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2012年度作文コンクール入賞作品一覧

特別賞 「僕は僕である」

東海市立大田小学校 6年 神野勇人

僕は三兄弟の末っ子である。末っ子は一般的に甘えん坊と言われている。僕も例外ではなく、そうらしい。生まれたときから常に年上の人たちに囲まれて、いつでも困った時に助けてもらえる環境にあって、いつも家族の中で守られているので、自然に甘えん坊になってしまったのかもしれない。

僕の両親は二人とも働いているので、赤ちゃんのころから保育園に行っていた。もちろん二人の兄も同じように保育園に行っていたが、保育園の先生たちも、学校の先生たちもみんな僕のことを甘えん坊でかわいいと言う。こう言われるとなんだか腹が立つ。僕だけ特別に自分で何もできないみたいに聞こえるからだ。僕だっていつも一生懸命がんばっているのに、周りがそういう目で見て勝手に僕のイメージを固めているのだ。

でもこのイメージのおかげで逆に助かることもある。いつまでも僕のことを小さく甘えん坊だと思っているので、少しがんばるとすごくほめられたり、評価が上がったりするのである。同じような事をしてもいつもお兄ちゃんたちが、特に一番上のお兄ちゃんはよく怒られている。不思議な感じである。

末っ子で損をすることもたくさんある。特にお父さんはお兄ちゃんたちを大人あつかいして、自転車で遠くまで出かけるのに、僕の事はいつまでも子供あつかいして、まだ無理だと決めつける。お兄ちゃんが僕の年にはできたことを勝手にできないと決めつけるのである。お兄ちゃんがうらやましいし、悔しい。いろいろな経験の数は絶対にお兄ちゃんの方が多いのである。

でも最近は、末っ子とか甘えん坊と言われることにそんなに腹が立たなくなった。なぜならば僕が末っ子であることも、甘えん坊であることも本当のことだし、たくさんの人たちにかわいがってもらえることは幸せなことだと思うからである。僕のことを放っておけないと思ってもらえるのは、うれしい。

人はそれぞれ、生まれながらにおかれている環境の中で、自分の果たす役割があると思う。それは親やおじいちゃん、おばあちゃんの期待もあり、お兄ちゃんたちと仲良く助け合っていくということと、僕がいろいろな人たちに愛されて、成長していくことだと思う。

だから僕は、僕のままで、僕なりに一生懸命がんばっていこうと思う。末っ子のプライドを持ちながら。

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