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2008年度作文コンクール入賞作品一覧

半田市生涯学習推進協議会賞 「家族の絆」

半田市立乙川中学校 2年 後藤真李

あなたは大切な人が思い病気になってしまったことがありますか。あなたは家族の温かさを感じたことがありますか。今年の春、私に想像もしなかった出来事が起こりました。

私はいつものように、すぐ近くにある祖父母の家に訪ねました。小さい頃から祖父が大好きでいつも一緒にいた私は、祖父の世話をしていた畑によくついて行ってました。しかし今日はいつも祖父の座っているいすに祖父の姿がありません。昔から体の調子が悪く、薬をたくさん飲んでいました。三日前から検査入院をしていて今日退院して帰ってくるはずでした。でも検査の途中に脳梗塞になってしまいました。そして左半身が麻痺し全く動かなくなってしまい、言葉も話せなくなってしまったというのです。祖父は三ヵ月間入院することになってしまいました。私はこのような事が初めてだったので、すぐには信じることができませんでした。

ある日目が覚め外を見ると、畑には祖父ではなく、祖母の姿がありました。土日には仕事が休みである父と母も畑仕事をしていました。私はその時初めて家族が支え合い、助け合っているということを身近に感じました。

母と祖母は毎日交替で祖父のお見舞いに行き、左半身の血液の流れが良くなるようにずっと体をさすっていたそうです。そして祖父も早く家に帰れるように、リハビリ以外の時間に一人でずっとリハビリしていたそうです。

祖父が入院している間、私は部活などが忙しく遠くにある病院へなかなかお見舞いに行けませんでした。それでも祖母や母から、祖父がリハビリを頑張っていて全く動かなかった左手も物がつかめるようになったと話を聞くと、私も勉強や部活を頑張らなきゃと思えました。

三ヵ月後、祖父の退院できる日が来ました。私はすぐに祖父母の家に行き、祖父のもとへ駆け寄りました。久々に見た祖父の顔は、前と変わらぬ笑顔で優しくほほえんでいました。祖父は私の顔を見た瞬間、笑いながら涙を流していました。それを見た私も自然と涙が流れていました。温かい涙でした。それから病院でのことや学校でのことをお互いに話しました。その時の祖父の涙にはたくさんの意味があったと思います。初めは全く動かなかった左半身を辛いリハビリに耐え、自分の力で動かせるようにした達成感。また、自分の家に戻れた嬉しさが交ざり合っていたのだと思います。辛くても家族のために頑張れる。そんな絆の深さがすごく身にしみました。

家族にも友達にも、一番大切なのは相手を思い合える心だと思います。相手のことを考えられるようになったら、絆も深まり笑顔のあふれる町になると思います。

おじいちゃん、一番大切なことに気付かせてくれてありがとう。

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