメゾ領域をまたぐ支援方法について全く理解できていない事に気付かされ、大学院へ行こうと決心しました。

入院後、論文の書き方が分からず、本大学院図書館や国会図書館にも行き、スクールソーシャルワークに関する論文や研究がたくさんあることを知りました。その後、指導教員から論文の書き方、論旨や研究目的などを教えてもらい、多くの理論や研究方法を学びました。また、ソーシャルワーカーとして、倫理価値、知識、技術をおさえ、支援のプロセスやアプローチ、直接的支援と間接的支援などを学び、本研究を通してミクロとメゾ領域をまたぐ支援方法について理解する事が出来ました。

その他2年間の学びの中では、恩師やその他多くの先生方、ゼミの仲間や同期院生との出会いがありました。皆様にたくさん声をかけてもらい、支えられ、とても励みになりました。修了後も研究生の道を歩むこととなり、今後は学んだことを実践に活かし、常に自己研鑽に励み、何事にも挑戦し続ける自分でありたいと考えております。

勇気と覚悟をもって大学院へ

住田 敦子 さん

特定非営利活動法人:センター長

通信制大学院での学びは自分との闘いでもありますが、共に頑張り苦しみを共有できる仲間と、あたたかく励まして下さる教授や大学院事務の方々のおかげで修了することが出来ました。1年時は悠長に香港旅行の予定を入れていたため、飛行機内やホテルで課題レポートに追われていたことも今では笑い話です。

研究テーマは成年後見制度における代行決定の課題にこだわっていましたが、教授の指導によりメゾレベルへの視野の広がり、また自らの立ち位置や社会情勢の動き等から成年後見センター論としてまとめることができました。その後、研究成果をもとに全国での報告の機会等を得られ各地の自治体等から問い合わせを頂くようになりました。さらに国の会議に参加する道が開かれるなど、入学前は想像もしていなかったことが導かれるように起こりました。

勇気と覚悟をもって大学院にチャレンジしたことで新しい人生の展開が広がりました。

仲間と共に研究道を歩む

奈良 修三 さん

社会福祉法人(高齢者分野):施設長:本研究科研究生

入学の動機はボケ防止と実践の理論化でした。最初のオリエンテーションで科長の先生が皆さんは高いお金を出して苦労を買いに来たと言われ、それが入学してから現実となりました。還暦過ぎての入学で夜の学習はとても出来ないので毎朝3時起きでした。何教科もある特講を1週間単位で課題を読みこなしコメントするのは大変でした。学びとしては課題を論証することがいかに大変かを学ぶことが出来ました。特講科目をこなすことで視野が広がり論文に繋がったと思います。素晴らしかったことは仲間の存在です。仲間なくして修了はできなかったと思います。働きながら分野も年齢も違う仲間達の支え合いがあればこそでした。修了後は論文を実践に活かす活動を展開しています。入学を考えておられる方々は研究、学習は元より得難い仲間を得ることができるのではないかと思います。足を一歩踏み出すことで良かったと思う経験が出来ると思いますので期待しています。

2018年度パンフレット掲載

新たな世界へのトビラ

岡本 周佳 さん

児童相談所(嘱託):本学博士課程院生

私は、大学卒業後、おもに児童福祉分野の仕事に携わってきました。その中で生まれた、「社会福祉とは何か」という問い。自身の研究テーマを通してこの問いに向き合うことができないだろうか。大学院の入学動機の1つには、このような想いがありました。

また、学部時代から続けてきた膨大な史資料の整理から見えてきたことをきちんと形にしたいという想いもあり、大学院入学を決めました。働きながらの学生生活は決して楽ではありませんでしたが、ともに学びあえる仲間、素晴らしい恩師や先生方との出会いに恵まれ、何にも代えがたい2年間を過ごせました。何より、これまで理解を得難かった自身の研究テーマを肯定的に受け入れて頂けたことが本当に嬉しいことでした。

大学院での学びを通じ、社会福祉の歴史研究は、社会福祉の根幹を追及する上で非常に大きな手掛かりになるのではないかと感じるようになりました。今後は、博士課程で研究を深め、論じる力を磨いていきたいと考えています。

当事者として研究を

小森 淳子 さん

大学相談センター:本研究科研究生

子育てをしながら、障害当事者として女性障害者問題について講演・執筆活動をしてきましたが、夢に向かって自立していく子どもたちの姿に刺激され、学部卒業時に院に行きたかったことを思い出し入学を決めました。

研究としては、執筆してきた著書を基に、同じように子育てしてきた当事者にインタビュー調査をし、根拠ある一つの見解を提示することができました。当事者の視点から実証する方法を学び得たような気がします。勉強不足のまま入学したので、特講科目も論文も大変でしたが、厳しくもあたたかい先生方のご指導のもと、同期の仲間とレポートを見せ合ったり励まし合ったりしながら、学び合えたことは今でも楽しい思い出です。

二年間を通して、当事者として研究に携わることの意味の大きさを認識し、今も新しい研究に取り組んでいます。当事者による当事者のための研究が今後いっそう有用性を持つことを確信しつつ、多くの方々がチャレンジされることを心から期待しています。

疑問を解明するための学び

内野 寿人 さん

社会福祉法人(高齢者分野):施設長

大学院で接することができた教授の方々は、その言動全てが具体的で論拠が明らかであり、教授自身の中で熟成された言葉であることを感じ、納得が得られ気持ちの良い学習ができました。スクーリングや論文指導を受ける為に名古屋へ行くことで、理事会や地域行事への不参加、トラブル発生時に職場不在など施設の責任者として葛藤がありましたが、リスクを乗り越えて得たものは大きかったです。

謙虚さを保持しながら恐れず批判的に物事を見る実践の繰り返しにて、結果的に学習や研究が進み自分を高め、職場においても理論を言語化し説明することが可能となり、自信を持って業務にあたれるようになりました。仮説を立て、資料を検索し自分で調査し、議論し結果を文章に纏めるという一連の流れを実習することで、論理的な思考の進め方が少しですが身に付けることができ今後に繋がると感じています。

大学院での学び ~その先にあるもの~

友永 美帆 さん

教育機関:大学専任助手

私は高齢者施設での実務経験を経て、社会福祉士を養成する大学で実習教育に携わっています。いかに言語化し根拠に基づいて論理的に伝えられるか、その力を養い、研究方法を身に付けるために大学院へ進学しました。

研究を進める上で自問自答を繰り返し、何度も研究計画を練り直しているなか、指導教授は私の迷いに寄り添いながら丁寧に指導してくださり、複合的な視点で整理することや発信力を身につけることができました。

通信課程は全国から集まり、様々な方との出会いが自分自身の視野を広げてくれます。仕事と家事、育児を両立しながら大学院へ進学することは勇気がいることでしたが、通信課程は時間に制約されずにできるので自分次第で両立が可能になります。そして、何より先生方のご指導と励まし合う仲間の存在があることで、困難を乗り越えることができました。大学院での学びはかけがえのないものです。ぜひ、チャレンジしてみてください。

一歩の重み

森口 はるな さん

医療機関:医療ソーシャルワーカー

MSWとして研究機関でもある大学病院に所属していながら一切研究に手を付けていない自分に焦りを感じ、大学院への進学を決めました。他の院生と違い研究も論文の執筆もほぼ初めてでしたが、先生方の丹念なご指導と全国から集まった熱心な院生の姿に鼓舞され無事に修了することができました。

修士課程の2年間は、医療現場で多用されている用語に焦点をあて、特に論文の構成や展開、そして社会的意義をもつ学術論文としての価値をいかに見出していくかという点を重点的に意識し、修了後は研究生として2年の過程を深めることもでき、有意義な3年間であったと振り返ることができます。修了した今は、今後も現場で根拠ある実践を行っていく為に新たな研究活動に向けて日々課題を探索中です。

今進学を検討されている皆様、思い切って一歩を踏み出すとそこには進学なくしては出会えない先生方や同志たちの熱意できらきらした世界が待っています、きっと。

2017年度パンフレット掲載

理論と実践をつなぐ

鈴木 俊文 さん

大学講師:本学博士課程院生

私は介護施設で実務経験を重ねた後、介護福祉士養成を主務とする専門学校教員となったことを契機に大学院に進学しました。教育者として、机上の空論とならないよう、リアリティのある実践の「説明言語」と、学問上の「理論」をつなぎ合わせた教育を展開したいと考えたからです。

通信課程は時間に制約されずに学習に臨めることが最大の利点ですが、このウェブ上での書き込みを中心にした学習が、研究力を育む最も大きな経験であったと感じています。他者の意見や文献の引用と照らしながら、自分の意見を文章化していくこと。これは、研究活動そのものであり、この積み重ねが、理論と実践をつなぐ思考過程と説明言語の獲得につながっていったと実感しています。

現在は大学教員となり博士課程に進学しました。研究活動も「現場における実践研究」から、「実践研究を現場に活かす研究」へと変化しています。このような研究活動の変化と共に巡り合える、様々な先生方や人々との出会いも大きな財産です。

踏み出した一歩

山本 綾子 さん

医療機関:精神保健福祉士:本研究科研究生

実践の根拠を示したい…。これが私の大学院への入学動機でした。これまで学会等でここ数年取り組んでいる実践の報告をしてきました。しかし、そこで指摘されたのは「いい実践だけど、本当に効果があるの?根拠はあるの?」ということでした。大学院進学への希望はずっとあったのですが、このことをきっかけに「よし!それなら根拠を示してみせる!」と一念発起しました。入学後は、時に揺れそうになることもありましたが、先生方のご指導や支えのおかげで、自分が明らかにしたかったテーマを研究することができました。そして、実践の積み重ねがあったからこそできた研究でした。

実践と研究が繋がり、そこから得られた知見をまた実践に還す。この繋がりに気付いた時、私の目の前にひとつの道が広がりました。恩師から大学院進学前にいただいた「科学すると実践力も変わります」という言葉の一端に触れた瞬間でした。

修士論文を執筆するにあたり、苦しみも大変だったこともありましたが、不思議と大変だったことは忘れました。後に残ったのは研究の楽しさです。だからこそ、修士論文でテーマとした研究を、苦しいこともありますが、これからも続けていきたいと思っています。“自分が何を明らかにしたいのか。”これを胸に、皆さんどうぞ一歩踏み出してみてください

学びと実践の楽しさ

山﨑 まどか さん

医療機関:医療ソーシャルワーカー:本研究科研究生

「クライエントの自己実現のために、実践力を高めると同時に、地域のシステムづくりに貢献できるようになりたい」。進学を考えたのは、MSWとして10年目を迎える頃でした。今、皆さんはどのような想いで大学院案内を手にされているでしょうか。

進学後、研究の問いづくりの作業を丁寧に学び、先生方のご指導や院生同士の意見交換等を通して進めることができました。テーマは、食支援を事例にした地域ネットワークの形成プロセス(アクションリサーチ)で、病院組織の枠組みを超えて新たな人と出会い、様々な価値に触れ、人と人を繋ぎともに創造していくことの楽しさを感じました。また、状況を構造的に捉えることで、クライエントや組織・地域への理解が深まり、発信力も身に付いてきたと思います。

最近は、院内や地域機関の方々から意見を求められる機会も増えました。研究生として、MSWが地域活動を行う意味や可能性を考え研究を続けています。

現場からの科学的提起力を!

福間 勉 さん

公益社団法人(高齢者福祉分野):参事

私は、民間福祉団体に40数年籍を置き、福祉施設の整備から地域・在宅福祉の充実、福祉人材の育成と確保、そして介護保険制度などによる準自由市場の登場など、その時々の福祉制度の充実と改革に間接的に関わってきました。

私が大切にしてきたことは、サービスを担う社会福祉法人(施設)関係者が代弁する当事者の声、現場のニーズに則しているかという視点です。そして今、地域包括ケア云々といわれる今日の社会福祉制度が、現実の様々な生活実態と大きくかい離しているように思えてなりません。そこで、「我が福祉人生を総括し、これからの課題を後輩たちに提起していくことが自分の最期の役割ではないか」と、本大学院の門を叩きました。

実践的かつ真摯な講義と仲間たちの現場を背負った議論にたくさんの刺激をいただき、福祉現場での様々な問題意識をいかに科学化するか、調査研究プロセスをどこまで論理化するか、その難しさと大切さを学びました。

根拠に基づく支援のために

檜垣 道隆 さん

障害者支援施設:支援員・相談支援専門員:本研究科研究生

福祉実践において、「経験則や感覚的な視点」ではなく「科学的・客観的根拠に基づいた視点」から支援を構築すべきことは、広く謳われていることと思います。私自身、これを常に心がけて現場実践に臨んできましたが、根拠に基づく支援の構築や共有を「組織レベル」で図る上で困難を経験し、「現状を打開していくために、私自身に何ができるのか」を明らかにしたいと考えたことから大学院を志しました。

大学院入学後、学習・仕事・家庭等それぞれを成立させていく難しさはありながらも、世代や立場を越えて出会えた仲間と思いを共有し、励まし合えたことは大きなモチベーション、財産となりました。研究や論文執筆とは無縁だった私でしたが、先生方には実践上の問題意識を肯定的に丁寧に紐解いていただき、論文執筆のためだけではない、生涯活用し得る「学びの深め方」を教示いただいたように思います。

大学院進学を検討されている皆様が持つ「問題意識」には大きな価値があり、ここには、それらを共感し、解決へと導くための出会いがあります。ぜひチャレンジしていただけたらと思います。

福祉的な視点の養いと新たなスタート

柴田 敦子 さん
独立行政法人(国際協力分野):企画調査員:

本学履修証明プログラム履修生

福祉の仕事に携わった経験のない私が本学大学院で社会福祉を学んだことを、多くの方は不思議に感じるかもしれません。しかし、これまでの途上国とされる国々での開発業務の中で大きな格差や貧困を目の当たりにし、もっと福祉的視点が開発に必要ではないのか?と感じていたこと、また先進国と言われる日本でも格差や貧困が存在し、福祉制度の不全が指摘されている中で、日本の現状にも目を向ける必要があると思ったこと、これらが動機となって大学院進学を決意しました。

フィールドを持たない状況と修士論文の性産業に従事する女性というテーマは、特に調査において難しいと感じる場面が多々ありましたが、指導教員の丁寧な導きと、多くの先生方のアドバイスによって、これらの困難を乗り越え、研究に没頭することができました。現在は本大学の実施する「地域再生のための福祉開発マネジャー養成プログラム」に参加し、これから向かう途上国の現場で、多様な福祉的視点を持ちながら開発業務に取り組めるよう、学び続けています。

社会福祉とは、それを利用する人やそこに従事する人々だけのものにとどまらず、すべての人に関連のあるものです。そして大学院は多くのものを発見し、得られる場であると思います。どうぞ思い切って一歩を踏み出してみてくださいね。

2016年度パンフレット掲載

前進し続けるためのブレイクスルー

鳥巣 佳子 さん

本学博士課程在学中:大学教員

利用者ニーズと制度のずれに感じた矛盾を発信したいと初めて学会発表をしたときに、根拠のある実践と研究の必要性を質疑応答で助言くださった先生に学びたいと本学大学院への進学を決意しました。大学院は、仕事と学業の両立を共に励まし合い実践を語り合える全国の仲間との出会いの場でもありました。先生方には実践に根ざした問題意識の大切さと同時に、ミクロな視点をメゾ・マクロな視点に広げて問題の本質を探究することの大切さを修士論文の執筆を通じて教えていただきました。

修了後は、困難な状況にある人に寄り添い続けて尊厳を守りたいという実践の柱を揺るがせず、医療チームや関係機関との連携に医療ソーシャルワーカーとして自信をもって取り組めるようになりました。指導教員はその後も研究生として学ぶ機会を与えてくださり、現在の職場への転身も励ましてくださいました。

今は博士課程に入院し、現場で取り組んできた当事者主体のソーシャルワークについて研究を始めています。現場で活躍する皆さんにとって、論理的に実践を行う手段として大学院での学びは大きな力になります。現状を突破するきっかけをぜひつかんでください。

こころの火種

栗原 和義 さん

障害者支援施設:管理者

現場実践を通しての多くの学びは、かけがえのない蓄積です。ただ、実践を重ねれば重ねるほど、得られたものと同じくらい「何か忘れ物をしている」かのような不思議な感覚にとらわれ多様な価値観を求めて大学院という未知の学びに踏み入りました。

「なぜ学ぶのか」という問いと常に対峙しながら、「かりそめの安泰に満足し、身の程をわきまえ、この無知で世間知らずで何の役にも立たぬ自身のまま生きるなどご免である。」との思いが根底に渦巻いていたと思います。30年近い現場実践知と研究と言う広汎な深みをもつ客観的な科学的視点との融合を意識しながら、多くの方々と出逢い、議論し、共に学び、支えて頂いた成果は、今も障がいをお持ちの方々の「人生に寄り添う支援」に活かされ、息づいている実感があります。

院の修了は新たな学びの一歩であり、「自身がすべきことを知るために学ぶ」ことを学んだ大学院での軌跡を心に刻み込んでいます。皆さんの思いや叫びをストレートに表現しましょう。それらを受け止め共感できる絆がここには集っているのですから。

「感覚と経験の視点」から「論理的視点」へ

安藤 良二 さん

特別養護老人ホーム:生活相談員

「福祉の仕事に携わって思うことは、「日本の高齢化は進んでいるのに福祉は遅れている」ということです。措置制度から介護保険制度に変わり、一見、高齢者福祉は良くなったように見えますが、システムと同じ位重要な人材についても、課題が山積しています。世間では人材確保の為の待遇改善を声高に訴えていますが、もう一つ無視できないのが人材の質の問題です。

斯く言う私も、仕事を始めた頃は「感覚と経験」で事足りると考えていました。しかし、仕事の中で様々な矛盾を感じるようになると、「感覚と経験」だけでは説明がつかないことがたくさんあることに気づきました。物事には必ず理由があり、高齢者や家族の発言や行動にも理由があります。それを裏付ける根拠を明らかにし、論理的に説明する方法を学ぶことができたのが、大学院です。

仕事と勉強の両立は不安でしたが、教員の皆様の丁寧な指導と家族の支えで修了することができました。皆さんも大学院での学びを通じて、視野を広めてみてください。

複眼的な視点から福祉を考える場

工藤 一恵 さん

本学研究生:保健師

私は、これまで、行政機関で精神障害者の相談支援並びに施策立案に携わってきました。その際、絶えず心掛けてきたことは、「精神障害者のニーズを尊重した支援」でした。一方で、ニーズに即した支援ができているのか、自問自答すると共に、自身の解決すべき課題になっていました。

この課題解決に向け、大学院では、精神障害者の支援に係る歴史的背景や政策の変遷を振り返ると共に、支援者が用いる「ニーズ理解に資する技術」を複眼的な視点から分析を行いました。さらに、指導教官との日々のメールや対面指導におけるディスカッションを通じ、新たな気づきや示唆も得ることができました。修了後は、研究生として精神障害者の支援に関する研究を続けながら、未来の精神保健福祉活動を担う学生の教育にも微力ながら携わっています。

大学院は、日々の疑問を幅広い視点で解決できる場であると思います。新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。