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2007年度作文コンクール入賞作品一覧

特別賞 「大好きな町、岩滑」

半田市立岩滑小学校 5年 森翔紀

僕の宝物は人からもらった言葉です。

「翔ちゃん、また、パンをやいてあげる。」

この前、福ちゃんがぼくにこう言ったので、ぼくは「ありがとう。」と照れくさそうに言いました。

「福ちゃん」というのは、ぼくの家の近くに住んでいるおばさんです。正確に言うとぼくと同じくらいの年の孫がいるので、おばあさんかもしれませんが、とても明るくていつも元気で気持ちのいい人です。「おばさんのことは『福ちゃん』って呼んで。」と言ってくれたので、ぼくは福ちゃんと呼んでいます。

ぼくは時々、福ちゃんの働いているお店へ買いに行きます。お店に行くと「いらっしゃいませ。」という福ちゃんの元気な声が聞こえます。その声を聞くと、背筋がピンとのびて心がすっきりします。福ちゃんがお店にいないと、何だかがっかりします。

ぼくと福ちゃんとの出会いは、三年生の時の岩滑の区民運動会でした。その中のきょう技でお年寄りと孫が一緒にやるものがありました。ぼくの家はおじいちゃんもおばあちゃんも、もう亡くなっているのでぼくは、そのきょう技には出られないと思っていましたが、人が足りなかったのか出られることになりました。そのきょう技は、走って行って封筒を取り、中に書いてある動物と同じ動物の紙を持っているお年寄りをさがして、その人と一緒に走ってゴールするというものでした。ぼくの紙には「かば」と書いてありました。一緒の動物の紙を持っていたのが福ちゃんでした。ぼくと福ちゃんはゴールに向かって一生懸命、走りました。と中で追いつかれそうになったけれど一位を取ることができました。それから、ぼくは福ちゃんと仲よくなりました。

「また、来年も一緒にやろうね。」と約束をして四年生でも一緒にやりました。福ちゃんが、どこかの人に「福ちゃん、この子とやったら。」と言われていましたが「あかん、翔ちゃんと約束しとるで。」といって断ってくれていました。ぼくはすごくうれしかったです。この時には、二位でしたが、また来年も一緒にやろうと約束しています。

ぼくの住んでいる岩滑には、昔から岩滑に住んでいる人がたくさんいます。僕の家も昔からある家ですが、おじいちゃんやおばあちゃんは、もう亡くなりました。でも、おじいちゃんやおばあちゃんのことを知っていて、ぼくのことをかわいがってくれる人もたくさんいます。福ちゃんもその一人です。ぼくは「おじいちゃんやおばあちゃんとつながっているんだなぁ、あったかい町だなぁ。」と思っています。ぼくは、そんな岩滑が大好きです。

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