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2010年度作文コンクール入賞作品一覧

特別賞 「分け合う笑顔」

半田市立青山中学校 3年 坂元美香

「ごめん、卵一つ分けてもらってもいいですか?」

ちょうど、それぞれの家庭が夕食の準備をし始める頃、私の家に訪ねてくる近所のお母さん。別にお金が無くて買えないから、という訳ではありません。私のイメージは、学校で消しゴムを忘れた時、仲良しの友達に分けてもらう。そんな感じだなぁと思っています。近所のお母さんは「ちょっと足りないから一ついただこう」と、気軽に訪ねてきました。

私の周りではよくある光景です。母がたくさん作ったおかずや、祖父からもらった果物や野菜などを近所の人におすそわけする事がよくあります。また逆に、もらう事もあります。

これはごく普通で、自然な事なんだ、と小さい時からずっと思っていました。むしろあまり深く考えた事もありませんでした。しかし、今の時代、世の中は少し違っていた様です。

以前、私の祖母が昔の事について話していました。

「昔はよく、ご近所さんに自分の家で作った野菜なんかをおすそわけしていたけど、今の人達はあんまりそういう事はしないみたいだねぇ。」と少しさみしそうな感じで話していました。確かに、今の時代「近所付き合い」というものが昔に比べて乏しいのかもしれないと思いました。  私は最近色々なニュースを見ていましたが、その時、度々「近所付き合い」について思っていました。この容疑者は、なぜ近所の住人を殺してしまったのか。もっと近所の人達と交流したり、コミュニケーションをとっていれば、こんな事にはならなかったのかもしれない。と、近所のかかわりの大切さを考えさせられます。

殺人事件以外にも今、お年寄りについての問題もたくさんあります。自分には家族がいない、助けてくれる家族がいない。そんなお年寄りはどうすればよいのでしょうか。やはり、助けるべきなのは、頼りにできるのは近所の人達ではないでしょうか。

私のごく普通で、当たり前の「近所付き合い」。それは食べ物のおすそわけや、物の貸し借り、日常のあいさつだけではないと思います。いざという時には手をさしのべ合う事ができ、支え合える強い地域の絆こそが大切で、無くてはならないものだと思います。やっぱり困った時に頼りになる人達がいつも周りにいるのはとても安心できるものです。そして必ず、周りは住みよい場所となっていくはずです。

今日からできる、私なりの「近所付き合い」。それは、元気いっぱいの「こんにちは!」。

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