スクールソーシャルワーカー
スクールソーシャルワーカーの
捉えている問題は地域の問題であり、
社会全体の問題でもあります。
武豊町学校教育課
三宅 穂菜美さん
社会福祉学部2018年3月卒業
岐阜県 各務野高等学校出身
「子どもの周囲への
視点と支援。
高校では福祉科の保育コースで学びました。保育士になるつもりでした。そのとき、実習がたくさんあったのですが、児童館で実習していたときのことです。あるお母さんが高校生の私に、「この子、発達大丈夫ですか」「ちゃんと育っていますか」と聞いてきたんです。もちろん当時の私に「発達」なんて分かりません。しかし、高校生の私にも思わず相談してしまうそのお母さんの状況を考えると、やりきれない思いがしました。子どもが好きだったし、子どもと関わる仕事がしたいと思っていましたが、「子どもの幸せ」を考えたとき、親や家庭など子どもの周囲に対する視点と支援が必要なのではないかと思うようになったんです。 それから私のやりたいことは、きっといろいろな知識や技術が必要なんだろうな、と考えるようになり、「保育」ではなく、さまざまなことが学べそうな「福祉」を選びました。
スクールソーシャルワーカー
という仕事。
大学で学ぶうち、「福祉」の基盤は「地域」にあるんだな、と思うようになりました。地域があって、そこに子どももいて、家庭もあり、学校や保育園があり、さまざまな人がその回りにいる、というような。その内、スクールソーシャルワーカーという職業を知りました。私で大丈夫かなと思いながら、この仕事に飛び込みましたが、今は6校の小・中学校を担当しています。不登校や虐待などの問題に対して、学校や家庭を訪問し、先生や子ども、家族にお会いし、情報を収集・分析して、解決すべき課題を明確にします。子どもを取り巻く環境にアプローチして、起きている現象を改善する、それが私の使命です。
これからもずっと
社会の問題として
考え続ける。
私がつらくなるときは、きっと子どもがつらいと思うとき。私が泣きたいときは、それ以上に子どもが泣きたいと思っているはず。だから、つらいことが多い仕事です。でも、学校を訪問すると、「あの子登校してきたよ」とか「遅刻しなかったよ」とか。あるいはいじめに苦しんでいる子と関わったとき、「助けてくれる大人がいると思わなかった」と言ってくれたりしたとき。もちろんそれですべての問題が解決したわけではありません。それでも子どもの笑顔を見ることができると、この仕事をやっていて良かったと思います。 スクールソーシャルワーカーの捉えている問題は地域の問題でもあります。それは社会の問題として捉えなおさなくてはいけないはず。どこまで行っても答えが出ないこともあるかもしれません。それでも、私はこれからもずっと考え続けていきたいと思っています。