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2013年度作文コンクール入賞作品一覧

半田市長賞 「身近な環境問題」

半田市立亀崎中学校 3年 橋本篤典

家の近所に七本木池という、大きな池があります。冬になるとたくさんのカモが集まることで有名です。昔は、池の水面が埋めつくされる程たくさんのカモが集まったといいます。小さい頃、鳥を見るのが好きだった僕は、よく見に行きました。しかし、そのカモの数は年々減っています。去年見た時は、池の端の方にまばらにいただけでした。

今、その七本木池の整備が進んでいます。数年前は、池の一部を埋め立てて消防署ができました。今年は、新しく大きな公園を整備しています。僕は、工事中の池を見に行って来ました。池の端が埋め立てられ、岸に生えていた木は伐採されていました。僕には、七本木池が壊されているように見えました。来年の冬に来るカモはもっと減るか、もしかしたらいなくなってしまうかもしれません。

しかし、消防署ができたことで何人もの命が救われると考えると、整備が悪いことばかりではないと思います。実際に、僕もその消防署から出動した消防車や救急車を見たことがあります。また、公園が完成すれば、今まで近寄り難かった七本木池に、多くの子供や大人が遊んだり散歩に来たりするようになると思います。そして、多くの人が水や自然に親しむことが出来ると思います。その人たちが、自然に親しんだことで環境に対する意識をもてたら、それはとてもいいことだと思います。

このように、整備には良いことも悪いこともあるので、いちがいに反対とは言えません。自然が壊れることは大きなマイナスですが、それ以上の大きなプラスがあることもあるのです。

何のために整備するのか、どうやって整備するのか、など整備をめぐって様々な意見があると思います。整備の計画段階で様々な立場の人の意見を聞き、まとめることで誰もが必要としている物を作るべきだと思います。一方で、マイナスを減らす努力もしなくてはなりません。整備の工事にはいろいろな方法があることでしょう。その中で、できるだけ自然に負担をかけない方法を選ぶことで、少しでもマイナスを減らせるのではないでしょうか。

七本木池の例で言うと、自然をあまり壊さずに整備すれば、公園を利用する人ができるだけ元のままの自然に触れることができます。公園を作らなかったら自然を壊すことはありませんが、人は池に近寄ることができません。できるだけ手の加えられていない自然に、誰もが触れられると良いと思います。そうすることが、本物の自然を理解することにつながるのです。

池のほとりに、大池神社という祠があります。神様は、どんな思いで七本木池の整備を見守っているのでしょうか。僕は、七本木池が良い公園になって、来年の冬、たくさんのカモに戻ってきてほしいと思います。

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