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2015年度作文コンクール入賞作品一覧

半田市長賞 「地域とふれ合う場所」

半田市立半田中学校 3年 渡邉薫乃

私は昨年の秋から「みんなのカフェともとも」というお店で仕事体験をしています。

「ともとも」が営業している時間は、毎週末の土日の二日間の午前十一時半から、午後一時半までです。その理由は、働いているスタッフが小・中・高校生が中心だからです。でも、子供だけではなくサポートをしてくれる大人のスタッフも一緒です。

そこで働く子供達は、私も含めて発達障害があります。

なぜそういう子供達がスタッフとして働いているのかというと、高校を卒業した後の就職に向けての職業訓練をするためです。

そこでは、お客さんに料理を出したり、開店の準備と閉店後の後片づけ、皿洗いなどをしています。

「ともとも」での訓練はそれだけではなく、一人一人の苦手な所を直す場所でもあります。私達が大人になった時、社会の一員としてちゃんと働くことが出来る様になるためです。

私は今、「ともとも」でリーダーを任されています。

でも、リーダーという立場に最初からいたわけではありません。最初は失敗することも多く、リーダーと呼ばれるにはふさわしくありませんでした。だけど、ずっとやり続けてきたからこそ、今では失敗も少なくなり、リーダーと呼んでもらえるようになりました。嬉しいと思う反面、プレッシャーもあります。みんなのお手本にならないといけないので、いつも緊張感を持って仕事をしています。

まだ、「リーダーは自分でいいのか。」と半信半疑になる時もあります。私は今までの生活の中でリーダーと呼ばれた事もなければ、そんな役割をした事もなかったので、大事な役割をさせてもらっているんだなあと「ともとも」に行くといつも思います。

私は「ともとも」で働く前は恥ずかしくて人前で笑顔を見せることが出来ませんでした。

でも、お客さんからほめてもらえる事が多くなり、今では自信がついて笑顔で接客が出来るようになってきました。

今年の四月に「ともとも」に、NHKの取材が来ました。テレビで放映されたのを見てみると私も映っていました。とっても恥ずかしいのと、嬉しいという気持ちになりました。

その取材のおかげで、お客さんがたくさん来てくれる様になりました。「ともとも」の事を多くの人に知ってもらうことが出来たのが何よりも嬉しかったです。

私は、「ともとも」で働くことで少しだけど自分に自信を持つ事が出来るようになりました。「ともとも」という場所があるということをもっともっと多くの人に知ってもらいたいです。そして、他の地域でも同じような場所がたくさん出来るといいと思っています。なぜなら私達の様な発達障害を持っている子供達と地域の人々が接することが出来る場所がもっともっと増えたらいいなあと思うからです。

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