知タウンシップとは

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知タウンシップの取組について

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(5)取組の有効性

1)学生参画による地域の評価

本学部の取組を評価する方法として、講座終了後にアンケート調査を実施している。その結果によれば、学生が参画した講座に対する受講生の満足度の高さがうかがえる。自治体連携の人材養成講座(【表3】参照)は、過去3年間で8講座が開講された。これらの講座は、テーマにあわせた外部講師の招聘とフィールドワーク、ワークショップを中心とする実践形式により構成され、3つの講義科目と連携している。とりわけ、学部の「社会教育主事課程」科目は、受講経験のある学生有志、担当教員、大学職員、自治体が講座のプログラム化に向けて共同検討に取り組んだ。人材養成講座に参加する学生への受講者の評価は、「若い人たちとのワークショップは新鮮な経験になった」「受講3年目ですが、毎年いろいろなことに気付いて、深く考えさせられる」(アンケート結果より抜粋)に示されるように、学生と社会人の共同学習の相乗効果が評価されている。また、LAの生涯学習講座の運営・支援数は、過去3年間で60講座にのぼり、講座で使用するオリジナルテキストの制作も担っている。平成17年の受講生アンケートからLA参画の評価をみると、【図3】に示されるように、学生講師の説明と学生アシスタントの対応ともに受講生全体の9割前後が満足している。また、「おそらく、学生スタッフがいないと講義が進まないのではないか」「学生スタッフの優しさや情熱など、知識以外にも大切なことを学ぶことができた」(アンケート結果より抜粋)にあるように、身近で頼れる存在として学生の能力や貢献が評価されていることが読み取れる。

2)学生への教育効果

本学部の取組が学生に及ぼす効果は、LAが自ら整理した活動理念からうかがうことができる。LAは自らの活動を『「やりがい」「楽しさ」「責任」の3要素を含み、自己成長以外にも人を支え、学ぶことと教えることが絶えず循環し、ふれあいの中に社会的責務を負うことを体験的に学ぶ場』としている。これは、多様な活動領域を有するLA活動が、単なるボランティアではなく、人のためであり自分のためにもなる活動になっており、学生が地域の中で果たすべき役割を自ずと意識することに繋がっている。このような学生の取組に共通する教育効果は、入学後の早い段階から学ぶ意欲と職業意識を高め、学生が地域社会における自分たちの役割や社会参加のあり方を実践的に習得し、生きる力を育むことにある。誰もが豊かに暮らせる社会の実現を目指して自分にできる役割を果たす「ふくしのこころ」の醸成は、「ITを通じて人々の生活を快適に、より豊かに」(情報・通信産業就職)、「福祉のこころを接客、売り場づくりに活かしたい」(生活関連サービス業就職)という本学部卒業生のメッセージからもうかがえる。

3)「知タウンシップ」型教育のモデル構築

本学部の「知タウンシップ」型教育における取組は、積極的に地域に教育資源を求め、それを有効に活用し、学生も地域もともに成長を促す教育プログラムを提供するものである。これらは、学生のみならず全学の教員へのワークショップ型教育手法の開発などにも好影響をもたらしている。本学生涯学習センターは基礎科目や「社会教育主事課程」科目の、福祉テクノロジーセンターは福祉情報技術に関する演習科目のフィールドを提供している。また、学生プロジェクトの研究・社会貢献活動と受講修了生有志の組織が連携し、情報バリアフリー技術の検証実験などが行われている。このように、地域との共同学習・協働取組による実践型の人材育成システム(「知タウンシップ」型教育)が実現した。

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