大学教育推進プログラム 「教育の質保証に資する福祉大学型IRの構築」−「学業不振学生(発達障害等要個別支援学生を含む)」の要因分析による学生の生活・学習支援プログラムの開発から−

2 取組の実施計画等について

取組の実施計画等[申請書類等作成・提出について P.5参照]

①取組の全体スケジュール及び各年次の実施計画
表1 取組のスケジュール

【1年目(平成22年度)】
 取組初年度は、IR機能を活用した生活支援プログラム開発に向けた学業不振学生の日常生活要因分析、学習支援プログラム開発に向けた学業不振学生の成績向上等要因分析、障害学生の支援ニーズの類型化とニーズ把握指標の開発を行う。

【2年目(平成23年度)】
 取組2年目は、前年度の学業不振学生の要因分析結果を踏まえた生活支援プログラム及び学習支援プログラムの開発に係る計画立案を行う。障害学生個別学習・生活支援プログラムの開発については、支援ニーズに応じた類型化を試み、障害学生や支援学生、教職員協働の「場」を設置した上で、類型に応じた支援プログラムの開発を目指す。また、その成果を活用したディジタルコンテンツの作成に着手する。

【3年目(平成24年度)】
 最終年度の前半は、学業不振学生等に係る支援プログラムを実行する年度である。その実行段階を経てIR機能活用による効果と生活・学習支援プログラムの効果について検討、分析を行う。また、障害学生の取組については、セルフコーディネート・プログラムの実施効果を学生および教職員それぞれの立場で分析し、比較検討を行う。また、それらの結果を含む障害学生の入学前から卒業後までの「学び」についてのディジタルコンテンツを完成させて、障害学生向けの入学前ガイダンス等で公開する。
 上記の取組により、IR機能の有用性を検討した上で全学的な普及を図る。

②取組の実現可能性(現状や実績等)
 本取組が実現可能な条件について3点挙げる。第1は社会福祉学部、経済学部、福祉経営学部の改組による教育目標・人材育成目標の設定の機会を捉えて実施できること。第2は「学業不振学生」への対策検討も本事業が採択されての開始ではなく、本学独自として既に着手していること。(【資料2】【資料3】)第3は「IR推進室」の設置等、本取組を推進するための組織化が既に図られていることが挙げられる。(【資料5】

③財政支援期間終了後の大学等における取組の展開の予定
 本取組を通じての期待される成果は3点ある。1点目はIR推進に不可欠なデータウェアハウスの構築であり、2点目は教職員によるIRスキルの獲得と、IR機能を活用したプログラム開発手法の全学的な普及、そして3点目は障害学生支援に関わる体制の確立とノウハウの蓄積である。
 1点目のデータウェアハウスの構築については、一定の初期投資を必要とするものであるが、本取組によって当該システムの導入が図られることにより、財政支援期間終了後はそのメンテナンス及びデータ蓄積が主なテーマとなることから、経常経費を当該費用にのみ充当することが可能となる。また、データウェアハウスの構築により、データの収集・管理、さらにはその組織的かつ効果的な活用が可能となるため、より効率的な調査・分析業務の推進が可能となる。2点目のIR機能の全学普及については、これまで教職員の経験知に依存してきた様々なプログラム開発に対して、客観的な調査分析に基づく開発手法がもたらされるとともに、諸事業におけるマネジメントサイクル(PDCA)の組織的な定着が期待される。本取組が対象とした社会福祉学部と経済学部で得られた成果を、他学部への展開に活用し、さらには全学的な取組へ発展させる。また、学業不振学生対策以外の様々な教育・研究事業へのIR機能活用を目指すものである。3点目の障害学生支援に関わる体制の確立とノウハウの蓄積については、教職員・学生協働による支援の体制を構築、日常化することによってノウハウの蓄積と普及が可能となり、専門人材のみに依存しない推進が可能となる。

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