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2010年度作文コンクール入賞作品一覧

半田市生涯学習推進協議会賞 「守ろう自然と生き物たち」

大府市立大府中学校 1年 仁田美央

私は名古屋の藤前干潟で、干潟にいる生き物の調査や、ゴミを拾うなどをしながら干潟を守る活動をしている。

私が大切にしたい、守りたいと思ったものは湿地とその周りの自然だ。今、藤前干潟はラムサール条約湿地で、国指定鳥獣保護区特別保護地区に登録されている。また、渡り鳥の中継地の環境を守るという重要生息地ネットワークにも参加している。

藤前干潟は一九九九年に名古屋市が計画を撤回するまでは、ゴミ処理場として埋め立てられる予定の干潟だった。次々と周りの干潟が埋め立てられていく中、干潟を守ったのは市民だった。自らゴミの減量に取り組み、干潟にも生き物がたくさんいる事を地道な調査によって証明した。藤前干潟は埋め立てから市民によって守られたのだった。

私は、このような藤前干潟を市民が大切に思っていることを誇りに思う。そして、それを外国の人に伝えたいと思い韓国に行った。韓国では、私と同じような活動をしている子供たちとウポ沼やナクトンガンの調査を行った。ここにも生き物はたくさんいた。しかし周辺の川では、地元の人たちの反対を押し切り、川を整備する工事が行われていた。世界では、まだ自然の大切さがわからない人たちがたくさんいるということを改めて感じた。

そこで今度は「KODOMOバイオダイバシティ国際湿地交流in琵琶湖」に参加した。これは琵琶湖で行われ、世界五カ国の代表約八十人の子供たちだけで会議が開かれた。この会議で、琵琶湖の現状を知らされた。

琵琶湖はラムサール条約湿地で国定公園特別地域に登録されている。ここには琵琶湖だけに生息する魚類十五種と貝類三十種の固有種がいる。カンガモ類の重要な越冬地でもあり、藤前干潟と同様に重要生息地ネットワークに参加している。しかし、琵琶湖でも問題をたくさん抱えている。水質汚濁や富栄養化、水質浄化や湖岸保護の機能を持つヨシ群落の消失だ。このような問題から湖を守るために、条例が制定された。

水質汚濁問題に対しては、中性洗剤の使用を減らす「せっけん運動」を一九七〇年代から行っている。水質は以前のように戻りつつあり、市民の協力は大きいと再び感じた。

このように、日本でも韓国でも世界中で自然破壊が行われている。しかし、それを少しでも改善しようと努力している人々がいる。その自然を守ろうと、そして未来へ残していこうとしている思いを大切にしたい。

今年十月に生物多様性条約締約国会議「COP10」が名古屋で開催される。私もこの会議に関連した行事に韓国や琵琶湖で知り合った子供たちと一緒に参加し、自然の大切さを伝えていく。そして、日本のみんな、いや、世界中のみんなに自然を守ることの大切さが広まり、美しい地球が未来へ続いていってほしいと心から願っている。全ての生き物が共に支え合って共に生きている地球なのだから。

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