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2008年度作文コンクール入賞作品一覧

半田市教育委員会賞 「シアワセ」

知多市立中部中学校 1年 西嶋愛

通路を挟んで隣の人が、えんぴつを落とす。私は、拾ってあげる。アリガト、と言われる。
「シアワセ」。

ボーっとしていると、キラキラとした笑顔が見える。それが私に向けられた瞬間。
「シアワセ」。

給食中、大いに笑い、先生に「会話をしなさい。」と怒られる。これも一種の、
「シアワセ」。

シアワセって、案外いろんな所に転がっていて、それをシアワセだと思うか普通と思うかは、自分次第だということを最近知った。私はものすごく小さな事でも、シアワセだと思う。友達に「どこが?」と言われても、私にとって坂のない床はシアワセの象徴だし、狂いのない時計、なんて言ったら天使の歌声と同じくらいの勢いでシアワセだ。

世の中には「シアワセの条件」という物があるらしい。自分の中で勝手に条件を作り、その条件を満たしている出来事・物が「シアワセ」となる、と言っていた。しかし私にはシアワセの条件などない。

私は最近、すごい発見をした。ある人が私に向ける顔は、いつも笑顔なのだ。一度もその人が悲しい顔や怒った顔を私に見せたことはない。これはもう、私にとって「世紀の大発見」と呼んでもいいくらいの発見だった。

私はその「発見」をした日から、その人を目標にした。「笑顔=シアワセの種」という勝手な方程式を造り、誰に話しかけられても笑顔でいるように努めた。悲しい事があったら目標の笑顔を見て自分をはげました。

「いつも笑顔」を心がけるようになってから、私の周りに人が増えたような気がする。もちろんそれなりに嫌な事もあったけれど、笑って流せるようになった。どうしてもダメな時は目標の笑顔を見る。それがいつの間にか習慣になった。

私にあの笑顔を向けてくれる人は、きっと私を勇気づけるだとか、なぐさめるだとかそういう目的はないだろう。じゃあ、何故、笑顔を?多少の疑問が出てくる。でもだんだんそんなの関係なくなってくる。笑顔が見られればそれでいいやと。そう思えてくるのだ。

笑顔がシアワセに繋がると知ったその日から、私は「クラスを笑顔で一杯にする」というありがちな目標を新しく作った。その目標は本当にありがちだったが、難しい。それでもあきらめずに笑顔を忘れず頑張った成果か、最近はクラスに笑顔が増えた気がする。

三十六人分の笑顔が、大きなシアワセになる事を願って。

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