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2015年度作文コンクール入賞作品一覧

特別賞 「三八市を将来に残すために」

半田市立半田中学校 3年 榎本匡希

私の住んでいる愛知県半田市では、観光業を盛んにしようと、開発が進んでいます。最近では、赤レンガの建物がリニューアルしたり、武豊線が電化を実現したり、さらに、今年十月にはミツカンミュージアムも新たにスタートします。

こうしたなか、僕が住む北区ではある問題があります。それは、定期市の「三八朝市」の移転です。移転前は、半田小学校の前から半田商工会議所の近くまで店が出ていましたが、住民の許可が得られず、近くにある児童遊園に移転をしています。店は、私が子供のころは二十軒ほど、私の父が子供の頃は三八通りにぎっしりと並んでいたそうです。現在は十数軒ほどで、前のようなにぎわいはありません。

三八市が必要な理由はたくさんあります。私が三八市を存続させたい理由は2つあります。

一つ目は、地域住民の貴重な買い物の場、交流の場であるということです。三八市の周辺には高齢者がたくさん住んでいます。もし三八市が無かった場合、高齢者は知多半田駅付近のスーパーマーケットまで、歩いていかなければいけません。これは容易なことではありません。そのため、三八市があることは、高齢者にとってとても便利なことなのです。さらに、買い物に行って、お店の人や地域の人と会って話すことができるし、たくさんの人と知り合いになって、人と人とのつながりができます。そして、その地域の人々の絆が強くなります。

二つ目は、子供達が対面販売を経験できるということです。半田小学校では、二年生が三八市を訪れてお買い物体験をするという授業があります。私も二年生のとき参加して、キュウリ一本と団子を買いました。私たちが加わったので、にぎわいが増していました。これはとてもよい経験となりました。この体験を通して、人と顔を合わせて会話をしながら買い物をすることができるようになりました。学校の授業以外でも、母にたのまれて三八市で買い物をしたことがあります。よく買いに行ったものは、団子・饅頭・卵・飴・野菜・ゼリー・蒟蒻でした。団子屋のおじさんや饅頭屋のおばさんと、最近の生活について話をしたり、八百屋のおじさんにお金を数えてもらうこともありました。今思えば、そこで教えてもらったこと一つ一つが、その頃の私にはとても為になりました。このように、三八市を通して地域のみなさんやお店のおじさん、おばさんにお世話になり、教えてもらったことが、日々の生活に役立っているのです。

私は、三八市がこれからも存続してほしいと思います。今は小規模になった三八の市を活性化させるために、紺屋海道に続く観光ルートを通る観光客が立ち寄るような魅力的な市になると良いと思います。そのために、お店の人たちも工夫をしたり、地域との共生を考える必要があると思います。

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