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2010年度作文コンクール入賞作品一覧

特別賞 「一枚の写真」

半田市立乙川中学校 3年 安井祥子

「こんなんじゃだめだ。」二年生に習った事も全然覚えていない。解いても解いても自分の前には分からない問題しか現れない。私の志望校は本当にこのままでいいのか。諦めて楽な志望校にしてしまおうかと考えながら二年生の教科書を引っぱり出した。その時、一枚の写真が私の目に飛びこんできた。そうこの写真は、私が今までに経験した中で、一番頑張った、一番大変だった、けれど一番楽しかったと誰にでも胸を張って言える写真だった。また、その写真は今よりずっとずっと輝いているように思えた。それは部活の重奏コンテストで金賞をとった時の写真だった。

では、今の自分は一体どうなのだろう。やらなくてはいけない事はたくさんあるのにもかかわらず、なかなか行動に移せていない、わからない問題があっても、すぐに諦め答えを見てしまう。それで本当に輝いていると言えるのか。そういえば、あの時もこんな経験があった。ずっとメンバーの皆で目標にしていた金賞。しかし一回目のコンテストでは、その目標にとどく事はなかった。『どうしよう二回目のコンテストももう無理かもしれない。』年末年始もあり、練習できるのは、二週間だけだった。けれど考え方を変えれば、もう一度だけチャンスがある。それならこの二週間は絶対に無駄には出来ない、そう六人のメンバーで話し合い、『やれるだけやってみる、結果はともかく自分たちが本当に納得出来る演奏をしよう。』そう誓い、約束した。

この二週間、くじけそうになった事もあったが、六人で決めた約束を胸にお互い励まし合いながら練習した。結果は念願の金賞。私は達成感で一杯だった。また生まれて初めて嬉し涙を流した。最後まであきらめなくてよかった心からそう思った。

思い出しているうちに、あの時の自分にもう一度戻りたくなった。あの時、あんなに頑張れた自分。せっかくここで成功できたのに、本当に今のままの私でいいのか。そんなはずはない、次も必ず頑張れるはず。私には、一緒に辛い事も乗り越え、頑張れた仲間がいる。あの時も、そしてこれからも応援し続けてくれる人がいる。

この写真を机の上に飾ろう。どんな時でもまたあの時の事を思い出せるように。あの時の自分に戻れるように。もう一度写真を見て私は思った。『今ならきっと頑張れるはず』っと。そう思い私は一度問題を見てチャレンジしてみる事にした。

次の私の目標は第一志望校に合格する事。一年生の頃、金賞どころかコンテストに出れるかどうかもわからなかった自分がここまでこれたのだから、新たな目標もきっと達成出来る。この写真のようにまた笑いたいから。

そして今の目標だけでなく、これから先、どんなに、大変でくじけそうになった時でも必ず最後まで諦めず頑張って生きていきます。未来の自分がこの写真以上に笑っていられますように。

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