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2010年度作文コンクール入賞作品一覧

半田市長賞 「『小さなほう石』を守るためにぼくができること」

武豊町立緑丘小学校 3年 長谷川洸輝

みなさんは、『ほたる』を見たことはありますか。よく、色々な市や町で「ほたるを守る会」などと、人口し育している所がありますが、ぼくの住んでいる家の近くには、野生のほたるが住んでいる田んぼがあります。でも、あまり大きな声では言えません。ぼくのおじいちゃんが犬のさん歩で見つけた、ひみつの場所だからです。ひみつだから、知っているのは、家ぞくだけ。友だちにも教えていない、とても大切な場所なのです。

どうしてひみつなのかというと、それは、きょう味本位で家に持って帰ってしまう人がいるからです。

去年の七月のことでした。ぼくとお母さんとおじいちゃんの三人で、ほたるを見るのを楽しみにしながら田んぼに行くと、田んぼのわきに停めた車の中から、大人二人と子ども三人の親子がおりてきました。五人とも、手には空のペットボトルを持っていました。(まさかほたるをつかまえにきたんじゃ・・・)ぼくのかんはめい中して、その子どもたち三人は、ほたるのとんでいる田んぼの中にズボズボと入って行き、つかまえようとしたのです。ぼくがしんじられない光けいに、ただただおどろいていると、すかさずおじいちゃんが、

「ほたるをとったらいかんよ。昔とちがって今は数が少なくなっているから、とったらもう来年は一匹も生まれてこないかもしれないからね。」 と、やさしくその親子に言いました。すると親子は、聞こえているのかいないのか、何も言わずに、おこったように車にのって行ってしまいました。

この親子のように、ほたるをつかまえたいと思う人はまだまだたくさんいるかもしれません。ぼくも、ほたるをはじめて見たようち園のとき、とんでいるすがたがあまりにもきれいで(ほう石みたい)と思いました。その小さなほう石をなんとか自分のものにしたくて、家に持って帰るとぐずって泣いたことを今でもおぼえています。後から図かんで調べると、ほたるはきれいな水のある場所でしか生きられないと書いてありました。もしあの時、家に持って帰ってきていたら、たった一夜しか生きられず、朝にはつめたくなっていたことでしょう。

小学生になってからは、ほたるのいのちを大切にしてあげたい、一匹でも多く守ってあげたいと思えるようになって、田んぼにすててあるゴミやペットボトルなどをひろって、ほたるやほたるのよう虫がすみやすい場所を作るなど、子どものぼくにでもできることから、少しずつ取り組んでいます。

そのせいかがあったのか、今年の七月に見に行った時は、うれしいことに、去年は十~二十匹だったほたるが、二十~四十匹とふえていて、きれいな光をはなっていました。

小さなほう石の光がいつまでもたえないように、これからもやさしい気持ちで見守っていきたいです。

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