
社会福祉士
「人が暮らしやすい街づくり」。
それが「ふくし」の
めざすところだと信じて。
塩尻市社会福祉協議会
塩尻市ふれあいセンター広丘
新井 佑哉さん
社会福祉学部2018年3月卒業
長野県 塩尻志学館高等学校出身
「福祉」の仕事は
無くならない。
現代は、さまざまな仕事が現れたり消えたりする、変化の激しい社会です。僕も不景気で仕事を無くした大人を間近に見たことがあります。しかし高校生の頃、「福祉」というのは人間を相手にしているから、決して無くならないのではないかと思うようになりました。 とはいっても大学に入るまで、「福祉」についての深い理解や知識があったわけではありません。私にとって、それは「ご高齢の方のお世話」というイメージでした。しかし、大学で学ぶうち、高齢者、障害者、貧困など、福祉がカバーしているどのような分野でも、それぞれに理論と歴史があることに気づかされました。そこをしっかり学ぶことが私にとっての大学の4年間でした。

当たり前を疑うところから
「学び」がはじまる。
大学では障害者支援のサークルに参加していました。ここでさまざまな方たちと出会いました。それはリアルに「福祉」を必要としている方たちとの出会いでした。実際に社会に出て、この仕事を始めた時、その体験が大きく生きてきました。また3年次からのゼミでは学生が自分で気になっていることをテーマに選び、それを自ら調べていくという形式でした。たとえば、日本の家族制度ではまだまだ男性が外で働き、女性が家のことをやる、そんなことが当たり前になっているし、僕自身もかつてはそう思っていたところがあります。でも、そんな当たり前を疑うことから始める必要がある、そこに学びがあるんですね。

無関心な人を
少しでも減らしていきたい。
私の今の仕事は一言でいうと「地域福祉」ということになります。地域で何かしら困難を抱えているケースの解決にあたっています。困窮している方、外国人の方など、一つひとつ話を聞いて、どうしたいのか、どうしていくのかを一緒に考えます。あるいは仕事が見つからないお母さんがいて、実はそのお母さんは認知症のおばあちゃんを抱えているというような複合的なケースの場合、これも課題を一つひとつひも解いて、関連する機関、組織につなげていくというようなことが仕事です。 今、私にとっての課題は、格差や貧困、社会のひずみ、そういうことに無関心な人たちに、どうしたら気づいてもらえるか、ということ。一人でも多く意識を持った人を増やしていく、それが最終的に地域福祉の目的である「人が暮らしやすい街づくり」につながっていくと信じています。
