在院生の声

I.Iさん

 平成27年9月16日より公認心理師法が公布され、心理に対する世間の関心は高まっており、私もその一部として、「心理での学びを通して児童と関わり支援したい」という気持ちを胸に、大学院で学ぶことを決心しました。入った当時は、不安が強く実習や修士論文などやらなければならないことが山積みでした。しかし、先生方のフォローや仲間たちの励ましをいただいて、乗り越えていく場面が多かったように思います。大学時代では、自ら先生に話をさせていただく機会は少なかったですが、大学院では助言をいただきに行ったり、実習での事を報告したりさまざま関わる機会が増えていくように感じます。また、発表や討論の中で、発表者として前に出る機会も多くあると思いますが、大学院という守られた枠の中で討論や発表をできる機会は貴重で、発表や討論の場面に慣れる事や討論の中で得られる知見に勝るものはないように思います。講義では、学部までは大人数で受けていた講義から少人数で学ぶ講義形式で、一人一人が考える機会があって、積極的に学んでいける環境で、先生もフォローをしてくださり楽しく学べています。講義の内容も学部とは一味違って、深く踏み込んでいく学びが多く、「自らを知る事」も多くあるように思います。

M.Mさん

 私は高校の頃に心理士を目指しました。しかし、大学でいざ心理学を学ぶと、なにか苦しさを感じ、半端な気持ちではできない学問だと感じました。結果、心理士ではない仕事に就きました。人生が折り返しの時期になり、仕事も生活も整ってきた頃、心理学をもう一度きちんと勉強したいと思うようになりました。志望は日本福祉大学大学院一択。憧れの大学院だったからです。
 運よく合格し、浮かれて入学すると、大学院はとにかく大変でした。体もしんどい、心もしんどい、脳はパンクしそうという時期もありました。また、学部の時に感じた苦しさが再び感じられるようになりました。しかし、ここでは先生がしっかり守ってくださいました。先生の守りの中で自分が自分と向き合い、成長していくのを感じることができました。また、同期にも支えられました。授業を通して分かる同期の人柄や考え方に惹かれ、固い絆もできました。さらに、ここでは学問だけでなく、自分が自分らしく生きる術も身に付けられたと感じます。
 入学してよかった。ここで得たものを考えると、ここに入らなかった人生は考えられないし、今となっては卒業したくない気持ちもあります。残りの時間を大切に過ごしたいです。

修了生の声

M.Kさん

 大学院在籍中は、日中は他大学の学生相談部門で働き、修了後臨床心理士の資格を取得したあとは精神障害を持つ方の福祉施設で支援員として働いています。
 私自身、不登校の経験があり心理領域の仕事に就くのが夢でした。しかし同時に大学院に入るまでは”カウンセリング”や”臨床心理学”の知識や支援の在り方に「本当にそれで困っている人に十分な支援ができるのか?」と懐疑的だったことを今でも覚えています。
 それが今では、支援する上で絶対にそれらの知識や支援の在り方を学んでおいた方が良いと言い切れるまでになったのは、大学院在籍中に得た学びのおかげです。先生方からのご指導のおかげであるというのは言うに及ばず、学内、学外での豊富な実習体験や夜間制であるということを生かして昼間に心理・福祉領域での仕事に触れることができる点なども本大学院の強みだと思っています。
 また、大学を出て大学院に進学した方だけでなく、既に何らかの対人援助職に就かれている社会人入学の方も多いという点も強みであったと思います。そうした方々を交えてより実践に近い内容での議論ができたことが大きな学びとなりました。

S.Mさん

 私は、人生半ばで「他人と過去は変えられないが自分と未来は変えられる」(Eric Berne)の言葉をお守りに、仕事を続けながら心理士を目指そうと決意しました。不安に思っていた修士論文も、指導して下さった先生のおかげで、論文執筆の基礎から教えて頂き、質的研究法で書くことができました。
 現在、私はスクールカウンセラーをしています。毎回様々な相談が持ち込まれてきます。発達の悩みや不登校等、似ていても同じ事例はありません。勉強の日々です。時には対応に難しいケースもあります。卒業後、他機関でスーパービジョンは受けていますが「もし院のカンファレンスだったら、このケースについて先生方は何とおっしゃるだろう?」と考えることが今でもしばしばあります。
 まだまだ未熟です。院で先生方が話されていたように、資格を得たからといって一人前の心理士になれたとはとても言えません。ですが、このように深く真摯に取り組める心理の世界に、生涯かけて参加できるようになったことを心から嬉しく思います。これからも自己研鑽に励み、先生方やお世話になった実習先の先輩のような、自分が思い描いていた心理士のイメージに、少しずつでも近づきたいと考えています。