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2013年度作文コンクール入賞作品一覧

特別賞 「東日本大震災を経験して思ったこと」

半田市立亀崎中学校 1年 仙波槙子

二〇一一年三月一一日、東北を中心とする大きな地震が起こりました。東日本大震災です。私はその時、仙台市に住んでいました。学校で六時間目の授業中の出来事でした。グループに分かれての授業だったので、先生がいない時に突然揺れ始めました。小さな地震はあったけれど、この揺れは今までに経験したことの無い、大きくて長い長い揺れでした。友達の泣き声や叫び声が聞こえて、自分も震えていました。その時の怖さは今でもはっきりと覚えています。

先生はいなかったけれど、みんなで避難訓練を思い出し、一斉に机の下にもぐりました。揺れが大きかったので、机の足にしっかりつかまっていました。この小学校では、避難訓練を何度も厳しく行っていて、このとき改めて、避難訓練の大切さを感じました。

揺れがおさまり、先生の指示で上靴のまま校庭に出ました。人数確認を終え、保護者の人がどんどん迎えに来て、スムーズに引き渡しが出来ました。これも訓練のおかげでした。

私も家族が迎えに来て学校を出ましたが、家には帰らず近所のスーパーの駐車場で、車の中で一晩過ごしました。仲の良い家族同士集まって、一緒に行動出来たのもとても心強かったです。

私の住んでいた地域は津波に襲われませんでしたが、よく遊びに行っていたところまで津波が来ていました。車のテレビでも津波の映像を見て、現実のこととは思えませんでした。この地震で亡くなった人の多くが、津波で亡くなったと後の報道で知りました。津波の警報が出ていたけれど、そんな大きな津波はここまで来ないだろう、という危機感の甘さも、被害者を多く出した原因の一つと言われています。きっと誰もが自分は大丈夫、という気持ちがどこかにあると思います。私も家族もそうでした。今回の地震はとても怖い経験でしたが「自分の身は自分で守る」ことについて考えるきっかけになりました。

今、私が住んでいる愛知県では、東南海地震が起こると言われています。東日本大震災の何倍もの被害が出ると予測されています。

もし地震が起こったら、という話を家族できちんと話し合い、どこに避難するか決めました。防災グッズは一年に一度見直しています。そしてやはり心強かったのは、地域の人と助け合い、協力し合えたことです。普段から地域の行事に参加し、ボランティアに参加して地域の人との絆を強くしていきたいです。

東日本大震災の影響で、福島の原子力発電所が爆発し、多くの人が自分の家で住めなくなりました。日本は今まで原子力発電を信じて頼りきっていましたが、これからのエネルギーのことも大きな問題となりました。今は稼働ゼロと言われていますが、福島の原発もまだまだ問題が多く不安です。早く安心して住める国になってほしい。そのために、小さなことでも自分に出来ることはないか、個々で考えることが必要な時代だと思います。

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