2007年度作文コンクール入賞作品一覧
特別賞 「私の過去の二十冊」
半田市立亀崎中学校 1年 貝沼樹絵里
今、私の前には、二十冊のノートがつまれている。
そのノートとは、私が幼稚園の頃から、かき続けた日記だ。春休み、夏休み、冬休みに毎日かいている。今まで読み返したことはなかった。けれども、小学校卒業のとき、部屋の大掃除をして日記をまとめて並べてみた。そこであらためて、日記を読み返した。
記念すべき一ページ目は、絵日記から始まった。人がかいてある。たぶん私と母だ。星がかいてあるから、夜だろう。手に持っているのは、花火かな。下手だけど、幼稚園児がかけば、こんなものかなと思う。このような日記をかいたことは、全く記憶にない。
読んでいくうちに、その日記は、私にとって毎日の生活の中で楽しかったことだけが、かかれてある。
今、私は中学校一年だ。中学校生活は、充実していて、とても楽しい。それでも、勉強は大変だし、習っているピアノは苦しいことばかりだし、クラスの友達とも仲良くやっていかなければならないし……。 この日記のころのように、毎日楽しいことばかりではない。
他の日記を読んでいて、おもしろいことに気がついた。食べ物のことについてよくかかれている。私は、豊かな日本に生まれ育ち、今まで一度もひもじい思いをしたことがない。それなのに、食べ物のことがよくかかれているということは、私たちにとって、食べるということは、大切なことなのだと思う。
戦争や、貧困、異常気象などで、うえている子供たちが、世界にはたくさんいる。私はおいしいものを食べることが楽しみだけど、そういった恵まれない人たちのことを、忘れないでいようと思う。
日記には、いつも家族がでてくる。私にとって一番大切なのは、家族だ。今、私の大切なおばあちゃんが、病気になってしまい、私のこともわからなくなってしまった。日記にでてくるおばあちゃんは、いつも元気なのに今は、病院のベッドで動けない。おばあちゃんが苦しんでいる姿をみていると、私はとても悲しくなってしまう。おばあちゃんは、私と会うと、いつも笑顔で
「大きくなったね。」
と言ってくれる。やさしいおばあちゃんに私は、これからも、大きくなったねといってもらいたい。おばあちゃんの病気が良くなるように、私は強く想う。
楽しいことばかりが、かかれてある、私の日記だけど、これからは、こういったつらいことも、かかなければならないのかもしれない。
でも私は、楽しいことがかける日記にできるよう、のりこえられる、強い心を持っていこうと思う。
まだまだ私の日記は続く。