教材開発

  1. ホーム
  2. 教材開発
  3. 作文コンクール実施要項
  4. 2013年度作文コンクール入賞作品一覧
  5. 半田市教育委員会賞 「私の大切にしたいこと、そして願い」

2013年度作文コンクール入賞作品一覧

半田市教育委員会賞 「私の大切にしたいこと、そして願い」

半田市立半田小学校 6年 小栗治子

私の家は、とても古い家です。明治時代に建てられ、古い材料や建築様式を今に見ることができ、国の有形文化財建造物に登録されています。そのため、時々いろいろな人が見学に来ます。厚い土壁や長い木の廊下など、夏でも涼しげな建築様式になっています。しかし、実際には、外と同じように暑いので、私はエアコンのある家がうらやましいと思う事がよくあります。でも、家の構造からエアコンを取り付けることが難しいので、夏の暑い日でも、自然の風が頼りです。

半田をはじめ、知多地域には、蔵や古い建物をいくらか見ることができます。きっと、こうした家でも、古いものを大切にしているのではないでしょうか。時代とともに、新しいものに置き換わることは必要かもしれません。しかし、古いものを大切にみんなで長く使うことで、伝統が生まれ、その地域の文化が育っていくのではないでしょうか。

今年は新美南吉生誕百年の記念の年だそうです。南吉のお話は、南吉が亡くなった後でも、こうして多くの人に読み継がれています。例えば、「ごんぎつね」に出てくるひがんばなの咲く景色を今でも岩滑のあたりでみることができるのはすばらしいと思います。でも、これは、岩滑のこうした景色を守っている方々がいるから、今でも見ることができるのであり、自然に残っているのではないのだそうです。つまり、大切なものは「残そうとする努力」がないと残っていけないのです。

私の家は昔、味噌屋だったそうです。南吉のお話の一つに、「最後の胡弓弾き」というお話があります。このお話は、次第に時代遅れになっていくお正月万歳の胡弓弾きが、最後まで胡弓の芸を続けようとするお話で、お話の中で味噌屋のお屋敷が出てきます。どうやら、その味噌屋とは、私の家がモデルになったものではないかと言われています。確かにお話を読んでいると、家の土間の様子がお話に描かれているのとそっくりで、より親しみが持てます。このように、具体的な形が残っていると、後世の人々にも分かりやすくその時代のことを知り、楽しむことができるのです。

半田には、こうした伝統的な建物やお話、お祭りなどがいっぱい残っていると思います。私の大切にしたいことは、こうしたものを大事に、後世に残すことです。半田の半田らしい景色を大切に残し、そして、より多くの人たちに、半田の良さを知ってもらいたいと願っています。

ページの一番上へ

戻る